2018年10月7日更新

アオブダイ料理は食中毒が心配…イラブチャーとの違いや味についても

刺身料理にして思いっきりうまみを味わいたいアオブダイですが、食中毒が気がかりです。魚は毒などを持っているものも多いですから良くご存じない方にとってはまだ未知な魚の一つとして認識しているでしょう。今回はそんなアオブダイの味や食中毒、イラブチャーとの違いについても解説します。

  1. 目次
  2. アオブダイとは
  3. アオブダイの食中毒
  4. アオブダイとイラブチャーの違い
  5. アオブダイの味や使われる料理
  6. アオブダイを食べるときはプロにお任せしよう

アオブダイとは

色鮮やかな青みを放つアオブダイ。水族館などでもそのきらびやかさで私たちの目を楽しませてくれる魚です。そんなアオブダイはスズキ目ベラ亜目ブダイ科に分類される魚で大型のものでは成長すると最大で90cmもの大きさになる大型の魚です。

アオブダイの特徴は頭部にコブのようなものがついており、一目でアオブダイであることが分かるほどの存在感を漂わせています。

アオブダイの生息地

アオブダイが生息している地域は主に沖縄県の近海です。しかし、東京湾周辺からフィリピン沖の位置まで広く生息しています。このように広く生息しているため、釣り人などからも目撃されることの多い魚ですが、藻や貝類、甲殻類などジャンルを問わないものを捕食する

雑食性

を持つ魚でもあります。また、アオブダイは浅い岩礁や珊瑚礁などを好む性質があります。

アオブダイの食中毒

アオブダイは目で非常に楽しませる力を持っている魚の一つですが、何よりも気になることと言えば食中毒についてです。アオブダイを食べて食中毒を起こしたというニュースを見た方も多いのではないでしょうか。ではアオブダイには食中毒を引き起こす毒があるのかを見ていきましょう。

アオブダイを食べて食中毒になる原因は?

ニュースで見た方はご存じの通り、アオブダイには毒が含まれていると感じている方も多いことでしょう。

そもそもアオブダイ自体に毒があるために食中毒を引き起こしていると感じている方もいるかもしれませんが、もともとアオブダイそのものには毒を持つ性質はありません。

原因とされるのは、アオブダイがエサとしているスナギンチャクに問題があり、私たち人間の体に食中毒を起こす毒である「パリトキシン」という毒がこのスナギンチャクの中に含まれてるために捕食したアオブダイの体内に蓄積されるのです。

そのため、スナギンチャクをたくさん食べたアオブダイの内臓(主に肝臓)にはパリトキシンの毒が蓄積されている状態で、そんな毒を抱えたアオブダイを食べることによって私たちに悪影響を及ぼします。アオブダイは生まれながらに毒を持つ魚ではないので食物連鎖によって食中毒が引き起こされるのです。

ちなみにアオブダイの毒はあの毒性が強いと有名なフグよりもさらに強力な毒を持っています。しかもこのパリトキシンという毒は水溶性であるため、加熱しても除去できない厄介な点があり、解毒法がある訳ではないため尚更恐怖心を抱かせる要因となるでしょう。

【参考リンク】
厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル:魚類:パリトキシン様毒

アオブダイとイラブチャーの違い

沖縄でアオブダイとして利用されるイラブチャーの違いが分からないといった方も多いでしょう。

イラブチャーをアオブダイだと認識している方もいますが、イラブチャーとアオブダイは同じブダイ科ではありますがイラブチャーはナンヨウブダイです。

姿形が酷似しているために混合してしまう場合がありますが、アオブダイは尾びれの部分が他のブダイと比較すると短めなので、尾びれが長いブダイであればアオブダイではありません。

アオブダイは雑食性なので毒を食べアオブダイ自身も毒を持つのに対し、ナンヨウブダイは岩についた藻を食べるだけなので毒を持たないというわけです。

アオブダイの味や使われる料理

内臓に毒を持つことの多いアオブダイはどのような料理にして良いか分かりませんよね。料理中に毒が潜む内臓を傷つけないように手をかけていきたいですから器用さが試されそうです。アオブダイの味についても気になるところなので早速見ていきましょう。

アオブダイの味

カラフルすぎる魚であるため、鑑賞用としての使い方はするけど食べるのはちょっと…という方もいるでしょう。しかし、仮にも魚であるアオブダイの味は実は美味しいと言われています。

食通の間ではアオブダイの美味しさを求めているという何ともツワモノな方たちが様々な料理にして食べているのだとか。しかし、皮を取らずに食べると少々クセを感じるようです。

アオブダイの料理

見るからに食欲を削られるアオブダイの料理は実はレパートリー豊富に揃っています。アオブダイ自体が比較的安価で流通しているため、活用される時は大いにされる魚でもあるのです。

刺身の他にもマリネや酢味噌和え、あんかけ、チリソースなどをかけたり揚げたりといった調理法で手をかけるとクセを抑えながら食べることができます。

また、内臓を傷つけないように調理したいアオブダイは全てに毒が含まれているということではありません。食中毒の原因となるパリトキシンを蓄積していないアオブダイは毒がない場合もありますし、基本的に毒とされるものは内臓などの内部に含まれ、皮や身といった箇所には含まれていないことの方が多いため、原因の元となる内臓を捨てれば食用にすることも可能と言えば可能です。

しかし、稀に身の部分にまで毒が含まれていることもあるのでアオブダイは食べないに越したことはないかもしれません。

アオブダイを食べるときはプロにお任せしよう

魚を対象に味の食べ比べなどをしている方は今後アオブダイを目の前にすることがあるかもしれません。しかし、素人では毒の取り扱いが難しいため、味わってみたいという方は安心のプロにお任せした方が美味しく食べられると言えるでしょう。カラフルで色鮮やかな見た目とは裏腹に強力な毒を持つアオブダイの取り扱いには気を付けていきたいですね。