2018年8月11日更新
ヤマモモの効能や食べ方などについて
昔はスーパーなどでよく見かけたヤマモモ。サクランボより少し大きく、ボコボコしている表面が可愛い実ですよね。近頃あまり見かけませんが、ヤマモモを見つけて食べてみるとなんだか懐かしい味がしました。今回はヤマモモについて調べました。ヤマモモの効能や食べ方などをご紹介します。
- 目次
- ヤマモモとは
- ヤマモモは桃より酸っぱい味
- ヤマモモの花言葉
- ヤマモモの実の時期
- 脳へのエネルギーに効果的なヤマモモの効能
- ヤマモモの食べ方
- ヤマモモジャムのおすすめレシピ
- ヤマモモ酒のおすすめレシピ
- ヤマモモを美味しく食べよう
ヤマモモとは
ヤマモモはヤマモモ科ヤマモモ属の常緑樹です。漢字では山桃(やまもも)もしくは楊梅(ようばい)と書きます。英語はRed bayberryといいます。学名はMyrica rubraです。日本では関東から沖縄、そして中国の南部や台湾、フィリピンの低地や山地に自生しています。
自生する野生のヤマモモ以外で、食用に栽培されているものはいくつか種類があり、赤い実だけではなく白い実をつける種類もあります。実を食べること以外では、常緑樹であることなどから街路樹や公園などに植樹されて観賞されています。ちなみにヤマモモは高知県では県花に、そして徳島県では県木にされています。
ヤマモモは桃より酸っぱい味
ヤマモモの名前の由来は、山の中に茂り、桃のような果実をつけるので「モモヤマ」と呼ばれているそうですが、実際のヤマモモの味は桃より酸味があり、すっぱい味です。オレンジ系の酸味ではありませんが、柔らかな甘みに中に酸味のある味わいです。果実の大きさは1.5cm~2cm程度。
モモと言ってもどちらかというとサクランボに似た実です。少し大きめなサクランボくらいの大きさで、赤い実はサクランボのようですが、サクランボのようにツルンとした表皮ではなく、表皮は粒状の突起でボコボコとしています。
ヤマモモの花言葉
ヤマモモの木は雄と雌の木があり、受粉して雌の木に実がなります。雄の木には実はなりません。ヤマモモの花粉は「すごく遠くまで飛んで受粉する」と言われますが、遠くから飛んでくると言われる例えに「ヤマモモの花粉は中国からも飛んでくる」などという言葉が使われています。そんな生態を持つヤマモモは「教訓」や「ただ一人を愛する」という花言葉を持っています。ヤマモモの生態が、人間の一途な男女の恋愛のたとえによく似合う花言葉です。
ヤマモモの実の時期
雄の木と雌の木が受粉して、3月~4月にかけて赤い花が咲きます。受粉すると雌の木に小さな実ができ始めます。6月中旬~7月中旬に実が完熟します。
ヤマモモの食べ頃は短い
実が完熟して収穫の時期は6月中旬~7月中旬の約1カ月です。ヤマモモは傷みやすい実なので収穫されるとすぐ市場に出荷されます。まして日本では収穫時期が梅雨と重なるので、雨にあたると実が水っぽくなってしまったり、収穫前に傷んでしまうものもあります。収穫後は傷みが早く、日持ちのしない実なので、食べ頃は6月中旬~7月中旬のひと月足らずの短い期間でしか美味しくたべることができない貴重な果実だと言われています。
ヤマモモの種の取り方
見た目は可愛く、一口で食べられる大きさのヤマモモの実ですが、実の中心に7mmくらいの大きな黒い種があるので食べにくいとも言われます。桃の実にも実の中央に大きな種がありますが、桃は、桃の実自体が大きく、種から果肉を取り除き果肉を食べることができますが、ヤマモモの実は1.5cm~2cmくらいの大きさなので、種から果肉だけを取り除いて食べるのは難しいです。生で食べるときはサクランボを食べるときのように果肉をかじり、種を出します。ジャムなどに加工する場合は、果肉を裏ごしするときに果肉をつぶしながら種を取り出します。
脳へのエネルギーに効果的なヤマモモの効能
ヤマモモの甘さの成分はほとんどがブドウ糖で、酸味はクエン酸です。ブドウ糖は体の主要なエネルギーに素早く利用され、運動時などのエネルギー補給にヤマモモを数個食べると効果的にエネルギーを補給できます。またブドウ糖は脳のエネルギー源でもあるため、仕事や勉強の休憩時間に食べると、集中力をアップさせ疲労回復に効果があると言われます。ヤマモモの酸味の成分であるクエン酸も、疲労回復に効果があり、ストレスの解消にも効果的だと言われています。
品種によりますが、赤い実をつけるヤマモモには、赤い色素成分にアントシアニンが含まれています。アントシアニンというと眼精疲労の予防や回復におなじみの成分ですが、アントシアニンは抗酸化物質のポリフェノールの一種で、その効能は活性酸素の生成を抑制し、細胞や血管の老化を抑制するほか、血液をサラサラにする効果、肝機能を向上させる効果、血圧を抑制する効果などの作用に期待されています。
神戸大学の農学部の研究報告
神戸大学農学部の研究報告では、アントシアニンをはじめとするポリフェノール類は生活習慣病の予防に効能を発揮すると報告を上げています。抗酸化作用とタンパク質機能の調整作用から高血圧、脳梗塞、心筋梗塞などの生活習慣病の予防に効果が期待できると報告が上がっています。
ヤマモモの食べ方
独特の酸味と甘みが何とも懐かしく感じるヤマモモの味を堪能するには、生でそのまま食べるのがおすすめです。さっと洗って冷やしたものを丸かじりします。ヤマモモの甘酸っぱさとフルーティーな香りを楽しめる食べ方です。そのほかシロップ漬け、ジャム、ジュース、ヤマモモ酒にするのはポピュラーな食べ方です。シロップ漬けにしたヤマモモを使ってシャーベット、グラニテ、ムース、ゼリーにするのもおすすめです。
冷凍したものは解凍せずに調理しよう
ヤマモモは傷みが早いので、生のものは乾燥しないように、ポリ袋かジプロップに入れて、冷蔵庫の野菜室ではなく冷蔵室で保管してできるだけ早く食べてしまいましょう。丸ごと冷凍すると長期保存も可能です。冷凍するときは洗った後キッチンペーパーなどでよく水気をふき取り冷凍します。水気のあるままで冷凍すると実同士がくっついて凍ってしまいますので注意してください。冷凍のものをジャムなどに加工するときは解凍せずに凍ったままで調理してください。
ヤマモモジャムのおすすめレシピ
ヤマモモのポピュラーな食べ方の一つのジャムのおすすめのレシピです。ヤマモモの品種や熟成度によって、鍋で煮る時間に違いがあります。様子を見ながら煮ていきます。果肉が柔らかくなり簡単につぶれる程度が目安です。冷凍のヤマモモを使用する場合は記載の水の量ではなく、ヤマモモの高さの半分くらいまでの少量の水を、沸騰させた鍋に冷凍の実を入れて、実を解凍しながら煮ていくのがコツです。また砂糖はいっぺんに加えず徐々に加えていきます。出てきたアクはきちん取り除きましょう。
<材料>
- ヤマモモ800g
- 砂糖100g
- レモン汁1個分
- 水400cc
ヤマモモ酒のおすすめレシピ
日本ではホワイトリカーやブランデーを利用してヤマモモ酒を作りますが、中国では中国産のとうもろこしやじゃがいも、さつま芋などの穀物を原料にした蒸留酒の白酒(中国の焼酎といわれるもの)に砂糖を加え、ヤマモモの果肉を漬け込んだヤマモモ酒(中国では楊梅酒という)が親しまれています。日本では梅酒を作る時と同様にホワイトリカーを利用してヤマモモ酒を作るのがポピュラーです。
<材料>
- ヤマモモ 1kg
- 氷砂糖 200g
- ホワイトリカー 1.8L
<作り方>
瓶にヤマモモ、氷砂糖、ホワイトリカーの順に入れるだけ。
冷暗所で3か月ほど保存して完成。
作り方は梅酒と同じです。
ヤマモモを美味しく食べよう
雄の木の花粉が雌の木に受粉して実を結ぶヤマモモの「ただ一人の人を愛する」という花言葉は、乙女チックで、実った赤い果実の可愛さによく似あった花言葉ですね。甘酸っぱい味には脳のエネルギー源となるぶどう糖を含み、疲労回復やストレスの緩和、また赤い実にアントシアニンの成分から眼精疲労の予防や回復に期待されるほか抗酸化作用があり、生活習慣病にも効能があると報告されています。傷みやすい実なので食べ頃の時期は短いですが、ぜひ美味しい時期に「懐かしい甘酸っぱさ」とも言われるヤマモモをご賞味してみてください。
【参考サイト】
・食品中の非栄養性機能物質の解析と体系化に 関する研究 http://scfdb.tokyo.jst.go.jp/pdf/20001150/2004/200011502004rr.pdf