2018年10月14日更新

イシモチとはどんな魚?イシモチのおすすめの食べ方や料理

シログチ

イシモチという魚をご存知ですか?魚類図鑑などではシログチと紹介されていることもあります。高級かまぼこの材料には欠かせないほか、きちんと下処理すると刺身でも美味しいそうです。そこで今回はこのイシモチのおすすめの食べ方や料理を調べました。

  1. 目次
  2. イシモチとはこんな魚
  3. イシモチとよく似たニベとの違い
  4. イシモチの美味しい時期
  5. イシモチの食べ方
  6. イシモチのおすすめの料理
  7. イシモチ料理を美味しく食べよう

イシモチとはこんな魚

イシモチはスズキ目ニベ科の海水魚です。釣りの対象魚として人気の魚です。イシモチという呼び名の由来は頭骨内にある耳のような働きをする「耳石」がとても大きいのでイシモチ(石持)と呼ばれているそうです。
耳石はイシモチを調理するときや調理された魚の頭を割ると白い大きな石が出てくるので印象に残ることと思います。

ちなみに耳石は人にもあり、人の場合は聴砂と呼ばれるそうです。

また釣り上げたときや産卵期に浮袋を振動させて「グーグー」と泣いているような音を出し、これがまるで愚痴をこぼしているように聞こえるので「グチ」などと呼ばれています。「グチ」は関西方面で呼ばれる呼び名です。

ニベ科の魚を魚類図鑑などで調べるイシモチのことを「シログチ」表示されていることがあります。その理由は、分類上まったく違う種類の魚だけれどやはり耳石が大きいテンジクダイ科の魚が「イシモチ」と呼ばれ、体色が綺麗なテンジクダイ科の魚の方がダイバーや水生生物の愛好家などから知名度が高いので、ニベ科のイシモチは水産庁の表示する魚介類の名称表示ではシログチと呼んで分類していることもあります。

イシモチは世界中の温帯付近の沿岸部、水深20~100mくらいの砂泥地に生息しています。日本の近海では東北地方以南の各地の近海に生息している魚です。

イシモチとよく似たニベとの違い

ニベ科の魚の特徴は耳石が大きいのが特徴です。イシモチと同じニベ科のニベも耳石がとても大きく、イシモチによく似ているので魚図鑑などではイシモチとニベが混同されて記載されていることがよくありますが、それぞれ別の魚です。

イシモチは体色が銀白色であるのに対して、ニベは体の表面に暗黒色の斑紋があります。

イシモチの成魚の大きさは20~40cmほどですが、ニベは40cm~1mほどの大きさをしています。イシモチも中には60cmくらいの大きい個体もいるので間違われてしまいがちなのです。釣り人は斑紋があるかどうかでイシモチとニベを見分けるそうです。

イシモチの美味しい時期

イシモチは通年釣れる魚です。産卵期が5~8月なので旬は春から夏にかけてだと言われます。また釣りファンや漁師の中には旬は秋だという意見もあるようです。

釣り人にとってよく釣れる時期が美味しい時期という人もいます。たとえば海岸沿の砂場から仕掛けを遠くに飛ばして深場から魚を釣る投げ釣りでイシモチを釣ろうとするならは6~11月がハイシーズンといわれ、船で沖に出て釣る沖釣りは12月~翌年3月がハイシーズンだそうです。

イシモチの食べ方

イシモチの定番の食べ方はやはり塩焼きでしょうか。そのほか揚げて食べるのもおすすめです。
鮮度落ちが早い魚ですが、釣った後きちんと処理すれば生食の刺身も絶品と言われます。焼く、ムニエルなどのようにソテーする、揚げる、煮付けなどに調理して食べるほか、イシモチはかまぼこなどすり身の原料では重要な材料とされます。

美味しく食べるには血抜きをして下ごしらえしよう

身肉に水分が多く鮮度落ちが早い魚なので、たとえば自分で釣った場合は鮮度を守るために活締めして血抜きをして下処理しましょう。

市場で購入する場合でもこのように釣れたものをすぐに締めて血抜きの処理がされた鮮度の良いイシモチは刺身でも美味しくいただけますが、大方はすぐに締めず活けすや氷の中に入れられて市場に運ばれるので血抜きされていない場合が多いです。そのようなものは刺身などの生食ではなく、ほかの調理法で食べるのがおすすめです。

血抜きしないイシモチは鮮度が早く落ち血生臭さを感じます。血抜きしたものは昆布締めのようなよい香りがすると言われるほど香りに差があります。

また血抜きしたものの身肉の色は白く透明感があります。イシモチの血抜きは喉を切り開き、エラに繋がっている赤い心臓を切り取りエラの付け根までザッくりと切り、水の入ったバケツに入れておくだけです。血抜きをしないと全身に血が回ってしまい鮮度がどんどん落ちてしまいます。

イシモチのおすすめの料理

イシモチは白身の魚で身肉に水分が多いのが特徴です。クセのない上品な味わいです。うろこは柔らかく取りやすいです。また皮は薄く焼くとよい旨みがあります。

小ぶりのものを丸ごと煮付ける料理もおすすめ料理です。ただし骨は硬く小骨が多いうえ、身が柔らかいので煮付けるときは煮崩れしないように落し蓋をしたり、食べるときは小骨に気を付けて食べてください。そして煮ても焼いても密かに美味しい部分はイシモチの卵巣!おすすめの美味しい部分です。

煮付け

味にクセがない白身魚なので、煮付けると上品な味わいになりますが、小骨が多いく骨が硬いので食べるときは気を付けて食べてください。

身が柔らかいので煮崩れにも気を付けましょう。火が強すぎると煮崩れしてしまいますので火加減に注意してください。煮汁が多いことも煮崩れの原因となります。落し蓋をしたりアルミホイルで魚を上から軽く押さえつけると煮崩れを防げます。

塩焼き

塩焼きにするときはまず内臓を取り出しきれいに洗います。イシモチの身肉は水分をたくさん含んでいるので、塩を振ったあと、ほかの魚より長めにそのまま冷蔵庫で寝かせます(1時間くらい)。

それからじっくり焼き上げると皮目の風味が美味しい塩焼きができます。醤油をかけた大根おろしと一緒に食べるとなお美味しいです。

刺身

漁師さんや釣り人に「刺身で食べて一番美味しい魚は何か?」と尋ねると、決まって「鮮度の良いイシモチ」と答えがくるほどイシモチの刺身は絶品料理です。

ただし身に水分が多く鮮度が落ちやすいので市場に出回るものは刺身にできないものがほとんどです。

イシモチの刺身は漁師さんや釣り人など知る人が知る極上の味わいだと言われます。脂の旨みに甘みと酸味を少し感じとてもまろやかな味わいだとか。食感はトロのようだと言われます。

自分で釣り上げたイシモチを刺身にする場合はきちんと血抜きして鮮度を保ち、三枚に下ろしてからキッチンペーパーなどに包み水分をよくとって好みの厚さに切ります。生食のイシモチは霜降りや酢じめにして食べるのもおすすめです。

天ぷら

イシモチの天ぷらもおすすめです。コツは皮が付いたままのイシモチを三枚におろし、衣をつけて高温で素早く上げることです。皮の風味と白くて柔らかい身肉が絶妙です。

唐揚げ

唐揚げにするのは稚魚を丸ごと唐揚げにするのがおすすめです。カリッと揚がった唐揚げは冷めても美味しく骨まで食べることができカルシウム満点の1品です。

干物

開きの干したイシモチは市販でもよくありますが、家庭でも簡単に作ることができます。うろこをとったイシモチの腹を開き内臓を取りよく洗います。塩水(なめるとしょっぱいくらいの塩水)に30分程度浸け水分をよくふき取ったら1日半ほど乾燥させると美味しい干物ができます。干物は冷凍保存も可能です。

釣り人は釣ったその場でよく鍋にしてイシモチを味わいますが、一般家庭ではイシモチは身が柔らかく小骨も多いので、鍋にはあまりおすすめできません。

イシモチ料理を美味しく食べよう

イシモチを調理するとわかりますが、頭骨の中に大きな白い耳石があるのが特徴の魚です。釣りの対象魚として人気のようです。釣りに出かけて似たような魚を釣り上げた時は体に黒い斑紋がなければイシモチ、斑紋があるものはニベですよ。釣ったものは締めて血抜きをして鮮度を保ってください。新鮮なイシモチは刺身も美味しいそうです。イシモチの料理、美味しく堪能してみてください。