2016年11月10日更新

融雪剤として使用される塩化カルシウムの食品添加物としての用途

塩化カルシウム

菓子や海苔、靴などを乾燥させる乾燥剤やクローゼットの湿気を取る除湿剤として使用されている塩化カルシウムは、豆腐やチーズなどの凝固剤として食品に添加されています。

  1. 目次
  2. 塩化 カルシウムとは
  3. 塩化 カルシウムの毒性
  4. 食品添加物としての用途

塩化 カルシウムとは

塩化カルシウムとは、英語ではcalcium chlorideと表記され、化学式CaCl2で示される塩素とカルシウムが結合した化合物です。
吸湿性があり溶液が低温でも凍結しない特性があるため、主な用途として日本では冬の積雪や凍結に備え、道路の各所に配備されています。

塩化カルシウムは、融雪剤として道路に散布すると路面の氷を溶かしてくれます。また、クローゼットなどの湿気取りとして除湿剤や乾燥剤にも使われています。他にも、防じん対策としてグラウンドや砂利道に散布すると砂ぼこりが舞いにくくなります。私たちの普段の生活で身近に存在する化学製品です。食品には豆腐用凝固剤などの食品添加物として使用されています。

塩化カルシウムの毒性

塩化カルシウムは自然界にも存在する物質なので比較的安全ですが、濃度により取り扱いに注意が必要です。

食品への添加は食品の1%と決められています。

除湿剤に溜まった塩化カルシウム溶液を誤飲してしまったり、誤って食べてしまった際の主な症状として、嘔吐や下痢、腹痛などを引き起こします。塩化カルシウムは苦みが強いため、大量摂取はしにくいですが、万が一大量に誤飲した場合は、体液が正常よりも酸性に傾くアシドーシスを引き起こすことがあります。また、直接手に触れると、触れた部分が軽度の火傷を受ける場合があります。家庭でできる処置として、水や粘膜を保護してくれる牛乳を飲むとよいでしょう。皮膚や眼に入った場合は、十分な水で洗い流し、様子を見て医療機関で受診することをおすすめします。

食品添加物としての用途

塩化カルシウムの食品への添加はカルシウムを強化する目的として、豆腐凝固剤やチーズの凝固剤として使用されています。

またアルコール飲料や清涼飲料水などの硬度やPH調整剤としても使われています。市販されているチーズの大半は塩化カルシウムが使われており、日本のチーズは加熱殺菌することが多いため、生乳が加熱することでカルシウムが不足し、凝固しにくくなるため塩化カルシウムを添加します。

豆腐の凝固剤として、にがりを使用する場合がありますが、塩化カルシウムと併用して使用するケースが多いです。飲料の場合は、使用する水の硬度を調整するために使用されており、PHを下げ酵素の働きを活発にする調整をしています。