2020年12月17日更新

精製塩とは?塩の種類は2種類のみ

塩

身の回りには姿も色も違う塩が豊富にありますが、数多く存在する塩は大まかに分けて精製塩と天然塩のたった2種類しかありません。今回のテーマとなる精製塩は、その名の通り精製されたもので食塩などがこれに当たります。今回は自然塩との違いや粗塩との違い、作り方や危険性までお届けしていきます。

  1. 目次
  2. 精製塩とは
  3. 精製塩と自然塩との違い
  4. 精製塩に危険性はあるの?
  5. どういう塩を選べばいいのか
  6. 精製塩は料理にパンチを加える大事な調味料

精製塩とは

毎日必ず一度は口にすると言っても良いほど私達の食生活に大きく関わってくる塩は、商品名なども関連して様々な種類が販売されています。普段通っているスーパーとは違う場所へ行った際に、変わった塩を見つけたという方もいるのではないでしょうか。

そんな身近に溢れている塩ですが、種類がたくさんあるように見えて実は大まかに大別すると2種類しかありません。今回テーマとなっている精製塩と天然塩(自然塩とも呼ばれる)です。

精製塩は分かりやすく言えば食卓塩や食塩という呼び名で流通している塩です。常備してある家庭も多いため、最も馴染みある塩が精製塩ということになりますね。

精製塩の作り方は?

精製塩はその名の通り精製したものだということがイメージできますよね。精製塩は海水を電気分解、つまり化学反応させることによって作られている塩です。塩の固まりを無くすため、炭酸マグネシウムを混合しています。

また、精製塩は指先で少し舐めただけで強い塩気を感じますが、精製塩の成分は99.5%以上が塩化ナトリウムでできているため、しょっぱいを通り越して辛みを感じます。

塩化ナトリウムは海水に平均2.8%含まれ、調味料の他に寒剤(※)としても用いられるほど、特性を生かした強力な物質です。精製塩の特徴は手ですくって落とすととてもサラサラしています。

精製塩は製造法が簡単で、コストも最小限に抑えられます。大量生産しやすいことで非常に広く浸透しており、塩と聞いてまずイメージするのはこの精製塩の場合が多いでしょう。

寒剤・・・寒剤とは、混合する事で低温が得られる2種以上の物質の組み合わせ、またはその混合物で、起寒剤ともいう。 「氷と食塩」がよく知られ、家庭でのアイスクリームづくりに利用される。

精製塩と自然塩との違い

体や美容に良い塩が好きという方は、自然塩を選ぶ方も多いでしょう。塩を大別した際に大まかに分けられる精製塩と自然塩との違いは、含まれている成分です。

自然塩と呼ばれる種類の塩には、精製されていないため塩化マグネシウムや硫酸カルシウムなどが含まれており、ミネラルのバランスが良いものがあります。

精製塩に当てはまらないものを基本的に自然塩や天然塩などと呼びますが、その定義ははっきりしていません。

更に、販売者は自然塩や天然塩などのワードを売りにできません。自然塩と一口に言っても様々な塩があるため、非常に詳しく追及していかないとその塩の正体が分からないことも多々あります。

ちなみに自然塩や天然塩と呼ばれるものには、海塩をそのまま煮詰めて製造する自然海塩や天日塩、岩塩、湖塩、藻塩、初めから風味付きのハーブソルトなどが自然塩に当たります。岩塩などは一時期ブームになったこともあるため、耳馴染みした方も多いことでしょう。

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粗塩は自然塩

塩の種類の中ではあまり光が当たらない粗塩は、自然塩に当たります。海水を濃縮する作り方をされており、塩味の中に少し苦味を感じる奥深い味わいをしているのが特徴です。

名前を見る限りでは質の良くない塩なのかとイメージしがちですが、実はその反対で、精製塩のように成分が取り除かれていないことで、海水由来のミネラルなどの成分がそのまま残っているのが粗塩です。ただしょっぱいだけではないまろやかで複雑性のある味わいは、料理に使うと違いが良く分かります。

精製塩に危険性はあるの?

精製塩は人間が必要とするミネラルを排除した塩です。直接的に大きな危険性があるとは言い切れませんが、16種類の必須ミネラルと呼ばれる成分を全て含んだ海水の成分を排除した精製塩を生涯摂り続けるとしたら、体のミネラルバランスが崩れる可能性があると言えるかもしれませんね。

また、近年ブームとなっている減塩は更に注意する必要があります。舌で旨みを感じるべき成分が排除されているということは、その旨みを補うために化学調味料や添加物が使用されていることが非常に多いのです。

また、塩分は健康な腎臓をしていれば摂り過ぎになったとしても、その分水分を欲するため自然と排出されます。塩化ナトリウムでできている精製塩と、ミネラルを含んだ自然な塩は、決定的な違いがあると言えます。早期に危険はないですが、徐々に体内のバランスが崩れていく可能性がある精製塩は使い続けて良いものか考える必要があるかもしれません。

どういう塩を選べばいいのか

塩選びは数多くの情報をリサーチしなければ案外難しいものです。どういった塩を選べば良いのか分からないという方は、チェックポイントを覚えて選択するようにしましょう。

色が白いものを選ぶ

塩と直接的に関係するミネラルは、無色透明です。光の角度などによっては純白に見えるほど白く見えるミネラルは、塩選びでも役立ちます。色が付いた塩は塩の成分以外にも何かしらの成分が混じっているため、選ぶ塩は白いものを選びましょう。

日本の塩を選ぶ

輸入された塩では安全性の確認ができません。安全基準や表示基準が存在しないため、日本で作られた塩を選ぶようにしましょう。

塩の味で選ぶ

自然塩にはミネラルが含まれていると前述しましたが、それぞれの成分は口に入れた後の味覚に違いが生じます。

例えばナトリウムならシンプルに塩味を感じ、マグネシウムなら苦味や旨み、コク、カリウムなら酸味、キレの良さ、カルシウムなら相対的に甘み…といった具合に、舌で感じる味が細かく異なります。

様々な塩を味見していると苦味や旨み、コク、甘さなど、他にも口では説明しにくい複雑な味覚を感じることがあるため、選ぶ際の判断材料として自身の舌をフルに活用するのもアリです。

精製塩は料理にパンチを加える大事な調味料

塩分の摂り過ぎは良くないと言われ続けている現代では、たとえ少量であっても何かと目の敵にされがちです。もちろん摂り過ぎは良くありませんが、塩分がきいていない味の薄い料理を欠かさず食べていれば心に元気がなくなってしまいます。何事も適度が大事だということを前提に、更にメリットを求めるなら自然塩を試してみるのも良いですよ。