2017年1月25日更新
中華料理に欠かせない花椒とは?その効能や使い方について
中華料理に欠かせない香辛料のひとつに花椒があります。そのピリっと爽やかな花椒の風味は、日本でも麻婆豆腐などでお馴染みですが、その特徴や用途などについては意外と知らないもの。そこで今回は、この花椒について、その効能や使い方などを詳しくご紹介します。
花椒って何?読み方は?
花椒とは
花椒は中国のミカン科サンショウ属の落葉低木である華北山椒(カホクザンショウ)の果皮を乾燥させたものです。爽やかな風味と痺れるような辛味が特徴で、中国では主に香辛料として食用に、また漢方薬としても使われています。
日本の山椒とは違うの?
日本の山椒(サンショウ)は、花椒と同じミカン科サンショウ属ですが種類は別の植物です。この日本の山椒の花の部分を「花山椒(ハナザンショウ)」と呼ぶことから、花椒と混同されることが多いようです。また、日本の山椒の果皮の部分「粉山椒」は、花椒と風味が似ています。
- 中国の華北山椒・・・果皮(花椒)
- 日本の山椒・・・果皮(粉山椒)・花(花山椒)・果実(実山椒)・葉(木の芽)
▽山椒の参考記事はこちら
・山椒の実の効能と、効果的な使い方とは?
・七味唐辛子の栄養成分とその効果・効能
・山椒を酢漬けにしたものがケッパー(ケイパー)の代用に
花椒の読み方や他の名称
花椒の読み方は日本では「カショウ」、中国では「ホアジャオ」です。日本の山椒と明確に区別をするために「四川山椒」または、「中国山椒」と呼ばれることもあります。また漢方では、「椒紅(ショウコウ)」「蜀椒(シャクショウ)」とも呼ばれます。
花椒の効能について
中国では、花椒は古くより漢方の生薬として、その殺菌、鎮痛、麻酔効果が利用されてきました。香辛料には果皮の部分だけが使われますが、漢方では中の実の部分も使用されます。
胃腸の調子を整える
花椒には消化を助ける健胃作用と、殺菌作用があり、消化不良、吐き気、腹痛、下痢、駆虫などに効果があるとされています。
消炎鎮痛や麻酔効果も?
花椒を口にしたときの痺れるような感覚は「麻味(マーウェイ)」と言われますが、薬用効果としても鎮痛や麻酔に利用されています。昔は大量の花椒を局所麻酔として使われ、現在でも歯が痛いときに花椒を一粒乗せて噛むと痛みが和らぐと言われます。
ホルモンのバランスをはかる
花椒にはホルモンのバランスをはかる作用があり、子宮出血や下り物の治療に使われています。また、断乳や卒乳の時期には花椒を煎じて飲むことで、乳の分泌が抑制され、乳房の張りがなくなると言われます。
花椒を使った料理
爽やかな風味と痺れるような辛味が特徴の花椒ですが、この痺れる味の事を「麻味(マーウェイ)」と言い、中華料理には欠かせない味のひとつです。乾燥させた果皮はミルで挽いて、またはパウダー状にした花椒粉として利用されます。花椒は特に四川料理によく使われることから、英名はSichuan Pepper(四川のペッパー)とも呼ばれます。
麻婆豆腐の美味しさは花椒の味!
花椒の痺れる味「麻味(マーウェイ)」と、唐辛子の辛さ「辣味(ラーウェイ)」を合わせて、麻辣味(マーラーウェイ)と言い、これは麻婆豆腐や担々麺などの四川料理の基本の味です。日本でもお馴染みの麻婆豆腐も、その味の主役はこの花椒の「麻味」にあったのですね。
花椒は五香粉の主要スパイス
中華料理で使われるミックス調味料といえば五香粉(ごこうふん・ウーシャンフェン)。その中に必ずといっていいほど含まれるのが、この花椒です。五香粉は地域によって配合されるスパイスが異なりますが、基本的には「四香一辛」(4つの香りスパイスと1つの辛みスパイス)からなり、花椒は辛みスパイスとして中国のほとんどの地域で使用されています。
五香粉の基本スパイス
香り:シナモン・クローブ・チンピ+スターアニス または フェンネル
辛み:花椒(または一部の地域ではブラックペッパー)
▽五香粉の参考記事はこちら
・五香粉(ウーシャンフェン)を上手に使って料理にワンアクセント!
中華唐揚げには花椒塩
中華料理で唐揚げを食べる時につけていただく、独特の風味の塩がありますよね。実はこれ「花椒塩」といって、粉末にした花椒と塩を合わせたものなのです。ピリ辛ながらも微かに柑橘系の爽やかさが香る「花椒塩」は揚げ物の油っぽさを軽減し、食べやすくしてくれますし、消化促進作用で胃もたれも防げます。
花椒を使ったソースや調味料
他にも花椒の風味を活かした色々なソースや調味料があり、輸入食材店や中華街、ネットなどで購入することができます。
花椒油
花椒を植物油に漬けこんで風味をつけたものです。ラー油が「辣味(ラーウェイ)」のラー油と同じように、料理にかけたり、ソースに混ぜたりして味わいます。
花椒辣醤(ホアジャオラージャン)・麻辣醤(マーラージャン)
花椒の入ったチリペーストで豆板醤(トウバンジャン)のように様々な料理に使用します。
怪味ソース
最近日本でも話題になっている怪味ソースは、元は中国四川で使われる豆板醤や胡麻ペースト、花椒などを使用したソースです。特に花椒の風味がこのソースのポイントとなっています。
花椒って料理以外にも用途はあるの?
花椒のフレグランス?
花椒はシチュアンペッパーの名でフレグランスの成分としても有名です。そのエキゾチックな香りは、男性用、女性用を問わず、広く海外のブランド香水に配合されています。
殺菌効果で虫よけ
花椒には殺菌や虫よけ効果があるとして、中国では家庭内で特に食品の保管に利用されています。お米や雑穀に虫が入った時は、花椒の粒をひとつまみ入れると虫が逃げていくと言われ、またハエやアリなどの虫が寄ってこないよう、食物のそばに花椒の粒を置いておくそうです。
山椒は花椒の代用になる?
山椒と花椒は同じミカン科サンショウ属の植物ですので、風味や有効成分など共通点は多く、代用も可能と思われるかもしれません。しかし、それも目的によって若干状況が異なりますので、ケースバイケースです。
中国漢方と日本薬局方との違い
日本薬局方では山椒のみが生薬として認められており、花椒は除外されていますが、中国漢方では同じミカン科サンショウ属の原植物をすべて「花椒」としています。つまり中国漢方においては、山椒や花椒といった種類による区別はされていないようです。
中華料理に使うなら・・・
山椒のうち果皮を乾燥させた粉山椒は、香り・辛みともに花椒と似ていますが、全体的にマイルドで、若干青っぽい風味が際立ちます。中華料理に山椒を代用として使うのであれば、チリペッパーやブラックペッパーなどで辛みを補強するとよいかもしれません。
花椒を使って本格的な中華を楽しみましょう
麻婆豆腐をはじめとする四川料理に欠かせない花椒は、漢方としても高い効能があり、また抽出された精油は西洋でフレグランスの成分として活用されるなど、思っていたよりも幅広く世界中に浸透しています。パウダー状になった花椒粉は、日本でも手軽にスーパーなどで手に入りますので、機会があったら花椒の爽やかな麻味を楽しんでみては?