2017年4月7日更新

薄口醤油と濃口醤油の違い。塩分濃度や使い方

薄口醤油と濃口醤油ってあるけれど、比べると色の違いはわかりますよね。でも味や風味にどんな違いがあるのでしょうか?種類が違うということは塩分濃度にも違いがあるのでしょうか?
そんな疑問にお答えして、ここでは薄口醤油と濃口醤油についてご紹介します。使い方を知ってさらにお料理の腕前をあげてみてください。

  1. 目次
  2. 薄口醤油とは
  3. 濃口醤油とは
  4. それぞれ代用はできるか?
  5. 薄口醤油と濃口醤油の違い

薄口醤油とは

薄口醤油は別名淡口醤油ともいいます。普通の醤油と比べて色が薄いですが、塩分が少ないわけではありません。醤油の中でも塩分濃度が高いお醤油です。国内生産量の約1割強を占めている薄口醤油は、黄色みを含んだ淡い褐色で、穏やかな風味とふわっと独特の香りがする醤油です。醤油の原材料である大豆、小麦、塩にプラス米を加え、醸造の仕上げに甘酒や水飴を入れて甘味とまろやかさをだし、発酵期間が普通の醤油に比べて短いためコクや旨みを控えめに作られているところが特徴です。食材の味や色を活かして風味付けしてくれる醤油です。

塩分濃度はどのくらい?

発酵と熟成をゆっくりとさせるため塩を普通の醤油より約1割多く使っています。そのため普通の醤油よりしょっぱさがあります。実際の塩分濃度は18~19%。大さじ1杯に含まれている塩分量は約2.9gです。普通の醤油よりも塩分を多く加えることで発酵・熟成期間を短くしているので、色が普通の醤油と比べて薄くなっています。

薄口醤油の使い方

料理の食材の持ち味や色を活かして仕上げるお料理に向いています。たとえば旬の野菜の煮物やお吸い物、うどんのつゆ、だし巻き卵、茶わん蒸しなどです。

濃口醤油とは

一般的に醤油というとこの濃口醤油のことをさします。醤油の国内生産量のうち約8割を占めています。原材料の大豆と小麦と塩を麹菌によって発酵させて、ゆっくり長期間かけて熟成させて作るため色が濃く、濃厚な味とコクがあり香りも強いのが特徴です。熟成期間は何と2~3年です。長い熟成期間を経てつくられた濃口醤油は醤油の特徴である塩味のほか深い旨みとまろやかな甘み、少し酸味もあり、これらの味をひきしめる渋味もある調味料です。

塩分濃度はどれくらい?

濃口醤油の塩分濃度は約16%です。薄口醤油と比べると色は濃いですが、塩分濃度は低くなっています。大さじ1杯に含まれている塩分量は約2.6gです。

濃口醤油の使い方

濃口醤油は卓上でそのまま食材につけたり、かけたりすることのある調味料です。そのほか煮物や出汁、たれの調味料としても使います。コクや風味が強いので、魚など臭みやクセのある食材の味を包み込んでくれる特徴もあり煮魚などにも向いています。たとえばブリ大根、サバの煮つけ、豚の角煮、つくだ煮、すき焼きなどです。お刺身や冷奴にはそのままつけたりかけて使います。

それぞれ代用はできるか?

調理に利用する場合、薄口醤油の代用に濃口醤油が使えるものもあります。しかし塩分濃度や色の濃さが違うので料理の出来上がりを考えて使用量を変えて、味をみながら使わなければなりません。たとえばレシピに薄口醤油小さじ1杯とあるなら、濃口醤油を代用する場合は、同じ分量もしくは塩味を出そうと大目に濃口醤油を使うと色が濃くなりすぎてしまうので注意してください。この場合は濃口醤油を小さじ1/2杯にして塩を足し、味を調整すると薄口醤油の代用につかえます。

代用できない場合って?

濃口醤油は卓上で食品にかけたり、つけたりして食材においしさを加えることのできる調味料ですが、薄口醤油でお刺身を食べてもおいしくありません。薄口醤油は食材にかけたりつけたりする代用には不向きです。また塩味は濃口醤油よりありますが、すき焼きのようにコクや色を出したい調味料としては、濃口醤油の代用には不向きです。

調味料として調理中に使用する場合では、濃口醤油は薄口醤油の代用は可能ですが、薄口醤油は調理中にしても濃口醤油の代用は不向きなことが多いです。しかし不向きなだけで絶対使えないというわけではありません。仕方なく使う場合は、塩味に気をつけて味を見ながら使ってください。

薄口醤油は卓上調味料としては使えないの?

濃口醤油はお刺身や冷奴などに直接つけたりかけて使える調味料ですが、では薄口醤油は調理中だけにしか使用できないのかというと、そんなことはありません。お寿司を薄口醤油で食べる人はあまり見かけませんが、決していけないわけではありませんよ。たとえば白身魚のカルパッチョやキノコのマリネなどは、直接食材に薄口醤油をかけるメニューもあります。鰹のたたきもどちらの醤油をかけてもおいしいと言われます。好みの問題なので、断固として薄口醤油は卓上調味料には向かないというわけではありません。

薄口醤油と濃口醤油の違い

薄口醤油と濃口醤油の違いは色だけではなく、塩分濃度やコクや風味、味わいにも違いがありました。色からすると濃口醤油の方が塩分が高いように見えてしまいますが、実際は薄口醤油の方が塩分濃度が高いです。塩を多めにして熟成期間が短い薄口醤油は食材の色や香りを楽しむ調理に向いていて、熟成期間が長くコクや風味のある濃口醤油は卓上でそのまま使用したり、素材の臭いを包んで味付る調味料として向いている万能調味料です。薄口醤油と濃口醤油。代用はむずかしいようですが、それぞれの特徴をつかんで食材をよりおいしく味付けしてみてください。