2018年5月2日更新
ふきのとうの味や美味しい食べ方!下ごしらえはどうする?
春の訪れを告げる山菜の代名詞ふきのとう。山野に出かけてふきのとうを見つけると春の到来を感じますよね。料理人に言わせると「春は苦みの季節」とも言われるくらい、山菜の味はほろ苦いものがたくさんですが、ふきのとうも独特のほろ苦さがあり、それがまた春の味覚と喜ばれます。今回はふきのとうの美味しい食べ方をリサーチしました。ふきのとうの美味しさであるほろ苦さをうまく出すための、上手な下ごしらえの仕方もご紹介します。
- 目次
- ふきのとうの時期はいつ?
- ふきのとうの値段はいくら?
- ふきのとうとふきの違いは?
- ふきのとうにはどんな栄養があるの?
- ふきのとうの保存方法
- ふきのとうの味は?美味しい食べ方
- ふきのとうの上手な下ごしらえのポイント
- 春の味覚!ふきのとうを美味しく味わおう
ふきのとうの時期はいつ?
ふきのとうは日本の山野に自生している山菜です。雪が解け始めるころに芽を出します。ふきのとうの芽が出ると、毎年その地方の春を告げるニュースの表紙に紹介されるほど、春の食材の代名詞です。最近はハウス物も流通していますが、新鮮な天然のふきのとうの時期は春の初めです。
日本全国の山野に自生している天然のふきのとうの時期は、地方によって春の訪れの時期が違うので、収穫時期が多少頃なりますが、雪のない地方では2月下旬頃、そして雪深い地方でも雪解けの時期の3月中頃から芽を出します。
春の訪れの遅い地方では、4月中旬頃までが食べ頃の時期を迎えるふきのとうは、ふきの蕾の部分で、花が咲いてしまうと食用にはなりません。ですからふきのとうの収穫時期はほんのわずかです。春早々に収穫される山菜の代表であるふきのとうは、短い期間だけ春の味を味わえる食材なのです。
ふきのとうの値段はいくら?
毎年春になると、自生のふきのとう狩りを楽しみに、山野に出かける方も少なくないことと思います。自分で見つけて摘んだふきのとうの味は、格別に春を感じ美味しいことでしょうが、春になるとスーパーの野菜売り場にも天然のふきのとうが姿をみせます。
およその価格は4玉(100gくらい)で450~600円。山菜のネット直売店の価格は4~5玉(100g程度)で400円という価格で売られています。ネット販売で天然のふきのとう20玉(300gくらい)で1800~2400円。ちなみにハウス物は8玉で540~600円くらいです。春には自生のものがたくさん芽吹きますが、買うとなるとなんだか高価な山菜に感じますね。
ふきのとうとふきの違いは?
結論からいうと、「ふきのとう」と「ふき」は同じ植物です。
ふきのとうは日本原産の山菜で日本の最も古い野菜だと言われます。キク科フキ属の多年草です。
ふきのとうとふきの違いですが、ふきはふきのとうの花茎のことをいいます。そして花芽を包む葉に包まれたふきの花の蕾をふきのとうと言います。
花が咲いた後に地面の下の茎が伸びてきたものがふきです。ふきのとうはふきの蕾で、蕾が咲き地下茎から伸びてきた茎がふきとなり、ふきも美味しい山菜料理に楽しまれます。
ふきのとうにはどんな栄養があるの?
春を告げる山菜のふきのとうは、芽を出す早春に、その季節に必要な栄養をたくさん含んでいる野菜だと、昔の人は春になるとこぞってふきのとうを食べたものです。
実際に春一番に芽を出すふきのとうの栄養成分にはビタミンB群、C、E、Kなどの豊富なビタミン類や、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル類、食物繊維などの栄養素に含んでいます。豊富なビタミン類やミネラルは、体に貯まった老廃物や毒素を除去するデトックス効果がたくさんあるため、まさにふきのとうは季節の変わり目に必要な栄養をたくさん含んだ旬の食材だと言えるのでしょう。
ビタミン類は互いに関係しあって疲労や肩こり、ストレスの解消、風邪の予防に効果があると言われ、体のエネルギー作りに活躍してくれます。ミネラルのカリウムは体の余分な塩分を排出する作用があり、むくみを解消してくれるほか、高血圧症の予防に効果があると言われます。食物繊維は便秘に効果的な栄養成分です。
ふきのとうの苦みの成分
ふきのとうには独特な苦みがありますが、それは植物性アルカノイドやケンフェールという成分が含まれているからです。これらの成分はウドやタラの芽などの山菜にも含まれている成分です。
アルカノイドは肝機能の働きをよくし新陳代謝を促す作用があります。そのため体内の毒素や老廃物を除去してくれると言われます。ケンフェールは活性酸素を抑制してくれる効果があるので、発がん物質を抑制してくれる働きがあると言われています。
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ふきのとうの香りの成分
「春の香りと言えばふきのとうの香り」と言っても過言ではないふきのとうの独特の香りは、フキノリドという成分が含まれているためです。フキノリドは、消化液の分泌を促進して消化を助け、胃腸のはたらきを整えくれる効果があると言われています。
ふきのとうの保存方法
ふきのとうはほかの野菜類に比べて日持ちのしない食材です。香りなどが損なわれないうちにできるだけ早く食べることがおすすめです。短い期間保存する場合は、洗わずに、乾燥を防ぐために、新聞紙に包むか、穴を数か所あけたポリ袋に入れて冷蔵庫で保存します。保存期間は2~3日くらいです。
冷凍保存する場合
ふきのとうは冷凍保存することも可能です。冷凍保存すると生のものより少し長く保存することができます。冷凍保存するときは、ふきのとうを硬めに下茹でし、茹でたら冷水にさらしてアクを抜いた状態にします。
そしてできるだけ水気をとって、使う分に小分けにし、保存袋に入れて冷凍します。使うときは室温で自然解凍して調理します。
ふきのとうの味は?美味しい食べ方
ふきのとうは山菜の中でもアクが強く、独特な苦味があります。しかしその独特のほろ苦さや香りは早春の味の代名詞になっています。強い苦味の元となるアクをとり、独特なほろ苦さや新鮮な香りを残して調理するのが、ふきのとうの美味しい食べ方です。アクが強いので下ごしらえで上手にアクをとると美味しく食べることができます。
ふきのとうは昔から食用として利用されてきた山菜で、その独特な香りや苦みを香辛料の代わりに利用していた時代もありました。現在は主に早春を告げる食材として、天ぷら、和え物、おひたしなどにして食べます。天ぷらで食べるときは、芽が出たての若いものをアク抜きせずそのまま使いますが、その味は独特な香りとほろ苦さの中にほんのり甘味があり、ほっくりした食感が美味しいと言われます。和食のほかに、下茹でしたふきのとうをバターやオリーブオイルでさっとソテーし、魚や肉料理の付け合わせにしたり、パスタの具にするなど、アレンジをきかせたレシピも人気のようです。
ふきのとうの下ごしらえはアクの抜き方が決め手!
さて、ふきのとうを美味しく食べるには下ごしらえで上手にアクをとることが大切!とお話ししましたが、上手な下ごしらえのポイントはこんなことです。
ふきのとうの性質
雪解けに芽を出したばかりのふきのとうは、まだ色が黄色っぽい色をしています。その頃のふきのとうは苦みが少ないので、そのまま天ぷらにしたり炒めて食べても大丈夫!しかし日にあたると緑かかった色になります。そうすると苦味やアクが出てくるので下ごしらえをしなければ、美味しく味わうことができません。
ふきのとうは山菜の中でもアクが強く、切るとすぐにその断面が茶色く変色していきます。そのため切ったものはすぐに水に浸しておくようにしてください。水に浸すとふきのとうの独特の良い香りが抜けてしまいそうだと感じるかもしれませんが、水に浸すだけでは香りも苦みも抜けません。
ふきのとうのアク抜き方法
さていよいよ下ごしらえのポイントです。一般的なアクの抜き方はたっぷりの沸騰した湯で短時間茹でることです。沸騰している湯に塩(湯の量の約1%)を加えます。その中にふきのとうを入れます。3~4分茹でたらすぐに冷水にとりしばらく冷水にさらします。冷水にさらすことでアクが抜けます。
ふきのとうは熱に弱く加熱しすぎると食感がなくなり、また色合いが悪くなってしまいます。沸騰した湯の中に塩を入れるのは、ほかの葉野菜と同様に鮮やかな色と歯ごたえを残す効果があることや、栄養成分が水の中に流れ出るのを防ぐためです。ふきのとうは熱に弱いので、沸騰した湯の中で短時間に茹でるのがコツで、茹でたらすぐに冷水にとり熱を冷ますことが大切です。
山菜のアク抜きには、沸騰した湯の中に塩ではなく重曹を入れてアク抜きすることもあります。重曹の量は一つまみ(湯の量の約1%)です。重曹を使って茹でても、茹で上がった後はすぐに冷水にさらします。
どちらにしても苦味を少し残したければ冷水にさらす時間は30分くらいにし、しっかりと苦味をとりたい場合は何度か水を替えながら2~3時間さらしておくと苦味が抜けます。山野に出かけ自分で収穫したものは、時間が経つほどアクが強くなるのでできるだけ早く下ごしらえをするのが美味しく味わうコツです。
春の味覚!ふきのとうを美味しく味わおう
俳句の世界でも初春を示す季語に使われるふきのとう。春を告げる代表的な山菜です。独特なほろ苦さと香りをもつふきのとうは、アクが強い山菜ですが、下ごしらえをきちんとすればアクも抜け、苦味も美味しいほろ苦さとなり、春の味を満喫できます。
下ごしらえのポイントは上手にアクを抜くことです。アクの抜き方はポイントを押さえてしまえば簡単です。近年はハウス物も出回っていますが、ふきのとうはふきの芽の部分で花が咲いてしまえばもう食べられないので、天然のふきのとうを味わえる時期は短い期間です。春が到来した暁には、ふきのとうを上手に下ごしらえして、春の味覚を美味しくご賞味ください。