2018年1月18日更新
三つ葉ってこんなにすごい!三つ葉の栄養とその効果・効能
三つ葉と聞くと、どんぶりやお吸い物を思い浮かべる人が多いと思います。
ただし、どれも添え物というイメージで、食べずに残してしまう人もいるのではないでしょうか。実際、三つ葉は日本料理において、飾りや香り付けを目的に使われるもの。そう聞くと、まるで栄養や効能などないかのように思われてしまうかもしれませんが、そんなことはありません。
実は三つ葉には、豊富な栄養素と、そのおかげで期待できる効果や効能が盛りだくさんなのです。基本的な食べ方や、料理での使い方なども合わせてご紹介します。
- 目次
- 三つ葉とは
- 三つ葉1束のグラム数と本数は?
- 三つ葉の旬はいつ?
- 三つ葉の効果・効能とは?
- 三つ葉の基本的な食べ方って?
- 三つ葉の料理への使い方&レシピ
- 三つ葉の保存方法は? 冷凍できる?
- 三つ葉は単なる添え物じゃない!
三つ葉とは
三つ葉とは、セリ科ミツバ属の多年草。一本の茎に葉が三つつくため、三つ葉と呼ばれるようです。
香りが強く、料理の風味を引き立てるので、日本料理においてとても重宝されています。
三つ葉にはどんな種類があるの?
三つ葉には、「根三つ葉」「切り三つ葉」「糸三つ葉」の三種類があり、一般的なスーパーで売られているものはだいたい糸三つ葉です。
糸三つ葉
水耕栽培されるため、年に7~8回収穫できる三つ葉。葉が小さめで、香りが強いです。アクが少なくて口当たりもいいので、生食できます。
切り三つ葉
発芽したら、遮光した部屋に移して栽培される三つ葉。細くて白い茎と、薄い緑の葉が特徴的です。アクが少なく、生食できます。
根三つ葉
その名のとおり、根が付いた三つ葉です。枯れた株に土寄せし、葉や葉柄を遮光して栽培したのち、根が付いたまま出荷されます。糸三つ葉や切り三つ葉より栄養価が高く、日持ちします。歯触りがよく、おひたしなどの調理に向いている三つ葉です。
三つ葉の選び方は?
三つ葉を選ぶときのポイントは三つあります。
1・香りが強いもの
2・茎がみずみずしく、黄色く変色していないもの
3・葉が濃い緑色をしているもの
三つ葉の栄養成分は?
三つ葉には、鉄やカルシウムなどのミネラル分のほか、ビタミンAやCなども豊富に含まれています。
また、ミツバの香り成分はクリプトテーネンとミツバエンですが、これにも後述する効果、効能がありますよ。
三つ葉のカロリー
三つ葉はカロリーが低い野菜と言われます。可食部100gあたり13kcalから20kcalです。また三つ葉は料理に添えたりする場合は100gも摂らないのでカロリーはもっと低くなります。先ほどお話ししたように三つ葉には3つの種類があります。日本食品標準成分表2015年版(七訂)で調べたそれぞれの三つ葉のカロリーを記載しましたのでご参考にされてください。この数値は可食部100g当たりのカロリー数です。
生 | 茹で | |
---|---|---|
糸三つ葉 | 13kcal | 17kcal |
切り三つ葉 | 18kcal | 15kcal |
根三つ葉 | 20kcal | 20kcal |
それぞれの三つ葉のカロリーについて付け加えておくと、糸三つ葉と切り三つ葉は生の状態と茹でたあとのカロリーが違います。茹でたあとのカロリーは水分をぎゅっと絞った状態のカロリーです。切り三つ葉は茹でたあとよく絞れるのでその分水分も少なくなり、そのため含有している成分の炭水化物が水と一緒に出てしまうので茹でたあとのカロリーが少なくなると考えられるそうです。
それに対して糸三つ葉は茹でたあとぎゅっと絞っても切り三つ葉ほど水分が絞り切れず、生の状態より水分を多く含んだ状態になるためカロリーが多くなるということだそうです(文部科学省科学技術学術審議会調査室からの返答)。
三つ葉1束のグラム数と本数は?
ここでご紹介する三つ葉は通年一般的に販売されている糸三つ葉の1束のグラム数と本数をご紹介します。通常三つ葉(糸三つ葉)は2cm四方のスポンジ状の床どこに数本が根付きで1束になっています。その1束はおよそ15~25g(スポンジ状の床どこつき)です。スポンジに付いている根元を切り落としてもスポンジ部分に重さはほとんどないので重さは変わりません。本数は1束15~20本程度です。販売元によって束数は違いますが、2cm四方のスポンジ状の床どこに15~20本の三つ葉が付いた束が2~3束、袋に入って150~300円くらいで販売されています。
三つ葉の旬はいつ?
主流の三つ葉である糸三つ葉はハウスで水耕栽培されているものなので、通年流通しています。これに対してほかの三つ葉はそれぞれの栽培法があるので収穫にあわせ、最も美味しい旬の時期があります。切り三つ葉は12月~2月の冬の時期が旬で、根三つ葉は3月~4月の春先に旬の時期を迎えます。ちなみに切り三つ葉は関東で好まれ関西ではほとんど見かけません、これに対して根三つ葉は関西で好まれているようです。
三つ葉の効果・効能とは?
三つ葉には、次の効果や効能が期待できます。
- 目や皮膚の粘膜を保護し、視力低下や肌のトラブルを防ぐ。
- 血流が良くなり、貧血や冷え性が改善される。
- 肝臓の働きを良くし、胆汁を運ぶ力を増強する。
そして、三つ葉の香り成分であるクリプトテーネンとミツバエンですが、これらには鎮静作用と食欲増進作用があるようです。
そのため、気持ちをリラックスさせたり、不眠症を改善したりする効果が期待できますし、胃腸の働きを活発にする効能もあると言えます。
三つ葉の基本的な食べ方って?
三つ葉の最大の特徴といえば、もちろん独特の香り。
しかしこの香り、加熱をすると薄くなってしまうのです。それだけでなく、歯ざわりも悪くなってしまうので、できるかぎり火を通さないように使うことが大切です。たとえば汁物なら、完成後、火を止めてから、もしくは椀に盛ってから添えるようにしましょう。
また、スーパーで売っている糸三つ葉はそうでもありませんが、野生の三つ葉はとてもアクが強いです。
料理に使うときは、必ずアク抜きをするようにしてください。
三つ葉のアク抜きの方法
ミツバのアク抜きの仕方は、沸騰させた塩水でさっと茹で、その後水にさらします。
しばらく水につけておく時間がなければ、熱が取れるまで流水にさらすだけでもかまいません。
三つ葉の料理への使い方&レシピ
三つ葉はご存知のとおり、生のままお吸い物やお味噌汁、どんぶりに添えるだけで風味を引き立ててくれるとてもありがたい食材です。
ほかにも、お浸しにしたり、サラダにしたり、食べ方はさまざま。
また、加熱すると香りと歯ざわりが飛んでしまう三つ葉ですが、卵とじにしたり、焼肉で巻いたりして食べる分にはおすすめです。
三つ葉のお吸い物
600ccのだし汁を火にかけ、沸騰したらお酒小さじ4、醤油小さじ4、みりん小さじ1を加える。
さいの目切りにした絹ごし豆腐100gを入れ、その後といた卵一個を回し入れる。
卵が固まったらお椀に盛り、ミツバを添えれば出来上がりです。
三つ葉のおひたし
だし汁200ccに醤油小さじ5、みりん小さじ5を加える。
根三つ葉をアク抜きし、その中に2時間ほどひたす。
三つ葉と大根のサラダ
大根を千切りにし、大根の長さに合わせて切った三つ葉と混ぜる。
器に盛り、鰹節をふりかけ、ポン酢をかければ出来上がり。
三つ葉の保存方法は? 冷凍できる?
三つ葉は乾燥により香りが飛んだり、傷んだりしやすい食材です。
そのため、買ってきたら水を張ったコップに立てて入れておきましょう。ただし、三つ葉はもともと保存期間が短いですから、すぐに使い切ることができないのなら、冷蔵、または冷凍保存をおすすめします。
三つ葉の冷蔵保存の仕方
濡らしたキッチンペーパーで三つ葉を包み、タッパーやチャックのついた袋に入れる。
その後、野菜室に立てて保存しましょう。
三つ葉の冷凍保存の仕方
よく洗った三つ葉を使いやすい大きさに切り、タッパー、もしくはチャック付きの袋に入れて冷凍保存します。
ただし、冷凍保存した場合、三つ葉の歯ざわりが損なわれてしまうので、生食はおすすめできません。
茶碗蒸しに入れたり、料理の彩りに使ったりしましょう。
三つ葉の賞味期限は?
三つ葉の賞味期限は短く、買ってきたそのままだと2,3日で葉が黄色くなってしまいます。
上で紹介した冷蔵保存だと大体4~5日、冷凍で1~2ヶ月ほどもつでしょう。
三つ葉は単なる添え物じゃない!
三つ葉には、思いがけない効果や効能、いろいろな栄養素が含まれていることがわかってもらえたと思います。
これまで、三つ葉を添え物としてよけていた人も、これからはぜひ食べるようにしてみてはいかがでしょうか。
ただし、三つ葉はせり科の植物ですから、せり科にアレルギーのある人は摂取しないように注意してください。