2016年12月5日更新

食品添加物を使用する目的

食品添加物は食品の加工・保存の目的で使用されるものと法令で決められています。

保存の目的

目には見えませんが空気中にはカビや細菌などの微生物がたくさん飛んでいます。
この微生物が食品に付着することで食品は変色したり腐ったりするわけです。食中毒の原因もこの微生物の増殖が原因です。

無菌室で作ればよいのかもしれませんが素材や調味料や包装材料自体に菌が付着している場合もありますし、作業する人間や機械に付着することもあります。

これを防ぐことはほぼ無理です。できたとしても販売される食品は驚くほど高価になるでしょう。

このような微生物の増殖を防ぐために添加されるものが保存料や防カビ剤(防ばい剤)です。
保存料を使用した場合には保存料(安息香酸Na)のように食品には表示されます。

しかしグリシンのように調味料として使用されているものでも実は保存料の役割をもつ添加物もあります。保存料と記載してあるとなんとなく危険な感じがしますが調味料であれば気になりません。

加工の目的

食品添加物は素材の持つ色や味、食感、香りなどを補強したり変更したりするためにも使用されます。

例えば、

また栄養を強化するためにも使用されます。清涼飲料水や赤ちゃんの粉ミルクなども栄養強化の目的で使用されています。

例えば、

  • ビタミンを補強するためのビタミンC(アスコルビン酸)
  • カルシウムを補強するためのパントテン酸カルシウム
  • マグネシウムを補強するための酸化マグネシウム

他には、豆腐を固めるために必要な豆腐凝固剤(塩化カルシウム)やラーメン(中華麺)を作るときに必要なかん水(メタリン酸ナトリウム)、お菓子やパンを膨らませるための膨張剤(炭酸水素ナトリウム(重曹))、PHを調整するためのPH調整剤(乳酸ナトリウム)、飴や砂糖で包んだチョコレート、天津甘栗などにツヤを持たせる光沢剤(シェラック)、食品に粘りやとろみを出すための増粘剤(アルギン酸ナトリウム)などがあります。