2017年9月15日更新
玄米の効果と効能!発芽玄米、玄米酵素、玄米甘酒、そして玄米茶について
玄米って白米と比べると独特に匂いがして、調理にも時間がかかりますよね。でも健康志向が高まる中で玄米は完全栄養食だといわれ、玄米食に切り変えている方も多いと聞きます。今回はその玄米の効果や効能について調べました。
玄米にはどんな効果と効能があるのか
お米を分類すると稲の実の籾から籾殻のみしか取り除いていない状態の玄米と、その玄米を精製した精白米があります。実はこの精製されていない玄米の胚芽やぬかにはたくさん体に効果的な栄養素が含まれているのです。玄米には精白米より豊富なビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素や体に良いとされる栄養成分が含まれています。
そのため玄米食にすると健康維持に効果がある栄養素をたくさん摂取できるので、玄米は「完全栄養食」と言われ、現代人にありがちな偏食による栄養の偏りを防止できると言われています。豊富な栄養素を含む玄米の効果や効能はまさにさまざまな面で健康に良い効果に期待されています。
豊富な食物繊維による効果・効能
玄米には白米の6倍以上の食物繊維が含まれています。この食物繊維は腸の蠕動運動を促し便秘を解消するだけでなく血糖値の急上昇を抑えたりコレステロールの吸収を抑制する効果に期待されています。
ぬかに含まれているフィチン酸による効果・効能
ぬかの中に含まれているフィチン酸は体に良い効能をたくさん持ち合わせています。フィチン酸は体の老廃物や有害物質を排出する強力なデトックス作用があります。この強力なデトックス作用については、体内に必要なミネラルまで排出してしまうのではないかとも心配されましたが、近年アメリカのメリーランド大学のシャムスディン教授の研究チームが動物実験を行いその結果フィチン酸が血液中のミネラルの濃度に影響を与えなかったと科学的に立証しました。
そのほかフェチン酸は老化などの原因になる活性酸素の働きを抑制する抗酸化作用が強く細胞や血管の老化防止に効果が期待されています。たとえばガン細胞などの細胞分裂を制御する働きがあるので様々ながんの抗がん効果に期待されています。
細胞の老化防止は肌細胞にも作用しシミの原因となるメラニンの生成を抑えてくれるため女性には嬉しい美肌効果に期待されると言われています。またこのフェチン酸は脂肪の流れを促して肝臓に脂肪がたまらないように働きかけてくれます。その作用により脂肪肝の予防に効果があると言われます。
豊富なビタミンやミネラルによる効果・効能
玄米には豊富なビタミン(B1、B2、B6、E、ナイアシン、葉酸、パンテトン酸、ビオチン)とミネラル(カルシウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、りん、鉄、亜鉛、ヨウ素、銅)が含まれています。これらの栄養素による効能から生活習慣病の予防の効果や美肌効果が期待されています。豊富なビタミンとミネラルはイライラ感を解消したり、集中力を高めたり、疲労や倦怠感を回復してくれる効果もあると言われます。
タンパク質の効果・効能
玄米の成分であるタンパク質は美容効果があると言われます。それはたんぱく質が肌のコラーゲンのもとになるからです。またたんぱく質にも抗酸化作用があるので肌の老化を防いでくれるのです。
グリセミック指数(GI)の低い食品であることから期待される効果・効能
グリセミック指数とは炭水化物が消化されて糖に変化する速さを相対的に表した数値のことです。この数値が低いということは炭水化物の吸収が遅く急に糖質が血液によって運ばれることがないということを意味します。このためグリセミック指数の低い玄米は血糖値の上昇を抑えることができ肥満や糖尿病の予防に効果的だと言われます。
たとえば炭水化物が消化されてできた糖質は、身体を動かすエネルギーを活躍にしてくれますが、これがあまりにも急激に増えるとインスリンというホルモンが血糖値を下げようと働きかけます。このインスリンは脂肪細胞の分解を抑制する働きがあるので、分泌されすぎてしまうと肥満の原因になるのです。
GABAによる効果・効能
必須栄養素ではないけれど健康に良いと言われる玄米の成分GABAは血圧を下げる効果があります。GABAの正式名称はガンマーアミノ酪酸といい、神経伝達物質として働き、脳内の血流を活発にしたり酸素供給量の増大、脳細胞の代謝機能を高める作用があります。GABAの効果は血圧を下げる、中性脂肪を抑制する、肝臓や腎臓の働きをよくする、神経を鎮めイライラ感をなくすなどの効果に期待されています。GABAはこの後に説明する発芽玄米により多く含まれている成分です。
よく噛んで食べることでこんな効果も
玄米は噛みごたえのあるお米なので、よく噛んで食べることで満腹感も得られ食べ過ぎを防止することができ、便秘を解消すると同時に肥満防止に効果的だと言われます。
玄米はこんな方法で食べやすくなります
完全栄養食と言われる玄米の健康に期待される効果はたくさんあります。しかし玄米は「口当たりが悪い」「匂いがする」「硬い」「調理が面倒だ」などと言われ避けられる方もいます。しかしちょっと玄米に工夫を加えると食べやすくなり玄米食を日常に取り入れることができます。
発芽玄米
読んで字ごとく玄米を発芽させたものを発芽玄米と言います。最近では発芽玄米そのものも市販されていますが、家庭でも玄米を水またはぬるま湯で簡単に発芽させることができます。玄米を発芽させると芽を出すために必要な栄養を玄米の中で増やします。そのため発芽玄米は玄米より栄養価が高くなります。
発芽により酵素が活性化して甘みやうま味が豊富になり、糠が柔らかくなるので白米と同じように簡単に焚けて食べやすくなります。栄養成分は白米の約10倍とも言われるほどです。発芽玄米のGABAの含有量は玄米の約3倍あります。
玄米酵素
完全栄養食と言われる玄米ですが、毎日食べるのはなかなか続かないものです。そのため手軽に玄米食を摂れるように作られたのが玄米酵素です。たとえば白米を食べても玄米酵素で補えば玄米食の効果が得られるのです。
さらに玄米酵素は玄米を発酵させることでアミノ酸やビタミンB群などその他の栄養素の含有量をさらに増やします。たとえば食物繊維はごぼうの4倍もあるのです。玄米由来のGABAやフィチン酸、そして発酵で生まれたこうじ菌などの効能から健康に良い期待が多く持たれています。顆粒タイプはサプリメントのように飲んで摂取し、粉状のものはヨーグルトやスープなどに加えて摂取します。
玄米甘酒
甘酒は飲む点滴と言われるほど体に嬉しい効果がありますが、麹を発酵して作った甘酒もありますが、多くの人がポピュラーに飲まれる甘酒は酒粕に砂糖を加えて作ったものです。これは原料にアルコールが含まれているので、お酒に弱い人や子供は飲むことができません。それに対して玄米甘酒は玄米と米麹のみで作られており、アルコールを含んでいないので、どなたでも安心して飲むことができます。
玄米甘酒は玄米を米麹で発酵させた発酵食品です。発酵過程でさまざまな栄養成分が作られ、ダイエット、美肌、腸内環境を整える、老化防止の効果などが期待され、玄米の栄養効果がさらにパワーアップし、おやつ代わりに玄米の栄養素を摂取できる食品です。
玄米茶にはどんな効果と効能があるか?
玄米茶は煎茶や番茶と炒った玄米と1対1に配合したお茶です。あっさりとした香ばしい香りが特徴です。お茶としてはカフェインの含有量が少ないお茶です。茶葉の由来の成分であるカテキンの抗菌作用は細菌やウイルスを防御してインフルエンザや風邪の予防などに効果があります。また老化防止の作用で肌のアンチエイジングがはかれ美肌効果や、血管の老化防止にも役立ち動脈硬化などの予防に効果的だと言われます。カテキンは体脂肪を燃やしてくれる働きがあるのでダイエットにも効果的だと言われています。
玄米由来の成分であるGABAによる効果にも期待できるお茶です。ストレスを軽減してくれたりリラックス効果に期待できる上、カフェインに含有量が普通のお茶よりとても少ないので寝る前に気分を落ち着かせる飲み物としても効果的です。玄米茶はあっさりとしたお茶なので食事と一緒に飲んでも食事の食品の味を損ねることがありません。玄米茶を上手に取り入れることで体脂肪や中性脂肪をおとせ、生活習慣病の予防ができます。
玄米には健康に良い効果がいっぱい!
ぬかや胚芽が付いたままの玄米は少し硬く食べにくいこともありますが、栄養素の高い食品です。その効果と効能には、便秘の改善、ダイエット効果、抗酸化作用、解毒作用、美肌効果、生活習慣病の予防などたくさんの効果に期待がよせられています。一部の声からは玄米の効果に対して批判的な声もあり、賛否両論の意見であるのは事実ですが、完全栄養食と言われる玄米の優れた効果への期待は、実際に食して実感してみましょう。美味しく玄米生活してみてください。