2017年11月13日更新

香味野菜とは何?〜種類から使い方まで〜

香味野菜

料理のレシピでも、食材に関するウェブサイトやテレビでも、よく見聞きする香味野菜という言葉。
言葉としては馴染み深いけれど、では一体どういうものをさすのかといわれるとピンと来ませんよね。人によっては、二つ、三つと思いつくかもしれませんが、それが本当に香味野菜なのかどうか自信がなかったり、そもそも香味野菜とはどういう意味なのかわからなかったりするのも珍しくないと思います。
一体、香味野菜とはなにを指すのでしょうか。もし、香味野菜と呼べる定義があるとしたら、それはどんなものなのでしょうか。

  1. 目次
  2. 香味野菜とは
  3. 香味野菜を使う目的とは
  4. 香味野菜の種類って?
  5. 家庭でも、香味野菜を取り入れるだけで料理がレベルアップ!

香味野菜とは

香味野菜とは、料理を引き立てるために添えられる野菜のことです。
引き立て方はさまざまで、その野菜がもつ独特の香りだったり、豊かな風味だったり、鮮やかな色彩だったりするようです。
また、香味野菜がなくてもその料理がきちんとした一品として成り立つ場合がほとんどですが、場合によっては、肉の臭みがとれないなど香味野菜が加わることではじめて料理として完成することもあるようです。

つまり、香味野菜とは、特定の野菜のことを示すのではなく、料理を引き立てるために使われた野菜のことをそう称しているのです。
たとえば、焼いた玉ねぎは香味野菜ではありませんが、肉を引き立たせるために添えられた玉ねぎは香味野菜です。

香味野菜と薬味の違いは?

薬味とは、料理を引き立てるために使われたり、添えられたりするものの総称です。
つまり、野菜だけでなく、ハーブや香味料、調味料、くだものなども薬味。
その中で、野菜に分類されるものをとくに香味野菜と呼んでいるのです。
香味野菜ではない薬味には、ゆずや唐辛子などがあります。

香味野菜は食べない?

香味野菜も野菜ですから、もちろん食べてはいけないわけではありません。
ですが、出来上がった料理に添えられることの多い薬味とは違って、香味野菜は調理中に用いられることがほとんど。
この場合、料理として出されるときにはすでに取り除かれていて食べられないことも少なくありません。
たとえば、料理の風味を増すために一緒に煮込まれた香味野菜は、料理とともに皿に盛られることはないでしょう。ですから、その料理にどんな香味野菜が使われたのか、食べる側にはわからないということもよくあるのです。

香味野菜を使う目的とは

香味野菜の目的は、料理の風味を増すことです。
とはいえ、明確な定義があるわけではありませんから、風味に限らず彩りが良くなったり、香りが強くなったり、見た目が楽しくなったりという場合もあるでしょう。要は、作り手が料理をランクアップさせるために使うのが香味野菜なのです。

しかし、基本的には、次の五つのうちどれかに分類される場合がほとんどです。

  • 料理の香りをよくして食欲を刺激する。
  • 料理に彩りを加える。
  • 料理の味を引き締めたり、深みを出したりする。
  • 料理に薬効を加える。
  • メインとなる肉や魚の臭みを消す。

香味野菜で得られる効果とは

香味野菜は野菜ですから、ビタミンやミネラルをはじめ、いろいろな栄養成分が含まれています。
ですから、作り手が意図した目的以外にも、さまざまな効果や効能が得られることが期待できます。

また、作り手が目的とする彩り、風味、薬効ですが、これらは三位一体である場合も多いです。そのため、作り手が彩りを意識して香味野菜を使ったのに、結果として深い味わいが食べる側を満足させるということもあるでしょう。
つまり、香味野菜をもちいれば、味や香り、彩りなど、さまざまな面に効果があるといえそうですね。

香味野菜の種類って?

すでに述べたように、香味野菜とは特定の野菜を指す言葉ではありません。
ですから、これまでまったく香味野菜として使われなかった野菜でも、誰かが料理の風味を増すために使えば、それはそのとき香味野菜と呼ばれるのです。

しかし、やはり使われやすい野菜というのは存在し、それは次のとおりです。

ネギ、タマネギ、ダイコン、セロリ、カイワレ、セリ、ショウガ、ミョウガ、ニラ、ニンニク、ギョウジャニンニク、ワサビ、山わさびなど。
また、クレソンやパセリ、ミントといったハーブも使われやすいです。

料理によって使われやすい香味野菜も違う

使われやすい香味野菜は、和・洋・中によっても変わってきます。

<和食>

みょうがや大葉、セリ、三つ葉などの葉物野菜が多いです。
それも、調理中に一緒に煮込むような使われ方をすることはあまりなく、出来上がった料理に添え得られる場合がほとんど。
これは、彩りや風味だけでなく、殺菌作用のある香味野菜をもちいることで食中毒を予防する目的が大きいからでしょう。生の魚を食べる習慣のある和食ならではの気づかいだと言えそうです。

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<洋食>

たまねぎやにんじん、セロリ、パセリといった野菜がもちいられる場合が多いです。
使われ方もメインとなる肉と一緒に煮込むなど、風味を増す方法がほとんど。
これは、食材そのものの味だけでなく、ソースを楽しむことの多い洋食ならではかもしれませんね。香味野菜から、旨みを存分に引き出すのです。

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<中華>

ねぎやしょうが、にんにくなどがよくもちいられます。使い方も、刻んだ香味野菜をメインと一緒に炒めることがほとんど。
医食同源という言葉のとおり、中華では薬効の強い香味野菜が使われることが多く、また、香味野菜そのものも食べるように調理されます。

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家庭でも、香味野菜を取り入れるだけで料理がレベルアップ!

香味野菜を加えると言われても、今までは難しい感じがしたかもしれません。
ですが、なにを使っても構わないとなると、いくぶんハードルが下がるのではないでしょうか。
風味でも、彩りでも、目的はなんでも大丈夫。日々の料理に、一つ、香味野菜を加えてみませんか。
きっと、あなたの料理が見た目も、味も、香りも、これまで以上に素敵になるはずですよ。