2019年1月4日更新

あおさとは?あおさの栄養や食べ方

あおさ

伊勢方面へ旅に出た時、宿泊先の旅館の朝食に出されたお味噌汁の中に、緑色のわかめより細かい海藻が入っていました。旅館の人に聞いてみると「あおさです」と言われました。磯の香りが強く食欲をそそるこのあおさの正体が知りたくて、今回はあおさについてリサーチしました。よく見ると青のりとよく似ているあおさ。あおさは青のりと一緒のものなのでしょうか。さっそくリサーチの結果をご報告いたします。

  1. 目次
  2. あおさとは
  3. あおさと青のりは一緒?
  4. あおさの産地
  5. あおさの栄養は
  6. あおさの食べ方
  7. のりとの違いは
  8. 生のりはのりのお刺身
  9. あおさを美味しく食べよう

あおさとは

あおさとは海中植物の藻類の仲間で、葉緑素を持つ緑藻類の海藻です。緑の藻類であるというとおり、色はグリーン色をした海藻です。緑藻類アオサ目の中にはアオサ科の海藻とヒトエグサ科の海藻がありますが、あおさはアオサ目アオサ科アオサ属の海藻です。あおさは地方によってアオサ目の中のアオサ科ではないヒトエグサ科と混同されることがあります。しかし、ヒトエグサ科の海藻とアオサは全く別物です。ただ地域によってはヒトエグサ科の海藻を「あおさ」、そしてあおさと同じアオサ属の青のりをヒトエグサ科の海藻でありながら「青のり」と呼ぶ地域があります。アオサ科アオサ属のあおさをよく知る人に言わせると、ヒトエグサ科のあおさはヌメリがあると言われます。

あおさと青のりは一緒?

あおさと混同してしまうものに青のりがありますが、あおさと青のりは一緒のものではありません。しかしとてもよく似ています。なぜならあおさも青のりも同じ緑藻類の海藻で緑藻類の中のアオサ目アオサ科アオサ属の海藻だからです。アオサ属の中でこの二つはアオサと青のりに分類されています。どちらもグリーン色をしています。よく似ていますがこの二つの違いは形状と香りが違うのです。

あおさより青のりの方が香りが高く値段も高い

あおさは青のりよりもやや香りが劣ります。そのため青のりの方があおさより価格が高めです。形状は葉っぱ状の形をしたものを加工してフレーク状になったものがあおさです。それに対して青のりは糸状の海藻でこれを粉状にして使います。日本ではこの粉状で磯の香りが高い青のりが好まれ、あおさより青のりの方が高級品扱いされています。あおさよりも高級品扱いされる青のりは、お好み焼き、たこ焼き、焼きそば、七味唐辛子、ふりかけなどに利用されます。

あおさの産地

あおさの産地は全国の7割を、伊勢志摩を中心とする三重県が占めています。駿河湾や岡山周辺もあおさの産地です。青のりは四万十川、愛媛、徳島、岡山、和歌山が産地です。ちなみにヒトエグサ科のあおさと呼ばれているものは三重、熊本、長崎などが産地です。産地名を見て長崎などと記載されていたら、それはアオサ科アオサ属のアオサではないのでご注意ください。

あおさの栄養は

そもそも海藻にはタンパク質、ビタミン、ミネラル、そして食物繊維などの栄養素がバランスよく含まれていますが、あおさもほかの海藻と同様に、いやそれ以上にミネラルを豊富に含み、豊富なビタミンにも恵まれた栄養素を含んでいます。しかしカロリーはあおさによく似た青のりよりも低カロリーです。

40%以上が食物繊維であるのはあおさの栄養素の特徴です。カルシウムは牛乳の8倍の含有量です。カリウムもマグネシウムも豊富な含有量です。ビタミン類ではほかの海藻よりもビタミンA、B1、B12、C、β―カロテン、葉酸をたくさん含んでいます。

あおさの食べ方

あおさの食べ方はフレーク状になったあおさを味噌汁の具、天ぷら、そのほか玉子焼きの中に混ぜて磯の香りや彩りを楽しんで食べます。もちろんご飯にかけて食べる、チャーハンに入れる、納豆や冷ややっこにトッピングするなど、のりと同じような食べ方です。

のりとの違いは

のりは昔から日本の食卓には欠かせない食材です。のりもあおさと同じように磯の香りのよい海藻類です。のりもあおさも藻類で海水に生育する海藻です。海藻の中であおさは緑藻類、そしてのりとは、緑藻類のあおさ、コンブやワカメやひじきなど褐色の褐藻類、アマノリや岩ノリなど赤色をした紅藻類など、食用となる海藻の総称を「のり」といいます。

食用となる海藻の総称であるのりは、色々な品種があります。たとえば紅藻類の海藻の中にはアサクサノリという品種やスサビノリなどという品種があります。私たちが日常、おにぎりや巻きずしなどに利用する四角の紙のようなのりは紅藻類のアマノリやアマノリの天然の岩ノリと呼ぶ海藻を紙状にしたものです。そしておにぎりや巻きずしなどに利用する四角いのりを板のりと呼びますが、のりは加工方法や用途によって板のり、焼きのり、切りのり、刻みのり、味付けのりとなり利用されるのです。ちなみに韓国のりも、のりを加工したものの一つです。

生のりはのりのお刺身

生で食べるのりはその名の通り「生のり」と呼びますが、のりの収穫が始まる11月中旬が過ぎた12月の初旬に市場に出回り、その味わいは「のりのお刺身」と呼ばれるほど磯の香りが高く、食べ方はポン酢や醤油をかけてそのまま食べるのが美味しいと言われます。とろりとした食感ではあるけれど海藻の歯ごたえがあるそうです。生でいただくほか生のりは佃煮として利用されます。

あおさを美味しく食べよう

あおさはのりというカテゴリーの中で緑藻類の海藻です。本物のあおさはアオサ目アオサ科アオサ属の海藻ですが、地方によってはヒトエグサ科の海藻を「あおさ」とか「青のり」と扱っている地域もあるようです。豊富な栄養素を含有しているあおさ。あおさとよく似ているけれど、あおさより高級品扱いされている青のりよりカロリーは低いとなれば、あおさを食べずにはいられませんよね。日々の食卓に上手にあおさをご活用ください。