2017年6月6日更新
うどには意外な栄養が!旬を知って料理を楽しもう
皆さんはうどを食べたことがありますか。
毎日食べる食材ではないため、うどについてあまり知らない人も多いかもしれませんが、うどは栄養たっぷりで、色んな食べ方が楽しめるんですよ。
今回はそんなうどの栄養や食べ方について紹介します。
うどとは
うどを美味しくいただくために、まず、うどがどんな植物なのか見ていきましょう。
山うどと軟白うど
うどとはもともと山菜で、山に入って採られていました。今はこの山うどのほかに、特殊な環境で栽培される軟白うどがあります。
山うどは自然環境で日光をたっぷり浴びているため、背が大きくて皮が硬く、全体的に緑色をしています。一方軟白うどは、うど小屋と呼ばれる場所で光をあてず栽培します。そのためもやしのように、白く細長くなり皮が軟らかいのが特徴です。
どちらにも美味しい食べ方はありますが、スーパーなどで見かけるうどのほとんどは栽培された軟白うど。山菜としてのうどを食べる機会は、かなり少ないのが現状です。
どこを食べる?
太くて長い白ネギのような姿をしたうど。料理には葉と茎、茎の皮を使います。根はそのまま食べられませんが、栄養価がとても高いため、乾燥したものが古くから漢方薬として使われています。
うどの栄養成分や効能
うどは100gあたり18kcalと非常に低カロリーですが、他の野菜からは摂りにくい栄養素がたくさんあります。では、食べるとどんな効果があるのでしょうか?
うどの栄養成分
ビタミン、カリウム、葉酸、食物繊維などが挙げられますが、注目すべきはアスパラギン酸、クロロゲン酸、ジテルペンアルデヒド、リモネンなどです。これら特定の食材からしか摂ることのできない貴重な栄養素を1つずつ見ていきましょう。
アスパラギン酸
タンパク質を体内で合成するのに欠かせないアミノ酸の1種です。
アミノ酸が不足すると栄養不良や代謝障害につながるため、必要不可欠な成分です。
クロロゲン酸
うどのアクはこの成分によるものです。抗菌作用のほか抗酸化作用があり体の代謝をスムーズにします。
また、マウスを使った実験では、クロロゲン酸を注射したマウスの腸壁や子宮内膜が強化したこと、胆汁の分泌が活発になったことなどが明らかとなっています。
ジテルペンアルデヒド
疲労が慢性化すると次第に体内から失われる成分です。血行促進や疲労回復に効果があります。
リモネン
レモンの皮に多く含まれる芳香・精油成分で、リラックス効果や体を温めて血行を改善するのにも役立ちます。
うどの漢方薬としての効能
うどの成分を凝縮し効能を高めたのが漢方です。
鎮静、催眠、鎮痛、抗炎症作用
中枢神経に直接働きかけ、過敏になった神経を鎮める効果があります。これは鎮痛効果にも通じるところがあり、腰痛、足の付け根の痛み、肉離れなどで服用すると発熱が引き、腫れの治りが早いという報告があります。
利尿効果
むくみや肥満の原因となる老廃物を水分とともに押し流す効果があります。
同様の理由で、関節に尿酸塩の結晶がたまって起こるリウマチにも優れた効果を発揮します。
漢方薬は一般の治療薬に比べ効果がマイルドですが、服用する際には必ず医療機関などで医師の診断を受けるようにしましょう。
うどの旬の時期や主要な産地
うどは7-8月に花を咲かせ、9-10月に実のなる多年生の植物です。いつごろが一番美味しいのでしょうか。また、うどは日本の山菜と言われていますが、実は海外にも多く自生しており、古くから食べられているんですよ。
旬は冬から春
軟白うど
11月から2月に採れるものを寒うど、3月から5月に採れるものを春うどと呼び、この期間が出荷量の最も多い時期となります。両者を比べると、春うどのほうが柔らかく、香り高いということで特に人気があります。
山うど
天然のうどは3月から5月と、かなり限られた期間でしか食べることができません。
また、栽培されるうどの多くが軟白うどということもあり、全国的に出荷数が少ないのが特徴です。
うどの産地
国内で最も多く作られているのが栃木県、続いて群馬、茨城県となります。また山形や東京もうどの産地として有名です。現在は主に関東地方に集中していますが、大阪には600年続く伝統農法で栽培される三島うどなどがあり、かつては天然のうどがさまざまな地域で採れていたことが分かります。
海外では、中国黄河流域や台湾などでも食べられており、海抜1300-1600mの林や草むらに自生します。
うどの美味しい食べ方は
旬の時期にうどが手に入ったら、ぜひ以下の方法で食べてみてください。
下処理が簡単でレパートリー豊富なため、意外に使いやすいことが分かりますよ。
葉の食べ方
ほかの葉物野菜に比べ、柔らかくしっとりしたうどの葉は、てんぷらや和え物にしたり、卵と一緒炒めるとその食感を最大限に味わえます。ほかにも味噌汁やお吸い物に入れると、山菜独特の香りが広がり季節を感じることができますよ。
茎の食べ方
一番ポピュラーなのは、ゆでたうどを甘めの酢味噌(ぬた)で合えた「うどのぬた」。シャリシャリした食感と甘酸っぱい味が食欲をそそります。
うどは茎が少し硬いためゆでて和え物に使うか、芋やレンコンなど固い食材合わせて煮物にするとその食感が気にならなくなります。調理する前に日光を浴びると茎は硬くなる性質があるため、保存の際はなるべく新聞紙に包むなどして遮光しましょう。
茎表面の皮はピーラーで剝いてにんじんやタケノコと炒めればゴボウさながらの食感が楽しめるきんぴらになりますよ。
うどは季節を感じるのにもってこいの山菜です。
旬の時期にはスーパーをチェックして、味わってみてはいかがでしょうか。