2017年1月10日更新

しその栄養と効果・効能って?大葉との違いは?

青じそと赤じそ

しそは、私たちにとってとても身近な存在。天ぷらのように葉の形がそのまま使われることは少ないですが、刺身やそうめんなどの薬味として目にする機会の多い食材です。
もしかしたらその場合、それがしそだと知らないまま使っている人もいるかもしれませんね。
しかし、しそにどんな栄養があって、どのように身体にいいのかや、そもそもなぜ薬味にもちいられるのかは知らない人も多いのではないでしょうか。
しその効果や効能、使い方、選び方まで幅広く調べてみました。

  1. 目次
  2. しそって何?
  3. しその効果・効能とは
  4. しその基本的な使い方って?
  5. しその育て方は? 家庭でも大丈夫?
  6. しそに副作用やアレルギーはあるの?
  7. しそは保存方法に注意が必要

しそって何?

しそとは

しそとは、日本を代表するハーブといわれている植物。
一年中取り扱われるためにハウス栽培なども行われていますが、本来は自生するもので、旬は初夏から夏にかけてです。

しその栄養成分とは

しそには、ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
具体的には、ビタミンA、ビタミンC、カルシウム、カロテン、シソアルデヒド、ルテオリンなど。
また、しそ独特の香りはペリラアルデハイドやリモネンによるもので、これには高い殺菌力と防腐効果が備わっています。刺身のつまや、さまざまな料理の薬味としてしそが使われるのは、このためです。

しそと大葉との違いは?

同じです。しそには青じそと赤じそがあり、青じそのほうを別名大葉と呼んでいます。ちなみに、薬味にしたり、葉をそのまま食べたりするのはこの青じそ(大葉)です。
赤じそは赤い色を出すのが特徴で、梅干やゆかりなどの加工品によく使われています。

梅干が赤くなる理由

つける前の梅は緑色なのに、梅干になると赤くなりますよね。これは、赤じそに含まれるアントシアン(シソニン)という成分が作用するから。
アントシアンは、酸味と化学反応を起こして鮮やかな赤い色を作り出します。つまり、赤じそが梅の酸味に反応するために、梅干が赤くなるのです。

いいシソの選び方は?

しそを選ぶときは、葉が先までピンとしていて、みずみずしいものを選びましょう。いいものは、香りも強いです。
表面が乾燥していたり、傷があったりするものはもちろんですが、葉が茶色くなったものや軸の切り口が黒くなったもの、葉に黒点が出ているものも避けましょう。
赤じそは、葉の裏の色が鮮やかで、先が縮れていることが選ぶポイントです。

しその効果・効能とは

しそには、消化機能を高めたり、血液の流れをよくしたり、精神を安定させたりする効果があります。そのほか、殺菌、防腐効果も高いです。
これにより、以下の効能があるとされています。

  • 食欲増進
  • 精神安定
  • 貧血
  • 腹痛
  • 下痢
  • 神経痛
  • リュウマチ
  • 脚気(かっけ)
  • 動脈硬化
  • 骨粗鬆症
  • 花粉症
  • 食中毒
  • がん予防

また、しそから作られる漢方薬の香蘇散は、魚によるじんましんに効果があるようです。

しその基本的な使い方って?

しそを料理をする前に必ずしなければいけないのは、よく洗うこと。なぜならしそは、農薬などが残りやすい植物だからです。
水を張ったボウルにしそをつけ、しばらく置いておきます。その後、流水で葉の両面をよくこすりながら洗いましょう。
また、葉をそのまま使う場合を除き、できるだけ細かく刻むこと。そのほうが香りも効果もより大きくなります。

しそを使った料理や加工品ってどんなものがあるの?

市販品では梅干のほか、ふりかけ、七味唐辛子、しそ油(えごま油)、福神漬、ドレッシング、しそ巻きなどがあります。

家庭で簡単にできるレシピって?

しそは薬味として使われる場合が多いので使い方も簡単です。

  • そうめんなどの麺類は、刻んだしそをつけつゆにまぜる。
  • 刺身や冷奴は、刻んだシソを添える。
  • カツやハンバーグなどの脂っこいものは、刻んだしそを大根おろしとまぜて添える。

また、しその葉を天ぷらにするときは、葉の片方だけに衣をつけるようにするとパリッと揚がります。
これは、衣のついていない側から、うまい具合に水分が抜けてくれるから。その効果を得るためにも、油に入れるときは衣のついた面を下にするようにしてください。

しその育て方は? 家庭でも大丈夫?

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しそは自生するくらいですから、家庭でも比較的簡単に育てられる植物です。
作物として栽培するための手間はいくらかあります(発芽時期を揃える手間等)が、趣味として楽しむ程度なら難しく考えなくても大丈夫。
気をつけるべきは、土を完全に乾燥させないことと、小さいうちからあまり摘みすぎないこと。それだけです。
また、種まきは一日水につけておいてやわらかくしてからまき、土をしっかりかぶせないほうがいいでしょう。

しそに副作用やアレルギーはあるの?

しそにアレルギーを引き起こすような成分は入っていませんし、副作用もありません。
それどころか、逆に、しそにはアレルギーを改善する効能があるのです。
しそに含まれるαリノレン酸やルテオリンがホルモンバランスを整え、アレルギーをはじめ、ぜんそくや花粉症、アトピーの症状を改善させてくれることがわかっています。

アレルギーに紫蘇ジュースを!

2リットルの水によく洗った赤じそ400gを入れ、5分ほど沸騰させます。それをザルでこし、800gの砂糖と25gのクエン酸かお酢を加えればしそジュースの出来上がり。
冷蔵庫で保管し、飲むときは適量の水か炭酸水で割りましょう。
ちなみにこのしそジュース、風邪のときにもよく効きます。

しそは保存方法に注意が必要

薬味としていろいろな料理に添えたいしそですが、それほど長期間保存できるわけではありません。
残ったものは乾燥しないように冷蔵庫で保存し、できるだけ早く使い切るようにしましょう。
一枚ずつ濡らしたキッチンペーパーで挟み、タッパーやポリ袋で空気が入らないようにしてから冷蔵庫に入れれば、だいたい一週間ほどもちます。
冷凍保存する場合は、薬味用に細かく刻み、一回分ずつラップでくるんで冷凍すると便利ですよ。

なければないであまり気にならないしそですが、実はあるのとないのでは大違い。
ぜひ、上手に常備、保存して、さまざまな料理の薬味としてしそをつかうようにしましょう。