2019年7月18日更新
こんにゃくはそのまま食べても大丈夫?
こんにゃくは安価で入手できることもあり、家庭料理では欠かせない存在ですが、こんにゃくはそのまま食べても大丈夫なのか曖昧ですよね。火を通さない食べ方では生で食べる刺身こんにゃくなどがありますが、本当のところはどうなのでしょうか。こんにゃくの食べ過ぎについても交えてお伝えしていきます。
歯ごたえ抜群のこんにゃく
おでんや煮物料理に使われることの多いこんにゃくは独特の食感があり使い勝手の良い食品の一つです。
安価で売られており、どこでも手に入れやすい点も魅力ですが、こんにゃくを食べる際は必ず「加熱調理を行うもの」だと認識している方が大半ですよね。それだけ火を通す調理法をしなければならないという部分から、こんにゃくは生で食べることは出来ないと多くの方に周知されています。昔からこんにゃくを生で食べると腹痛が起きたり、最悪死に至るなどと物騒な情報も見聞きしますが、実際のところはどうなのでしょうか。
生で食べられないのは「こんにゃく芋」のこと
こんにゃくを生で食べられないという言葉は実は嘘ではありません。ただし、市販で販売されているこんにゃくが食べられないのではなく、こんにゃくの原料となっている「こんにゃく芋」が食べられません。
このこんにゃく芋にはシュウ酸カルシウムと呼ばれる劇物指定されている毒が含まれており、万一食べてしまうと致死量に満たなくても呼吸困難や昏睡状態にまでなる恐ろしい成分です。
シュウ酸カルシウムという成分は人体に入った際、口の中でトゲのような鋭い感覚で刺激し、それは胃の中に入っても持続します。
シュウ酸カルシウムの形状はまさにトゲトゲとした小さい針のような形をしているため、体の中に入るとこういった有害な影響を及ぼすのです。
シュウ酸は様々な食品に存在している
シュウ酸カルシウムがこんなに怖い成分だと言っても、皮を剥く際に手がかゆくなる里芋や口の中がイガイガするパイナップル、独特のエグミがあるほうれん草などにもシュウ酸が含まれています。
意外と身近な食品にも含まれているシュウ酸という成分は、正しく処理すれば食べる際に問題が起きることはありません。
また、市販のこんにゃくにいくら劇物指定されているこんにゃく芋が含まれているからと言っても、製造過程で加熱処理を行うため、購入する段階では既に安心して食べられるお馴染みのこんにゃくになっています。
シュウ酸カルシウムをこんにゃくから抜くためには水酸化カルシウムや貝殻焼成という成分で毒抜きを行うのですが、製造する側もそういった知識は熟知しているため、何も知らない人がこんにゃく芋を直接口にしない限り何か問題があるということはないでしょう。
・こんにゃく芋は生では食べられない? 毒の抜き方やこんにゃくの作り方とは
こんにゃくはそのまま食べても大丈夫?
こんにゃくをそのまま食べると悪影響があるという情報は、上記で触れたこんにゃく芋の話が飛躍して伝わったと言える誤情報ですが、市販されている一般的なこんにゃくは果たしてそのまま食べても何も問題はないのでしょうか。いまいち曖昧な情報でもあるので、その辺りも詳しく触れていきます。
火を通さないこんにゃくの危険性
こんにゃくに火を通さず食べるという食べ方はあまり馴染みがないと考える方も多いですが、結論から言えば市販で販売されているこんにゃくをそのまま食べることは可能です。
もちろんこんにゃく芋の成分がしっかりと除去されたこんにゃくが前提の話なのですが、こんにゃく自体は生でそのまま食べることができます。
しかし、生のこんにゃくはやはり火を通していないと単純に味のなさに美味しくないと感じる場合が多いでしょう。
袋から取り出したこんにゃくは少しヌルッとしており臭いので、食べる前に少し水ですすいでから食べるとより臭みを軽減して食べることができます。
しかし、加熱してきちんと味付けしたこんにゃくとは天と地ほどの味の違いがあるため、それでも構わないという方に限ります。
生で食べるなら刺身こんにゃく!
市販されている一般的なこんにゃくでももちろん良いのですが、こんにゃくをより美味しく食べるのであれば生食に特化した刺身こんにゃくの選択をするのも良しです。
刺身こんにゃくは火を通さないことを前提で製造されているため、青のりや柚子といった風味が良くなるものを混ぜてそのままでも美味しく食べられるようにしています。
刺身こんにゃくはサラダのように食べたり、あっさりと醤油に付けて食べるお刺身方式で食べても美味しく頂けるため、夏場の食欲がないときにも役立つ食品になりますよ。
こんにゃくの食べ過ぎは何が起きるのか
こんにゃくの食感が好きな方や、ダイエットや糖質制限をしているという方は手軽で安価なこんにゃくを大量に使う…ということもあるでしょう。
しかし、こんにゃくを食べ過ぎてしまうと場合によっては腸閉塞などの胃腸トラブルを引き起こす可能性があります。こんにゃくは繊維質が特に多い食品であり、多く含まれる食物繊維は人体の中でほぼ消化することは困難です。
また、便秘気味の方には便のカサを増やしてくれる食物繊維を積極的に摂ると良いという情報は周知されていますが、食べ過ぎてしまうとかえってお腹の中で詰まり、便秘を悪化させる事態にも繋がります。そのため、こんにゃくを美味しく安全に食べるためには多くても一日こんにゃく板一枚未満で抑えるようにしましょう。
低カロリーで食べ応え抜群のこんにゃくを美味しく食べよう
様々な料理に姿を変え、味の染み込みも早いこんにゃくは食卓になくてはならない存在です。脇役ながらも、料理のボリュームを増やしてくれるこんにゃくはお腹も満足する食品と言えるでしょう。人によってはこんにゃく=体に悪い食品だと考えている方も多いですが、市販のこんにゃくは安全な状態で食べられるので是非こんにゃく料理をたくさん作ってみてくださいね!