2018年5月7日更新

サヨリはどんな味がする?漢字や料理・干物の作り方など知ってお得なサヨリの世界

サヨリ

春に食べたいサヨリ。漢字にすると針魚や細魚と書くほど魚体が鋭く尖っているのが特徴です。そんなサヨリは料理にすると刺身や塩焼き、天ぷらにすると絶品ですが、寄生虫の問題もあります。干物になるサヨリはダツとの違いも気になるところなのでどんな味なのか、干物の作り方も併せてご紹介します。

  1. 目次
  2. 細く尖った姿のサヨリ
  3. サヨリはどんな味わい?
  4. サヨリとダツの違い
  5. サヨリの美味しい料理とは?レシピをご紹介
  6. サヨリの干物の作り方
  7. サヨリの刺身には寄生虫がいる?
  8. サヨリはゆっくりと噛みしめて堪能しよう

細く尖った姿のサヨリ

サヨリの漢字

体長40cmほどの大きさにまで成長するサヨリはダツ目トビウオ亜目サヨリ科サヨリ属に分類される春を代表とする魚です。見た目は尖った針のような姿をしており、銀白色に輝いているところも魅力的な魚でしょう。サヨリは下顎が非常に細く突き出ており、全体的に細長い体を持っています。

サヨリはそんな見た目の通り、漢字で書くと「針魚」や「細魚」と表します。光に当たると美しい光沢が確認でき、サヨリの群れで泳ぐ姿は息を飲む迫力と圧巻さがあります。

サヨリはどんな味わい?

サヨリは一部の人たちの間では「美人」と称されるほど絶品な味わいを持っています。

どんな味か分からない、そして魚はみんな同じような味わいだと感じている人がサヨリを一度口にすると唸るほどの格別さを感じます。

上品な香りや風味、そして歯切れの良い身の食感は刺身にして食べられるのが大人気です。また、刺身で食すサヨリは特徴的な味わいを感じ、いつまでも尾を引く風味が残ります。

サヨリは昔から美人を例える際に使われる魚でもあり、見た目や動き、そして味などどれを取っても引けを取らない優れた魚であるため、昔から私たち人の食材として扱われてきたのです。

また、サヨリの刺身は透き通っていて舌だけではなく目も楽しませてくれます。柔らかな身を持つサヨリは切り方次第でいくらでも美しく食器に盛りつけることができるため、客人に振る舞うのにも最適な魚です。サヨリの切り方としては、「そぎ造り」や「藤造り」、「色紙造り」、「細造り結び」などの日本の和を感じられるような切りつけ方がバリエーション豊富に存在します。

もちろん刺身にしても良いですし、塩をたっぷりと振りかけてゆっくり焼いた塩焼き、そしてカラッと油で揚げた天ぷらなどもまた違った食感でサヨリの味わいを楽しむことができます。どんな味か分からない人はまず定番のこれらの料理にして味わってみるとサヨリが持つ本来の味や香りを楽しめること間違いなしです。

サヨリとダツの違い

細長い鋭利な魚と見聞きするとまず思い浮かべるのはサヨリかダツのどちらかでしょう。そうそうこの2匹ほど姿が尖った魚はいませんから、まず思い浮かべるのはこの2匹です。

しかし、サヨリやダツなどの魚に詳しくない人はその見た目からどちらも同じ魚なのではないかと感じますよね。サヨリもダツもどちらもダツ目の仲間ですが、実は酷似していても別の魚です。

サヨリとダツの違い(口)

まず最も目に付く顎の尖った部分ですが、サヨリは下の顎のみが尖っているのに対してダツは上下どちらの顎も発達して先に鋭く伸びています。歯に関してもサヨリは歯自体がないですが、ダツの歯は鋭い体同様に尖ったギザギザの歯があります。

また、サヨリの体長は大きいもので40cm程度ですが、ダツの体長は通常サイズで50cmもあります。大きく成長する個体のダツでは1m超えのものもありますので、驚くほど大きくなるのはダツの方です。

それぞれが食用として捕えるエサにも違いがあり、サヨリはプランクトンなどをエサとしていますが、ダツはその鋭い歯で様々なものをエサとして捕獲するほどの凶暴さを持っています。同じダツ目の仲間でありながら時にダツはサヨリを捕獲対象としてしまうこともあるため、気性も荒いことが伺えるでしょう。

また、ダツは単独でまるで一匹狼の如く行動しますが、サヨリは必ず仲間と共に群れを作って行動します。サヨリとダツ、どちらも酷似していますが、ここまでで最大の違いと言えるものは食用とされるかどうかです。サヨリは万人から愛される美味しい味わいを持ち、食べやすいところも魅力的ですが、ダツは小骨が多いことであまり食用の対象にはなっていません。そのため、ダツの流通量は少なく、食用として見方というよりは他の用途で使われることが多い魚のようです。

サヨリの美味しい料理とは?レシピをご紹介

サヨリは透き通った身を美味しく食べたいものです。せっかくの上品な味わいを壊さないように調理したいところですから、そんな新鮮なサヨリに見合う美味しいレシピをご紹介します!

サヨリの叩き・梅肉和え

上品な味わいのあるサヨリにはそんな上品さを引き立てる梅肉などもピッタリです。特にお酒の席で用意すると喜ばれること間違いなし!


<材料>

  • さより 1匹
  • 梅肉チューブ (魚の大きさにより)小さじ1〜2
  • 牡蠣醤油(なければ普通の醤油) (魚の大きさにより)小さじ1/2〜1

作り方はこちら(楽天レシピ)

サヨリの手巻き寿司

サヨリは単体でも十分美味しいですが、たまにはお寿司としてサヨリの手巻き寿司を作ってみるのも良いですよ。ゆず皮をほんの少しだけ入れてあげれば風味も格段にアップします。


<材料>

  • ご飯 1膳
  • 【酢飯用】酢 大匙3杯
  • 【酢飯用】塩 1/4杯
  • さより 3尾
  • 酢 50cc
  • 塩 小匙1/2杯
  • ゆず皮 少々

作り方はこちら(楽天レシピ)

サヨリの干物の作り方

サヨリは非常に上品で繊細な味わいがする一方で足が速い魚でもあります。なるべく鮮度の良いものを魚料理で最も素材の味が分かる刺身などにして食べたいものですが、たまには干物として口にしてみるのもサヨリの違う美味しさに気づきますよ。

サヨリをもっと活用しよう!干物の作り方とは?

サヨリの美味しい食べ方は干物としても活躍します。サヨリを干物にする場合、サヨリの体表に付いたウロコを落としてからエラ蓋を開いて下顎付近のエラの付け根をハサミで切ります。そのまま続いて肛門付近まで切り、腹を開いたら長く伸びる内臓を取り、今度は頭側のエラの付け根をハサミで切ります。次に黒い色をした腹膜を除去したら歯ブラシなどを使って水洗いを十分に行いましょう。ここまではサヨリの下処理で、続いて干物にするための工程に移ります。

サヨリの干物の作り方は、下処理を終えたサヨリの身を開き、塩水に漬けていきます。このとき使用する塩水の濃度は5%程度。この塩水の中にサヨリを入れ、1時間放置したらザルに上げてキッチンペーパーなどで十分に水気を取ります。

あとは風が良く通る場所に一匹ずつ離して並べたサヨリを陳列させ、陰干しさせれば完成です。干物のサヨリを食べる場合は軽く火で炙って食べてみましょう。

サヨリの刺身には寄生虫がいる?

絶品なサヨリは生の刺身としてそのまま頂きたいところですが、サヨリを良く知る人なら知っている寄生虫について気にしていきましょう。

残念ながらサヨリは沿岸に生息する魚のため、寄生虫が棲みついている可能性大です。サヨリに寄生する寄生虫はアニサキスや腸炎ビブリオ菌、そしてサヨリヤドリムシなどの寄生虫が代表的です。

アニサキスは魚に寄生する虫でお馴染みで、腸炎ビブリオも見ただけで悪影響を及ぼすことが分かるでしょう。アニサキスも腸炎ビブリオも人の体に激しい腹痛や下痢といった症状を起こさせます。

サヨリヤドリムシは人には寄生しない寄生虫のため、特に深刻な心配をするほどのものではありませんが、姿がダンゴ虫に似ている気持ち悪いものですので発見し次第取り除きましょう。

寄生虫は主にこのアニサキスと腸炎ビブリオに注意が必要です。この2点の寄生虫は刺身にする場合、必ず真水で洗浄することと、常温で置いておくのは止めましょう。サヨリに寄生する寄生虫は鮮度が落ちてくると発生しやすくなります。

そのため、サヨリの見た目にお腹の部分が褐色になってきたのを確認したら冷凍保存に切り替えるか若しくは火を通して塩焼きや天ぷらなどで頂きましょう。

サヨリはゆっくりと噛みしめて堪能しよう

見た目は細く尖って怖い姿をしていますが、食べてみると非常に美味なのがサヨリです。さっぱりとした味わいはまるで春の訪れを喜んでいるかのよう。そんなサヨリは様々な料理にアレンジして変えることができるのでサヨリをゲットしたら目で楽しい舌で嬉しい絶品サヨリ料理に手をかけてあげてくださいね!