2017年1月18日更新

ローリエとは……その使い方や効果・効能

ローリエ

ローリエといえば、煮込み料理には欠かせないものですよね。ローリエを使わないという人も、カレーやロールキャベツなどのレシピには必ずと言っていいほどローリエが登場することはご存知なのではないでしょうか。
しかしながら、ローリエを入れることによって料理がどうなるのか、ローリエにはどんな成分が含まれていて、どういった効果や効能は見込めるのかまでは知らない人も多いと思います。そのあたりをまとめてみました。

  1. 目次
  2. ローリエとは
  3. ローリエの効果・効能とは
  4. ローリエの基本的な使い方・食べ方
  5. ローリエの保存方法は?
  6. ローリエの注意点

ローリエとは

ローリエの花

ローリエとは、クスノキ科・ゲッケイジュ属の常緑樹である月桂樹。料理でローリエといえば、この月桂樹の葉を乾燥させたものをさします。
月桂樹は地中海沿岸が原産で、香辛料としての歴史は古く、古代ギリシャの時代から利用されていたようです。

ローリエの味と香りはどんなもの?

ローリエは、香りが甘くて味が苦いのが特徴。そのため、香り付けや臭み消しなどに利用される場合がほとんどです。
料理で使われるローリエは乾燥した葉ですが、生の葉はもう少しすっきりとした香りをしています。

ローリエの栄養成分は?

ローリエには、たくさんの栄養や成分が含まれています。
具体的には、以下のとおりです。

ビタミンA、B群、C、カルシウム、鉄、マグネシウム、シネオール、リナロール、オイゲノールなど

ローリエとローレルの違いは?

ローリエとローレルは、フランス語と英語というだけで、示すものは同じ。月桂樹です。
ローリエはフランス語でlaurier、 ローレルは英語でlaurelです。

ローリエとベイリーフの違いは?

ベイリーフも月桂樹を指す英語なので、基本的にはローリエ=ローレル=ベイリーフと考えてかまいません。
ですが、ベイリーフには二種類あり、インド料理に使う場合のベイリーフは別名カシアリーフと呼ばれる葉のようです。
カシアリーフもローリエと同じクスノキ科の植物なので見分けは付きにくいのですが、葉脈が縦に走っているものがこちらのカシアリーフ、横に走っているものがローリエです。

ローリエの代用って何がある?

カシアリーフがそんなにそっくりならローリエの代用になりそうなものですが、実はそういうわけにはいきません。
カシアリーフをローリエの代わりに使うと、風味の点でなんとも言い難い仕上がりになってしまいます。ちなみに、カシアリーフを使うべきところでローリエを代用にするのは何の問題もありません。

では、ローリエがないときは何を代用にすればいいのかですが、実は、何も入れなくてもかまいません。
ローリエを入れる一番の目的は臭み消しですから、入れなくても味が大きく変わるわけではないのです。もし、どうしても臭みが気になる場合は、タイムやローズマリー、セロリの葉などが使えますが、ローリエと比べると風味が強すぎるため、量をひかえめにすることが大切です。

ローリエの効果・効能とは

胃腸の調子を整え、消化・食欲を増進する

ローリエには、弱った胃腸や肝臓、腎臓の働きを活発にする効能があります。
そのため、胃痛や胃もたれ、膨満感などの症状の緩和や、体内の毒素を排出するデトックス効果が見込めます。

血管を広げ、血行をよくする

ローリエには、血液をサラサラにし、血行を良くする働きがあります。
これにより、貧血や冷え性の改善が期待できます。また、頭皮の血の巡りがよくなることで抜け毛予防になったり、肌トラブルを防いだりもするでしょう。

痛みや炎症を抑える

ローリエの葉には、鎮痛の効能もあります。
そのため、リウマチや関節痛、神経痛などの症状の緩和が期待できるでしょう。

ローリエの基本的な使い方・食べ方

ローリエの葉は、乾燥させると香りが強くなるので、煮込み料理や肉料理の香り付けや臭み消しとしてもちいられます。
カレーやポトフ、ロールキャベツを作るときは、乾燥させたローリエの葉1~2枚を加えて煮込むといいでしょう。
その際、折り曲げたり、切れ目を入れたりして使用したほうが、より効果が得られやすいです。ただし、長く煮込み過ぎるとえぐみが出るので、途中で取り出すようにしましょう。

また、細かく刻んだり、パウダー状にしたローリエの葉は、ミートローフやレバーペーストに使うと風味が良くなります。

そのほか、野菜をマリネにするときは、ローリエの葉を一緒に巣の中に漬け込むと、香り漬けにすることができます。
料理以外では、入浴剤としてお風呂に入れれば疲労回復になりますし、米びつの中に入れておけば虫除けになります。

ブーケガルニの作り方

ブーケガルニとは、フランス料理でスープやブイヨンを作る際に臭み消しとして加えるスパイスの束のこと。店によって材料や分量はさまざまですが、基本的にはローリエ、セロリ、パセリを使います。

・ローリエの葉2枚、セロリ1/4本、パセリ1枚

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ガラムマサラの作り方

ガラムマサラとは、インド料理で使われるミックススパイスのこと。こちらも店によって材料や分量は様々ですが、ローリエを含む基本的なものをご紹介します。

シナモンスティック2本、ローリエの葉3枚、クミン40g、コリアンダーシード25g、グリーンカルダモンシード20g、ブラックペッパー20g、クローブ15g、メースパウダー15g

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ローリエの保存方法は?

ローリエは、紫外線を浴びることで徐々に変色してしまいます。ですから、光を通さないような容器に入れるか、日の当たらない場所に保管するようにしましょう。

ローリエを乾燥させて保存する

もし、生のローリエが余ってしまった場合、乾燥させてから保存するといいでしょう。
天日に干さなくても、ローリエは冷蔵庫に入れておくだけでも乾燥します。その際は、重ならないように並べて冷蔵庫に入れ、均一に水分が抜けていくようにしてください。
もちろん、レンジで水分を飛ばしても大丈夫です。

ハーブオイルの作り方

ローリエがたくさん余った場合は、ハーブオイルにして保存するのもいいでしょう。
500ccのオリーブオイルに、乾燥ローリエ3枚、フレッシュローズマリー3枚、ドライ唐辛子2本、ニンニクひとかけ、粒胡椒少しを入れて20日間ほどおけば出来上がり。途中、何度か振ってよく混ぜ合わせると、より風味のいいオイルが出来上がります。

<出来上がったハーブオイルの使い方>
サラダオイルの代わりに炒め物に使うのはもちろん、パスタやサラダにかけるドレッシングとしても重宝できます。

ローリエの注意点

ローリエは月経をうながす作用があるため、妊娠中は避けたほうがいいでしょう。
ですが、その点さえ気を付ければ、料理の風味を一層引き立ててくれる、こんなにいいスパイスはありません。
煮込み料理に使うのが通例とされていますが、においが気になる調理や、風味を増したいときなど、好みでアレンジしてみてはいかがでしょうか。