2017年6月7日更新

チコリの栄養や美味しい食べ方とは

チコリ

チコリは地中海原産の野菜で、古代ローマ人やギリシャ人の間で薬として使われたのが始まりと言われ、14世紀にはヨーロッパにすっかり定着しました。
日本ではまだまだ知名度は低めですが、食べると良いことがいっぱいの野菜なんですよ。

  1. 目次
  2. チコリとはどんな野菜?
  3. チコリの栄養や効能は?
  4. チコリのおすすめの食べ方
  5. まとめ

チコリとはどんな野菜?

チコリはキク科キクニガナ属の多年草で、ラグビーボールの形をした小さな白菜のような見た目をしています。
国外では香料や砂糖の原料、家畜の飼料として広く使われており、ヨーロッパ原産でチコリの他にアンディープ、キクニガナとも呼ばれます。
主な産地はヨーロッパのほか、アジア、北アメリカの海岸部や河岸部、渓流地帯、山岳地域で栽培されています。

チコリの種類

チコリは種類によって特徴が大きく異なり、それぞれの違いを楽しめる野菜です。
それではどんな特徴があるが詳しく見ていきましょう。

チコリは軟白栽培が多く、これはあえて遮光した環境で栽培することで、白く柔らかい歯ざわりにするという栽培方法です。もやしやうどもこのような方法で栽培されます。
軟白栽培されたチコリは根が太く、まっすぐでずっしりとします。栽培中の根は完全に土の中で成長し灰白色で光沢があり、主根は傷つくと枝分かれし、栄養が他に取られやすくなるため細心の注意のもとで育てられます。

キャベツのようにまん丸のものもありますが、多くが砲弾やラグビーボールに似た形をしており、先が尖っています。遮光により葉緑素が作られないため、全体は乳白色で、葉の先端のみ黄色を帯びた緑色や紫色をしています。

もう1つの特徴は形です。結球型、非結球型と呼ばれますが、簡単に言えばレタスのように玉になるのを結球型、小松菜のように丸まらずに開いたのが非結球型です。
結球型の根は短く、主根よりもひげ根が発達しているのが特徴です。葉は新芽のうちから内巻きで、自然と球状に形を作っていきます。
そして、結球型の中にも葉の先端の色で黄色と紫色に分かれます。

チコリの栄養や効能は?

チコリは栄養野菜と呼ばれ、葉に栄養が詰まっているだけでなく、根からは砂糖やコーヒーの代用品がとれます。
そんなチコリから、どんな栄養が得られるのでしょうか?

チコリの栄養成分は

チコリは水分、タンパク質、食物繊維、脂質、βカロテン、葉酸、ビタミンK、灰分、カルシウム、リンのほかアミノ酸や微量元素なども豊富に含んでいます。

チコリの効果・効能は

上に述べたように、体に必要な栄養素がバランスよく入っているため、様々な器官に効果を発揮します。
やや苦い味は、 体を冷やす作用があることから解熱や解毒、利尿、消炎作用が主な効果です。

他には、体の熱を外へ逃すため熱中症の予防や治療にも効果的で、暑さに伴う食欲の低下や、消化不良も同時に改善してくれます。そして根から採れる苦味成分にも、消化器官を活発にする働きがあるそうです。

チコリのおすすめの食べ方

様々な栄養を含みながら、消化吸収まで助けてくれるチコリは毎日食べるとさらに効果が期待できるようです。では、食べるときのポイントを押さえていきましょう。

チコリの味を楽しむポイント

チコリは葉の先から根元まで全て食べられますが、加熱すると苦味が強くなり変色の原因となるため、洗う際に熱湯は使わないようにしましょう。
とはいうものの、チコリが本来持っている苦味は美味しさの一部ですので、無理に消さず、上手に利用して食べるのがポイントです。

例えば、最もポピュラーな食べ方にサラダがありますが、サラダにする時にチコリの苦味に合う食材はたくさんあります。海外ではクルミなどナッツ類、玉ねぎ、きゅうり、チーズ、パクチー、梨などの果物も一緒に使われます。
ドレッシングを手作りする場合は、いつものお酢をバルサミコ酢に変えて作るのがおすすめです。バルサミコの甘く芳醇な香りにチコリの苦味が混ざり合い、美味しく食べることができますよ。
また、炒める際はなるべく短い時間で、炒め終わったら早めに食べるようにすると、彩りはきれいなまま、サクサクとした食感が楽しめます。

チコリは花も食べられます

チコリの花

チコリの花は毎年5月に咲き、見頃は9月までとかなり長いのが特徴です。そういった理由もあり、ヨーロッパでは花も食べられます。日本でもお寿司の食用の菊の花が添えられていることがありますが、チコリも同じキク科の植物。
きれいに洗ってサラダに添えると、花も食べることができます。葉の鮮やかさに花の色がよく映えて、食欲をそそるサラダになりますよ。チコリがよく食べられている地域では、軽く茹でた葉にソースをかけて和え物にしてから花を添える方法もあるようです。

まとめ

鮮やかで柔らかい歯ざわりのチコリは、サラダの見た目や食感を華やかにするほか、かつて薬だったという特性から肝臓や胃腸の働きを助けてくれます。
これまであまり食べる機会がなかったという人も、これをきっかけに味わってみてはいかがでしょうか。