2023年7月25日更新
鶏肉を常温で放置した際のリスクと食せるかの判断ポイント
主婦(主夫)や自炊主体の独身者は、スーパーで購入した肉類を調理する機会が多いかと思います。
長年料理をしている中で、「あっ、冷蔵庫からお肉を出したままだった」といった経験も1度くらいはあるのではないでしょうか。
そんな時に悩むのが、「料理に使って大丈夫かどうか」ですよね。
特に「鶏肉」に関しては、食中毒のリスクが高いと言われているので、判断に悩んでしまうかもしれません。
今回は、そんな「鶏肉を常温で放置した際のリスク」と「食せるかの判断ポイント」について解説していきたいと思います。
鶏肉を常温で放置した際のリスク
食品における常温とは、「冷蔵庫内に入っていない状態」と理解すれば良いでしょう。
温度で言えば「15℃~25℃」が常温とされています。
直射日光が当たっていたり、25度を超えていたりする際は、常温よりもさらに保存環境が悪いため、少しの時間であっても調理を避けた方が良いと言えるでしょう。
それではまず、「鶏肉を常温で放置した際のリスク」をいくつか挙げてみましょう。
リスク①「カンピロバクター」への感染
鶏肉には、食中毒菌の「カンピロバクター」が付着しています。
常温の状態では、このカンピロバクターが活動しやすくなるので、食中毒にかかりやすくなるわけです。
感染すると、激しい腹痛や下痢、発熱といった症状に陥ります。
潜伏期間は2日~4日程度です。
リスク②「サルモネラ菌」への感染
卵などに付着していることでも知られているサルモネラ菌ですが、鶏肉にも付着していることがあります。
発熱と頭痛、腹痛、下痢、嘔吐などかなり幅広い症状が現れます。
潜伏期間は6時間~48時間程度と症状が現れるまでの時間が短いのが特徴です。
放置した鶏肉の「食せるか」の判断ポイント
牛肉や豚肉であれば、常温で2時間程度であれば加熱調理をして食べられると判断できます。
しかし、鶏肉の場合は、前述したようにカンピロバクターやサルモネラ菌による感染力が高いため、牛肉や豚肉よりもシビアに判断する必要があります。
基本的には、5月~10月の季節で30分、11月~4月では45分でも放置してしまったならば念のために調理を断念すべきですが、その時間内であっても以下のような判断ポイントと照らし合わせるようにしましょう。
判断ポイント①「変色具合や毛穴の変化」
お肉は鮮度が落ちると色合いが明らかに変化していきます。
また、鶏肉の皮部分の毛穴が閉じてしまっているケースや、お肉の色がピンク色から白っぽく変色するケースが挙げられます。
判断ポイント②「ニオイの変化」
食品の鮮度(特に肉類)を確かめるには、「ニオイを嗅いでみる」という行為が非常に有効です。
新鮮な鶏肉は、ニオイ自体がそれほどありませんが、鮮度が落ちてくると酸っぱいニオイや刺激臭が出始めます。
少しでも違和感を感じるニオイを発していたら、調理を断念した方が良いと言えるでしょう。
判断ポイント③「触感の変化」
新鮮な鶏肉は、非常に弾力があり、食べる前からそのプリプリした食感が想像できます。
しかし、鮮度が落ちると、指で押してみても弾力が弱く、包丁で切るとネバッとします。
また、肉自体から水分が出始めるというのも鮮度が落ちている特徴の1つです。
お肉の入っているトレイ内に水分が出ている場合は、かなり鮮度が落ちていると判断できるので、調理は避けた方が良いかもしれません。
体調が優れない時には特に注意が必要
食品の保存に関するレベルは年々上がってきていますが、それでも食中毒にかかる人数は何十年も前からそれほど減少していません。
それゆえに、調理をする際の肉の鮮度状態をチェックできるかどうかが、非常に重要なのです。
特に、体調が優れず免疫力が落ちているケースでは、鮮度が落ちている鶏肉を食べると高い確率で食中毒に感染します。
これは、鶏肉に限らず、牛肉や豚肉、魚介類などでも同様のことが言えます。
日頃から運動習慣や腸活、ストレスをためないなど、免疫力を高める生活を心掛けることで、食中毒にもかかりにくくなります。
もしも体調が優れない時には、自身の免疫力が落ちていると自覚し、鮮度の悪そうな食品を避ける様にしましょう。
まとめ
今回は、「鶏肉を常温で放置した際のリスク」と「食せるかの判断ポイント」について解説してきました。
鶏肉を常温で放置してしまうと、カンピロバクターやサルモネラ菌に感染し、食中毒を起こす可能性が高まります。
重症化することもあるので、特に体調が悪く免疫力が低下している際には食さない方が良いと言えるでしょう。
少しでも不安に感じたならば、変色具合やニオイ、触感など入念なチェックが必要です。
また、調理の際にしっかりと加熱することも徹底するべきです。
鶏肉を調理する上での知識として、ぜひ覚えておきましょう。
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