2018年11月11日更新
クッキー生地とタルト生地の違い
お菓子作りが好きな方はご存知のことと思いますが、キック―生地もタルト生地も似たような材料が使われています。材料の砂糖の分量などに違いはあるものの、クッキー生地でも甘味を抑えた砂糖少なめのクッキーもあるし、甘いタルト生地もあります。一体この二つ、何が違うのが興味がわいて、クッキー生地とタルト生地の違いをさっそく調べてみました。
クッキー生地とタルト生地は同じ仲間
プレゼントやティータイムに人気のお菓子クッキー。生地を形作り、天板の上にのせて焼いた焼き菓子です。それに対してタルトは生地を薄くのばし、タルト型もしくはパイ皿で焼いたものの中に果物やクリームを詰めたお菓子であったり、甘味のない生地を使い同じようにタルト型やパイ皿で焼いたものの中に、惣菜になるものをつめて料理として食します。クッキーもタルトの生地も、材料の分量に違いはあれ、小麦粉(薄力粉)、卵、バター、砂糖など、同じような材料を使って作られています。
フランス菓子の定義によれば、「クッキー生地もタルト生地も小麦粉を練った生地で作ったお菓子の仲間」とされており、同じカテゴリーとして考えられています。
実際に、クッキーは小麦粉の中でもグルテンの量が少なくお菓子作りに向いている薄力粉と砂糖、バター、卵などの材料で作りますが、クッキーの生地を伸ばしてタルト型で焼き、タルトの生地に代用することもあります。
またタルトの生地も薄力粉や砂糖、バター、卵黄を材料にして生地を作りますが、材料の分量の違いで生地に3タイプの種類があります。砂糖を加えた甘いタイプのものや、バターの分量の違いやタネの練り方の違いで食感の違う3つの種類の生地があります。砂糖を多く使った甘い生地は、クッキーの生地として使うことがあります。
クッキー生地の材料
一般的なクッキーの生地の材料は薄力粉、バター、卵、砂糖、そしてバニラなどの香料が主な材料です。これらの材料を合わせて生地を作り、それを好みの形にしてオーブンで焼いた焼き菓子がクッキーです。
近年の健康志向派の影響から、おやつのクッキーも、材料の薄力粉に玄米粉を加えた生地で作る玄米クッキーや、生地の砂糖の分量を控え糖分を抑えた甘みの少ないクッキーも人気です。
基本のクッキーの生地に粉チーズなどでしょっぱさを出した生地、ナッツやドライフルーツを加えた生地、ココアパウダーをまぶしたクッキーの生地などと、薄力粉とバターと卵と砂糖を使ったオーソドックスなクッキーの生地をアレンジしたクッキーの生地はたくさんです。
クッキーの歴史を辿ると、昔は砂糖が容易に手に入らなかったので、クッキーといっても甘味はほとんどありませんでしたが、保存がきいてバターや卵をたくさん使った栄養価の高い食べ物だったので、旅人の携帯食として重宝されていました。
その後砂糖が普及すると、材料に砂糖が加えられて、栄養補助食的なクッキーに新たな価値がつけられて、現在の甘い美味しい焼き菓子として楽しまれるようになったのです。ちなみにクッキーはアメリカでの呼び名で、イギリスではビスケットと呼ばれています。
タルト生地の種類と材料
タルトは生地を平たくのばしてタルト型やパイ皿などで焼いた中に、クリームや果物もしくは惣菜となるものを詰めたもので、甘いデザートであったり、お惣菜として食するものもあります。
タルトの生地はパイ生地またはビスケット生地と同じです。ほとんどがクッキーと同じように小麦粉の中でもグルテンが少ない薄力粉を使い、砂糖、卵、バターを材料にして作ります。タルトの生地は3タイプあり、それぞれ食感が違ったり、甘味があるものなど味も違います。そして用途に合わせてそれぞれの生地を使い分けます。甘味のある生地やバターの多めの生地はそのままクッキーの生地に代用することができます。
パートシュクレ
パートシュクレのシュクレ(sucrée)とは「甘い、砂糖入りの」という意味です。文字通り甘いタルト生地です。砂糖が多めに入るため焼き色もこんがりとした色をしています。食感はサクサクした食感です。フルーツやカスタードクリームを詰めるなどデザート用のタルトの生地に向いています。
パートブリゼもしくはパータフォンセ
パートドブリゼのブリゼ(brisée)とは「砕けた、こわれた」という意味です。パータフォンセのフォンセ(foncer)とは「型に生地をひく」という意味があります。砂糖を加えないもしくは少しだけ加えた甘みのない生地です。お菓子、お惣菜のタルトに使います。材料を合わせて重ね合わせるようにしながら生地を作りサクサクした食感に焼き上げた生地です。食感はパイ生地とタルト生地の中間の口当たりと評され、サクサクでホロホロっとした食感の生地です。
パートサブレ
パートサブレのサブレ(sable)とは「砂のような」という意味です。生地を作る過程でバターと小麦粉をサラサラな状態にして作ることからとか、焼きあがった生地が口の中で溶けるようなもろい食感に仕上がることからこのように呼ばれています。アーモンドプードルやベーキングパウダーを生地の材料に加えてサクサクした口当たりにすることもあります。
クリームを使ったタルトに使われるほか、型抜きクッキーの生地としても使います。
クッキーの生地とタルトの生地の材料の配分
クッキー生地もタルト生地も小麦粉を使った焼き菓子。材料の分量に違いはありますが、ほとんど同じ材料で作られています。あるパティシエが「お菓子作りは一つの化学」といっていましたが、まさにその通りかもしれません。クッキーの生地もタルトの生地もほとんどが同じ材料でありますが、分量の配分を変えたり、タネの練り方が違ったり、焼き方が違うということから、違った味わい方をするお菓子が生まれる。同じ材料でもお菓子の化学式の違いから生まれたお菓子が、クッキーであったりタルトでありするのが、クッキー生地とタルトの生地の違いなのかもしれません。
クッキーの生地もタルトの生地も同じ仲間ですが、材料に多少違いはあり分量も違います。一般的なクッキー生地の分量と、21cm型で作る3タイプのタルト生地のおおよその分量を記載しておきますので参考にしてください。
<一般的なバタークッキーの材料>
- 薄力粉120g
- バター(無塩バター)60g
- 砂糖(水分が少ないので溶けやすいように粉砂糖を使うことが多い)60g
- 卵黄1個
- 塩少々
- バニラエッセンス
- *お好みでアーモンドプードルを適量
<タルト生地:パートシュクレの材料>*21cmのタルト型1個の分量
- 薄力粉125g
- 砂糖(粉砂糖)50g
- バター(無塩バター)60g
- 卵黄1/2
- 水、塩少々
<タルト生地:パートブリゼ材料>*21cmのタルト型1個の分量
- 薄力粉125g
- 砂糖(粉砂糖)なし
- バター(無塩バター)75g
- 卵黄1
- 水、塩少々
<タルト生地:パートサブレの材料>*21cmのタルト型1個の分量
- 薄力粉125g
- 砂糖(粉砂糖)35g
- バター(無塩バター)80g
- 卵黄1/2
- 水、塩少々
- *アーモンドプードルお好みの分量を加えることもある
クッキー生地とタルト生地は同じお菓子の仲間
家庭でも手軽に作れるクッキーやタルト。生地はこうでなければクッキーではないという決まりもなければ、タルト生地はこれでなければいけないという決まりはありませんがおおよその分量はご紹介してきた材料を使いこんな分量で作られています。どちらの生地でもそれぞれ代用もできます。お菓子作りや料理作りが得意な方はご自身でアレンジして美味しいクッキーやタルトを焼いてみてくださいね。