2021年6月16日更新
そばつゆとそうめんのつゆの違いは濃さだけ?
和麺の中で欠かせないそばやそうめんですが、家庭で食べる際は大体同じつゆで食べるという方も多いのではないでしょうか。そばつゆやそうめんのつゆは味が似ているため、違いは濃さだけ?と考えている方もいるでしょう。そこで今回は、麺類の引き立て役であるそばつゆとそうめんのつゆの違いを解説していきます。
何が違う?そばつゆとそうめんのつゆの違い
そばやそうめんは手軽に食べられますが、そばつゆとそうめんのつゆの違いが分からないと考える方も多いのではないでしょうか。同じ和麺ということもあり、そばをそうめんのつゆで食べたり、そうめんをそばつゆで食べる場面もあるでしょう。二つの違いはそもそも使われている材料から異なります。
そばつゆの味と風味原料
そばつゆはお馴染み、つゆと呼ばれる中でも上位にランクインするほど濃いつゆです。そばのおいしさはその風味にありますが、そんな香ばしい香りに引けを取らないくらいそばつゆは強い味をしています。
そばの独特な味や風味は、味わいが薄いつゆでは楽しめません。そのため、そばつゆは醤油の味が強く、かつお節などの出汁が多めに配合されています。
風味原料として、そばつゆにはかつお節や鯖節、煮干しなどが使われています。
そうめんのつゆの味と風味原料
そうめんのつゆは、そばつゆと比較するとそのまま飲める程度の薄さです。そうめんはそばと違い麺が細いため、つゆの味わいをダイレクトに感じます。
そうめんのつゆはそばつゆと比較すると出汁の味や風味を感じ、淡白なそうめんを引き立てる仕上がりになっています。
麺が細いそうめんはつゆが良く絡まるため、口の中に入るつゆの量も多めになります。薄めで優しい甘さの味わいなのは、つゆが薄くなってもおいしく食べられるように、風味原料として昆布を使っているためです。
そばつゆとそうめんのつゆの違いは濃さだけなのか
そばつゆとそうめんのつゆの味は濃さに圧倒的な違いがあります。そうめんのつゆよりそばつゆの方がしょっぱく感じる方が多いですが、それはそれぞれの麺に適したつゆに仕上がっているためです。そばつゆとそうめんのつゆの特徴を知り、違いを知っていきましょう。
そばつゆの特徴
そばつゆに使われている材料は、醤油、みりん、かつお節(またはさば節)、水です。そばは麺からソバの実の香りがするため、味が弱いつゆでは物足りないと感じます。そのため、そばつゆはそばが持つ風味と同じくらいになるように、旨みが強く出るかつお節や醤油の味が濃くなっています。
そうめんのつゆの特徴
そうめんのつゆに使われている材料は、かつお節(または昆布)、みりん、薄口醤油、干しエビです。細い麺でもよく絡み、旨みを感じやすい味わいをしているのがそうめんのつゆの特徴です。
そばつゆやそうめんのつゆの製品は、メーカーによって材料の配合量などが異なります。記載した原材料は一般的なそばつゆとそうめんのつゆの材料です。
そばは種類でつゆが違う
日本食の伝統とも言えるそばは、種類によって使うそばつゆが異なるとされています。江戸時代に誕生した歴史を物語るそばは、「更科そば」「藪そば」「砂場そば」と呼ばれる系統があります。それら種類のそばを「御三家」と呼び、それぞれ味や食感が異なるため、使うそばつゆもその味や食感に合うもので食べられます。
更科そば
更科そばは、そばの実の中心部となる一番粉を使っており、高級感溢れる上品な味わいをしています。滑らかな食感で白いのが特徴のため、甘口で濃厚と感じるそばつゆと一緒に食べられています。
藪そば
藪そばは、そばの実の外側の皮まで挽いて作られているため、元々の色や味が濃厚で濃い味わいをしています。使用されるそばつゆはそのパンチのきいた濃さに負けないよう、醤油の塩辛さを感じるそばつゆに仕上がっています。
砂場そば
砂場そばは、更科そば同様にそばの実の一番粉を使用しており、比較的白めの色合いをしているため、更科そばと藪そばの中間くらいの味わいに仕上げたそばつゆで食べます。
そばは家で食べる簡単なものから、名店で取り扱う高級なそばまで幅広くあります。そばと一口に言っても種類によってそばつゆを使い分けるのは、麺の特徴を生かした合理的な食べ方ということですね。
そばつゆとそうめんのつゆは麺に合ったつゆだった
そばつゆとそうめんのつゆの違いについてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。普段何気なく食べているつゆは、麺に合わせた味をしていることが分かりました。また、江戸時代から食べられているそばには歴史を感じる種類があり、それぞれの特徴に合ったそばつゆを楽しみます。家で食べる麺はめんつゆで済ませてしまいがちですが、たまにはそばやそうめんに合うつゆを使って本格的な風味や味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。