2018年11月3日更新

料理のフォンダンとはどういう意味?

エクレア

フランス料理のメニューなどに「〇〇フォンダン仕立て」などという料理名を目にすることがありますが、「フォンダン」とは西洋菓子に使われる用語です。料理の調理技法ことではなく、「フォンダン」の意味から、その意味に相当する味わいを表現して料理名に使われることがありますが、フォンダンはお菓子の飾りに用いられる砂糖衣です。今回は「フォンダン」とはどんな意味があり、どのように使われるのか調べました。

  1. 目次
  2. フォンダンとは
  3. フォンダンの意味
  4. フォンダンの材料
  5. フォンダンの作り方-温度が決め手
  6. フォンダンの使い方も温度に注意
  7. フォンダンとアイシングの違い
  8. フォンダンを使って上手にデコレートしてみよう

フォンダンとは

フォンダン(Fondant)は、なめらかなクリーム状にした砂糖衣の一種です。ケーキやクッキーなどの西洋菓子の飾りに利用します。フォンダンは砂糖を再結晶させた糖液で、たとえばエクレアや、ウィーンの有名なお菓子ザッハトルテの表面を覆っているチョコレートの衣にフォンダンが使われています。ちなみに日本の和菓子に利用する「すり蜜」はフォンダンの日本版の砂糖衣です。

フォンダンの意味

フォンダンとは「溶けている」とか「柔らかい」という意味があります。お菓子や料理に使うフォンダンの意味は「口の中でさっと溶ける」とか「とろけそうな」という意味があるので、とろりと柔らかなお菓子、そしてとろけそうな味わいの料理にその印象を表現して料理名に使われます。

フォンダンはとろけるような砂糖衣

フォンダンというと調理用語のようにきこえますが、料理の調理の技法ではありません。フォンダンは「溶ける」という意味を持つ、西洋菓子に使われる砂糖衣です。料理で「○○フォンダン仕立て」とあるなら、それは「舌の上でとろけるような料理」ということを表現した料理名が付いているというわけです。

フォンダンの材料

フォンダンは状態を表す形容詞なのでフォンダンの材料というのは正しくはありませんが、ここでは洋菓子でのフォンダンの材料を紹介します。

フォンダンの材料は砂糖と水飴に少量の水です。これらを煮詰めて作ります。材料の砂糖は上白糖もしくはグラニュー糖の白砂糖です。それに水飴と砂糖が浸かる程度の水で作ります。市販のフォンダンは保存性を高めるために卵白、レシチン、果糖やぶどう糖などの混合物の転化糖、クリームタータ(酒石英)、お酢、レモン汁などが添加されているものもあります。

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フォンダンの作り方-温度が決め手

フォンダンは砂糖と水飴に水を加えて煮詰めて練り、再結晶化させた砂糖衣です。

まず砂糖と水飴が水に溶けて柔らかい球状になるまで煮詰めます。鍋に砂糖と水飴と砂糖が浸るほどの水を入れて火にかけ、113~115℃の温度で熱すると鍋の中身が柔らかな球状になります。そこで火からおろし、耐熱性のまな板などに流して、今度は40~50℃(熱いけれど手で触れるくらいの熱さ)まで冷まします。冷めたら流した板の上で木ベラを使い均一に手早く攪拌します。攪拌し続けると糖液が再結晶してきて、急に重たくなり白っぽくなります。これを練り込んでペースト状の生地にまとめます。これでフォンダンの生地ができました。すぐに使わない場合はこの状態でしっかりとラップなどにくるみ、冷蔵庫で保存します。

フォンダンの使い方も温度に注意

フォンダンの使い方は、ペースト状の生地に少量のキルシュ酒や白ワインを加えて弱火にかけ、木ベラでよく混ぜながら人肌くらいになるまで温めます。この時熱くしてしまうと糖液に戻ってしまうので温度に注意してください。鍋の温度に注意することは、フォンダンを使うときのポイントです。よく練り混ぜて人肌くらいに温まると、ペースト状の生地が艶やかな白色のドロリとした液状になります。これをスポンジケーキ、シュークリーム、エクレア、クッキー、パンの上に飾ります。色素を加えて好みの色付けをすることもできます。

フォンダンショコラの「フォンダン」とは

フォンダン

「フォンダン」と聞くと、ケーキの中からトロリとチョコレートが流れ出るチョコレートケーキを想像してしまいますが、砂糖と水飴と水で作ったフォンダンがスポンジの中に入っているわけではありません。先にも説明したようにフォンダンショコラは「フォンダン」の意味である「口の中で溶ける味わい」という意味からこの名が付いたチョコレートケーキです。フォンダンショコラは、チョコレートのスポンジの生地の中にチョコレートやガナッシュを入れて焼き上げたケーキの中からとろけるようなチョコレートが流れ出てくるチョコレートケーキです。

フォンダンとアイシングの違い

フォンダンと同じようにアイシングもクッキーやケーキなどの焼き菓子の装飾に使われますが、アイシングの原料は粉砂糖を水または卵白で溶いたもので、フォンダンのように熱を加えたものではありません。お菓子などの表面を飾る装飾的な役割は同じですが、原料や作り方が違います。またフォンダンは水飴が原料に入っていることや熱を加えて作っていることでアイシングより、見た目にツヤがあり上品な甘味です。

フォンダンを使って上手にデコレートしてみよう

「溶ける」とか「柔らかい」という意味のフォンダンは「口の中でとろけるお菓子」という意味合いを持つ西洋菓子の装飾用の砂糖衣です。材料は砂糖と水飴と水だけです。作るときは温度に気を付けないと、せっかく作ったペーストがまた糖液に戻ってしまいますので気を付けてください。アイシングよりツヤがありとろける上品なフォンダンでケーキやクッキーを可愛く飾ってみてください。