2017年6月2日更新

宗田節とは?だしの特徴や宗田節のだし醤油の作り方

宗田節ってご存知ですか?あまり耳にしませんよね。でもいい味のだしが取れる魚の節らしいんですよ。そこでさっそく宗田節について調べてみました。宗田節からはどんなだしが取れてどのように利用されているのか見てみましょう。美味しいお醤油も作れるようです!

  1. 目次
  2. 宗田節とは
  3. 宗田節の使い方について
  4. 香りや味の濃いだしがでる宗田節

宗田節とは

宗田節とはメジカ(ソウダガツオともいう)から作った魚の節です。四国・高知県の土佐清水市は宗田節の一大産地で、日本の宗田節の生産量の約70~80%を占めています。港で水揚げされたメジカは、鮮度がすぐに落ちてしまうので、漁港の付近で加工して節の製造を行っています。読み方は「そうだぶし」です。

宗田節の作り方

宗田節は原料のメジカを煮て、いぶり、天日干しして水分を飛ばして作ります。乾燥が進んだら荒節の出来上がり。そしてそれにカビを付けて熟成させると味の深みが増した枯れ節になります。

宗田節から取っただしの特徴

鰹に比べて血合いが多いメジカの節から取るだしはコクがあり香りも濃厚です。煮物などを濃い味付けにしたいときに向いているだしです。一般のスーパーでは見かけない宗田節は、業務用に使われることがほとんどで、日本料理店や老舗の蕎麦屋さんなどではよく使われています。お蕎麦屋さんに言わせると、もりそばのつゆには欠かせないだしだそうです。

宗田節から取っただしの成分は鰹節のだしよりアミノ酸が多く含まれているのが特徴です。とくにタウリンの含有量が多く、疲労回復に効果的だと言われています。そのほか肝臓の働きに効果的で、血圧の上昇を抑える効果、コレステロールを下げ動脈硬化や脳卒中の予防に効果が期待されています。

メジカ(ソウダガツオ)の呼び名

宗田節の原料となるメジカは一年中獲れる魚ですが、産卵を迎える春から季節を追って体の大きさや脂ののりに違いがあります。季節によってメジカの状態が違うので、それぞれ呼び方に違いがあり、作られる節の味も違っています。

春メジカ
漁猟期は4~5月で600~800gくらいの大きさのメジカです。産卵前のメジカで脂がのっているのが特徴です。凍らせたり皮をはいで脂を落として宗田節にします。

梅雨メジカ
漁猟期が6~7月で大きさは600~800gくらいの大きさです。春メジカと同じくらいの大きさですが、産卵期に入り脂が落ちてきているのが特徴です。凍結させてから宗田節にします。

笹メジカ
漁猟期は8~9月で大きさは100~200gくらいと小さいメジカです。まだ子供のメジカなので体も小さいのです。脂が少なくコクのある宗田節ができます。

秋メジカ
漁猟期は10~12月で大きさは300~400gくらいです。子供のメジカがだんだん成長を遂げて大きくなって脂がのってくる時期です。

寒メジカ
漁猟期は1~3月で大きさは400~550gくらいです。最高級の宗田節になる時期のメジカです。体は大きくなってきていますが、脂ののりは少なく風味のある一番いい宗田節になるメジカです。

宗田節の使い方について

宗田節の原料のメジカは鰹の仲間なので、鰹節の一つと言えますが、鰹節より旨みが強く香りが強いのが特徴です。その特徴から料理にコクを強くつけたい時に使われます。一般にはなかなか使われていない宗田節ですが、最近は宗田節の特徴を踏まえ、高級スーパーや自然食品を置いているお店、高知県のアンテナショップ、ネットなどで購入することができ、家庭でも上手に使われているようです。

だしとして使う

メジカは血合いが多いので生食できるのは初秋のほんの少しの期間だけで、あとは節にして血合からうまれる味と香りの濃いだしのもとになります。業務用として料亭やお蕎麦屋さんで使われることが多い宗田節は、そばやうどんのつゆとして、また濃い味につけたい煮物料理のだしに使われます。

宗田節のだし醤油をつくる

風味の強いだしが取れる宗田節の特徴を活かして、だし醤油を作ります。宗田節のだし醤油の作り方は瓶に好みの醤油を入れてその中に宗田節を入れておけば、だしの風味がお醤油についた宗田節のだし醤油の出来上がりです。瓶の中では約1年間だしがでますので、量が減ったら醤油を継ぎ足して使うことができます。

市販のものもありますが、宗田節が手に入れば簡単に自分でも作ることが可能です。使い方はシンプルに卵かけご飯に使ったり、そうめんのつゆのもとに使うなど、味わい方は色々です。

香りや味の濃いだしがでる宗田節

血合いの多いメジカから作る宗田節は、鰹だしより味や香りの濃いだしが取れます。原料のメジカは一年中獲れる魚ですが、季節によって体の大きさや脂ののりが違い、それによって読み方も違います。その中で漁猟期が1~3月の寒メジカは最高級の宗田節になるそうです。濃い香りと味のだしが取れる宗田節の特長を使い、お醤油につけておくだけでだしの味がお醤油にうつって宗田節のだし醤油が楽しめるのも宗田節の面白い使い方です。

あまり見かけない宗田節ですが、自然食品のお店や高級スーパー、そして高知のアンテナショップやネットなどで購入することできます。宗田節!手に入ったら、ぜひ美味しく楽しんでみてください。