2017年11月7日更新

山わさびとは!?~食べ方と効果・効能~

山わさび(西洋わさび)

わさびは、私たち日本人にとって欠かせない香辛料。寿司や刺身、そばなどに必ず添えられているものですよね。
では、山わさびはご存知でしょうか?
名前くらいは聞いたことがあっても、どのような使い方をするのか、味や香りはわさびと同じなのかなど、詳しいことまでは知らないという人も多いのではないでしょうか。
そんな山わさびの栄養や効果・効能、使い方や料理方法までまとめてみました。

  1. 目次
  2. 山わさびとは
  3. 山わさびの効果・効能とは
  4. 山わさびの基本的な食べ方と料理方法とは
  5. 山わさびの保存方法は?
  6. とっても重宝する山わさび!

山わさびとは

西洋わさび

山わさびは、アブラナ科セイヨウワサビ属の多年草。
洋食ではレフォールと呼ばれることが多いですが、日本では山わさび、もしくは西洋わさびといいます。ただし、政府のデータではわさび大根という名前がもちいられる場合が多いようです。

山わさびは生命力の強い植物!

山わさびの原産は東ヨーロッパです。見た目ほうれん草の葉より一回り大きく先のとがった葉をつけ白い花を咲かせます。

日本では北海道を中心に野生の山わさびが生育しています。生命力が強い植物なので、根を土の中に植えただけですぐに発芽しますが、青虫をはじめほかの様々な害虫に葉を食べられてしまいそれが原因で枯れてしまうことがあります。

現在はアメリカのイリノイ州で生育される山わさびが世界生産量の80%を占めています。

実はとっても身近なわさび!?

チューブのわさびや粉わさびのほとんどは、この山わさびが原料になっています。
なぜなら、栽培がしやすく、収穫量が多いから。そのため、本わさびと書かれていない商品の原料は、ほぼ山わさびだと考えてもいいでしょう。原材料欄を見ると、西洋わさびと書かれているはずです。

山わさびの味と香りは?

山わさびも、本わさびと同様にツンと来るような辛みがあります。
本わさびと比べるとそれほど強い刺激はないといわれていますが、実際には個体差が激しく、本わさび以上にツンと来る場合もあるでしょう。そうかと思えば、まったく辛くないものもあるようです。
香りは本わさびよりも大根に近いといわれています。

ローストビーフの薬味と言えば山わさび

緑色の刺身に使う本わさびに慣れている私たちにとっては、山わさびと言ってもピンと来ないか存在かもしれません。

でもローストビーフの白い色の薬味と言えば見当がつくでしょうか。そうです!ローストビーフには欠かせないあの白い薬味が山わさびです。

チューブや粉わさびに使うほか、山わさびの代表的な食べ方はローストビーフの薬味として根をすりおろして利用します。山わさびの根には強い辛みがあり、すりおろすことで山わさびの辛み成分が酸素に作用して辛味と香味だします。

日本では本わさびの辛みは香辛料の辛みの中でも代表的です。本わさびの辛み成分の効能に食中毒を防止したり生魚のにおいを消臭する作用があるため、刺身を食べるときの香辛料に本わさびを利用しますが、山わさびもローストビーフを食べるときに利用するわけは、山わさびの辛み成分が牛肉の脂っこさを抑えて旨みを引き出すのでローストビーフを食べるときに利用されるのです。

山わさびの旬はいつ?

山わさびは貯蔵性が高いため、年中流通しています。
そのため、手に入りにくい時期はありませんが、旬は12月から3月にかけての冬の間です。
なお、若葉を食用にしたい場合、旬は4月から6月ごろです。

山わさびの栄養成分とは

山わさびには、ビタミン群とミネラルが豊富に含まれています。
ビタミンB1、B2、B6、C、E、K、カロテン、ナイアシン、葉酸、パントテン酸ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄など。
また、山わさびの辛み成分はアリルイソチオシアネートです。

山わさびの効果・効能とは

殺菌・抗菌作用

寿司や刺身にわさびが添えられる理由として、食中毒予防があげられます。
もちろん、それと同様の効果が山わさびにもあり、体内の毒素を無効化したり、菌の増殖を抑えたりする効果があるのです。それにより、食中毒をはじめ、菌が原因で起こるさまざまな病気や問題を予防できるでしょう。

消化を促進する効果

山わさびには、唾液や胃液の分泌を促す効果があります。
これにより、食欲が増すのはもちろん、消化能力も上がり胃腸の負担をやわらげます。その結果、胃や腸の不安や問題を取り除き、健康に保つことができるのです。

がん予防

山わさびには解毒効果があり、アフラトキシンなどの発がん性物質を無効化します。これにより、がん予防になるのです。
また、焦げが原因で発生する様々な物質についても毒性を無効化するので、がんをはじめ、さまざまな病気の予防になります。

血栓予防

山わさびには、血液をサラサラにして血流を良くする働きがあります。
これにより、血栓を予防したり、動脈硬化や貧血、冷え性、高血圧など血液関連のさまざまな問題を解消できるでしょう。

山わさびの基本的な食べ方と料理方法とは

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山わさびの選び方は?

新鮮な山わさびは色白です。
そのため、香りが強く、できるだけ色が白いものを選ぶようにしましょう。
鮮度が落ち始めた山わさびは黄色くなり、その後どんどんオレンジ色になっていきます。

山わさびの基本的な使い方

山わさびはすりおろして使うのが一般的ですが、本わさびと同様、すりおろすとどんどん風味が落ちていきます。ですから、使う直前に、使うぶんだけすりおろすようにしましょう。
山わさびは本わさびと比べると繊維質なので、おろし金は粗めのものがおすすめです。
また、すりおろす際は皮をむかず、そのまま一緒にすりおろしたほうが栄養や風味を損なわずにすみますが、好みによっては皮をむいてもいいでしょう。

刺身や寿司以外はどんな料理に使われるの?

洋食では、山わさびはローストビーフに欠かせないものとなっています。
食べ方は簡単で、ローストビーフにおろした山わさびを添えるだけ。
また、ドレッシングやソースのアクセントとして使われることもよくあるようです。

山わさびの葉や皮も食べられるの?

皮は、むかずに一緒にすりおろして使います。
葉は、醤油漬けにするほか、葉物野菜と同じように使うこともできますよ。

山わさびの葉のめんつゆ漬け

手で適当な大きさにちぎった山わさびの葉を軽く塩もみし、30分~一時間冷蔵庫で寝かせる。その後、沸騰したお湯にさっとくぐらせたら冷水につけ、水気をよく切ったあとめんつゆにつけます。そのまま一晩置けば出来上がり。

山わさびの保存方法は?

山わさびは、保存性の高い食材です。
乾燥しないように袋に入れれば、冷蔵庫で保管するだけで2ヶ月ほどもちますよ。
ただし、山わさびを保存するときは、まるごとが鉄則です。すりおろした状態では風味がどんどん抜けてしまうので保存には向きません。
まるごとなら、冷凍保存も可能です。空気が入らないようにラップでくるみ、冷凍庫に保存しましょう。
冷凍保存した山わさびを使うときは、解凍せず、そのまますりおろしてください。

とっても重宝する山わさび!

わさびは私たちにとって欠かせない食材ですが、本わさびは高かったり、手に入りにくかったりしますよね。
その点、この山わさびは年中流通しているし、価格も手頃。それなのに、嬉しい効果や効能がたくさんあるのですから、とても重宝します。
ぜひ、山わさびを冷蔵庫、もしくは冷凍庫に常備しておいてはいかがでしょうか。