2018年6月24日更新

カメノテ(亀の手)は出汁がうまい!カメノテの美味しい食べ方

カメノテ(亀の手)

浜辺に行くとどこにでもいる不気味な生き物のカメノテ。攻撃してくるわけではないけれど、その姿が視界に入るとびっくりしてしまいますよね。グロテスクなあの姿を見ると、とても食べる気になれませんが、外見とは裏腹に、食べると大変美味しいそうです。そこで今回はカメノテついてリサーチしました。カメノテでとった出汁で作る味噌汁はとても美味しいのだとか。カメノテの美味しい食べ方などカメノテの情報をお届けします。

  1. 目次
  2. カメノテ(亀の手)の出汁の味噌汁は絶品!
  3. カメノテの旬はいつ?
  4. 出汁のほかにカメノテはこんな食べ方が美味しい!
  5. カメノテのおすすめ料理
  6. フジツボとの違いは何?
  7. 食中毒の危険性
  8. カメノテの相場価格(値段)
  9. 外見とは裏腹に美味しいカメノテは出汁がうまい!

カメノテ(亀の手)の出汁の味噌汁は絶品!

見た目は何とも奇妙でグロテスクなカメノテ。とても食べる気になれないけれど、見た目からは想像できない美味しさだと珍重され、近年非常に高価で取引されています。亀の手に似ていることから「カメノテ」と呼ばれています。エビやカニに近い甲殻類の仲間です。分類学上はミョウガガイ目ミョウガガイ科カメノテ属。学名はCapitulum mitellaです。

カニやエビなどのように移動するのではなく、シジミのように固着棲の生き物です。磯の岩肌に生息して、潮が満ち始めると、手のような柄の部分がカパッと開いて中から黒い触腕を動かしプランクトンなどを食べて生息しています。

国内の海辺ならどこにでもいる生き物ですが、これまでメジャーな食材にはあげられておらず、カメノテを食べるのは漁師や海に面した産地の人くらいでした。しかし近年、カメノテは見かけとは裏腹に非常に美味しいと注目されています。特にカメノテで取った出汁は美味しく、その出汁で作った味噌汁はカメノテのおすすめ料理に紹介されています。

カメノテの出汁の取り方

カメノテの出汁の取り方はいたって簡単で、よく洗ったカメノテを丸ごと鍋に入れて水を張ります。火にかけて沸騰してきたらアクをすくいながら5分ほど茹でるだけです。丸ごと煮ることで美味しい出汁が出ます。磯の風味の美味しい出汁が取れます。

味噌汁にする場合、葉物を具にするのなら出汁が沸騰してから、根菜類を具にするなら最初から加えて茹でます。火を止め味噌を溶かし、再び火にかけて沸騰直前まで加熱し、お椀にカメノテを共に注げばカメノテの味噌汁の完成です。刻みネギなどを添えると風味がよくなります。

カメノテの旬は春~夏

商業的に取り扱われていることが少ないカメノテの流通量は少ないですが、四国の瀬戸内海に面した地方では地元の食材として店頭で売られています。そのカメノテの旬の時期は春~夏、5月初旬~8月下旬までが美味しい時期だと言われます。産地で美味しいと言われているカメノテの旬の時期は、産卵に向けて栄養を蓄え、卵を持つ時期だと言われます。

出汁のほかにカメノテはこんな食べ方が美味しい!

見ればとても食べる気になれないグロテスクな形をしていますが、食べてみるとその姿からは想像がつかない美味しさだと言われるカメノテ。出汁のほかに塩茹でするだけでとても美味しいと言われます。皮は簡単に手で剥けます。身は大きいわけではありませんが、その味わいはカニとも言えず、エビとも言えないその中間のような味で、食感は貝に似た歯ごたえだと言われます。美食家の評価では「珍味はゲテモノ的な味というイメージだけど、カメノテは美味でありながら、その味はストレートに美味しい」という声を聞きます。

カメノテは、日本では近年ネット販売などで普通に流通されるようになりましたが、スペインでは昔からペルセベスと呼ばれ高級食材に扱われており、ワイン蒸しや塩茹でにして食べられているそうです。ただ塩茹でなどで食べる場合、上部の爪の殻の中の触手は食感が悪く美味しくもないそうで、食べるにはおすすめできないようです。

カメノテのおすすめ料理

グロテスクな見た目とは裏腹に美味しいカメノテのオーソドックスな塩茹での料理をレシピでご紹介します。見た目よりも食べる部分は少ないですが、貝のような食感が酒のつまみによく合います。塩茹でするときに日本酒、または白ワインを少し加えると臭みを押さえ、より美味しく味わえます。カメノテは先端が尖っているので、調理するときは気を付けて調理しましょう。

簡単 カメノテの塩茹で

砂などが付いているので茹でる前にはよく水洗いしましょう。粗熱を取って食べますが、皮を剥くとまだ熱い汁が飛び散りますので、やけどしないようにご注意ください。取れた出汁は澄まし汁や味噌汁に活用でき、カメノテを無駄なく味わうことができます。ちなみに澄まし汁の具にはセリや水菜、シイタケ、生姜の千切りなどがよく合います。


<材料>

  • 亀の手1パック(250g)
  • 塩小さじ1
  • 酒小さじ1
  • 水300ml位

作り方はこちら(クックパッド)

フジツボとの違いは何?

カメノテとは見た目の違うフジツボ。見た目は違いますが、カメノテと同じ甲殻類の仲間です。フジツボもカメノテと同じように固着棲で生息しています。フジツボの殻の見た目は、その名の通り、富士山のような形をしています。磯や舟底に群生して生息し、ホタテガイの殻の上にも生息することもあるので、フジツボはホタテガイの副産物などと言われることがあります。

生息域に違いがありますが、フジツボも海の中のプランクトンや有機物を餌にしています。両者ともにカニやエビに近い甲殻類の仲間ですが、カメノテとフジツボの違いは、見た目の形、捕食の仕方、繁殖の仕方に違いがあります。また現在カメノテの養殖は行われていませんが、フジツボは養殖されて、高価な価格で一般の市場で販売されています。そしてフジツボにはいくつか種類の違うフジツボがいます。一般に食用として流通されているフジツボは、ミネフジツボと呼ばれる種類で大きめフジツボです。

カメノテとフジツボのおすすめの調理方法はあまり変わりありません。フジツボも食べることができる部分は少しですが、それでもフジツボは刺身で味わうことがあるようです。カニやエビに近い味わいだと言われるカメノテと違い、フジツボの味はジャコやアサリのような味わいだと言われます。

食中毒の危険性

カメノテを食べて食中毒になったという事例は現在のところ上がっていません。ただ海中のプランクトンや有機物を餌にしているので、有毒なプランクトンを捕食してしまう可能性もあるため、魚介類に蓄積する有毒な貝毒による食中毒が心配されています。

貝毒の多くは、加熱しても無毒化することがない上、貝毒に侵されていても食材の味に変化がないので、気が付かないで食べてしまい下痢や嘔吐などの食中毒を起こしてしまう場合があります。

貝毒の心配のほか、食中毒ではありませんが、アレルギーの心配があります。貝にも見えるカメノテは甲殻類なので、カニやエビに対してアレルギーのある人は、食べるのを控える必要があります

カメノテの相場価格(値段)

近年、高級珍味として注目されているカメノテは、珍しいものではありませんが、専門に獲る漁師がいないので一般に流通されることはあまりありません。産地で販売されている場合も高価だと聞きます。一般に購入するには、産地直送の販売店やネット通販のamazonや楽天などから購入することができます。

通販で購入する場合の値段は?

通販で販売されているカメノテの価格を調べると、およそ500g(大きめのもの)で1,250円~3,150円くらい、1kg=4,000円~4,500円くらいが相場の価格です。ネット通販では産地直送で生のものを購入することができます。毎日入荷のあるものではないので、入荷したらその産地からその日に発送されるようです。現在主な産地は愛媛、香川、愛知、徳島などで、入荷されるとその産地から発送されるそうです。

外見とは裏腹に美味しいカメノテは出汁がうまい!

なんともグロテスクな姿をしたカメノテ!しかしカメノテでとった出汁はとても美味しいそうです。食べるところは少ないそうですが、塩茹ですると柄の部分の筋肉はカニともエビとも言えない、その中間の味わいでこれもまた珍味だそうです。通販で購入できるカメノテ!その味、ぜひ味わってみて下さい。

【参考文献】
・貝毒の種類と症状 貝類の発生メカニズムと対処方法 http://foodpoisoning.e840.net/h201200.html
・魚介類アレルゲンの免疫生物学とアレルギー疾患 https://www.jstage.jst.go.jp/article/arerugi/57/11/57_KJ00005132541/_pdf
・磯の付着生物に見られる生き残るための工夫 http://nh.kanagawa-museum.jp/files/data/pdf/tobira/11-2/tobira41_3sato.pdf