2017年2月2日更新
白い砂糖は身体に悪い!? ~その理由と砂糖の危険性~
砂糖といえば、私たちの生活に欠かせない甘味料ですよね。
ティータイムに、料理にといろいろ活躍してくれるほか、お菓子やジュースなど、知らず知らずのうちにも摂取する機会が多いのではないでしょうか。
それほど、飲食物と深い関わりのある砂糖ですから、万一砂糖がなくなってしまったら、毎日の食生活がとても味気ないことになってしまうのは間違いありません。
しかし、その一方で砂糖は、しばしば”身体に悪い”と害が指摘されてしまうのもまた事実。
ただ、なぜ、どのように害なのか、身体に悪いのか、詳しくはわかっていない人も少なくないようです。そんな砂糖の害と危険性をまとめてみました。
そもそも砂糖とは?
砂糖とは、イネ科の多年草であるサトウキビ、もしくはアカザ科の二年生植物であるテンサイから作られる甘味料です。
砂糖の甘さは、これらの植物が光合成によって作り出したショ糖などによるもの。つまり、砂糖は、二酸化炭素と、水と、日光からできる天然甘味料だといえるでしょう。
砂糖にはたくさんの種類がありますが、白い砂糖は一般的に上白糖と呼ばれます。
上白糖の栄養成分は?
砂糖には炭水化物のほか、ナトリウム、カリウム、カルシウム、銅などのミネラル分が含まれています。
ただし、含有量は少なく、後述するカロリーを考えると栄養補給のための食品とはいえません。
上白糖のカロリーはどのくらい?
砂糖のカロリーは、100gあたり384kcalです。
このカロリーを消費するためには、だいたいウォーキング150分、ジョギングなら90分ほどの運動が必要です。
砂糖は身体に悪い?
砂糖は身体に悪い、砂糖は害だ、など、よく聞きますよね。
ただ、砂糖は身体に悪いとよく聞く割に、その理由まできちんと説明されることはほとんどありません。ただ単に”甘いから”、そこから派生した”虫歯になるから”など……どれもいまいち納得できないものばかり。
本当に害ならやめるけれど、その根拠がわからないからなんとなく摂取し続けているという人も多いのではないでしょうか。
砂糖が害だと言われる理由
実は、砂糖が身体に良くない、害だ、という話は、今に始まったものではありません。
ずっと昔から言われており、新聞や雑誌、テレビなどのメディアで取り上げられることもあれば、砂糖の害を記した本も何冊も出版されています。
これにより、”理由はよくわからないけれど、砂糖は身体に悪い”という認識がなんとなく広まっているのかもしれませんね。
もちろん、砂糖が身体に悪いと言う人の中には、実体験から話す人もいるでしょう。なにしろ、砂糖はカロリーが高く、過剰に摂取すればさまざまな問題を引き起こしてしまうことは十分あり得るからです。
ですが、なんとなく身体に悪いと認識していて、それをならって口にしているだけの人がいるのも事実ではないでしょうか。
砂糖の危険性とは
では、実際の砂糖の危険性とは、どんなものがあるのでしょうか。
まず、カロリー過多による肥満。それに脂肪肝が心配されますよね。これらは、だいたい予想できることではないでしょうか。
そのほかにも、血液がドロドロになって血栓の原因になったり、血液中のブドウ糖が糖化して脳梗塞や心筋梗塞になったりなどが指摘されています。
これって本当? 砂糖の害と危険性
カルシウムとビタミンが欠乏する?
砂糖が良くないと言われる原因や理由は、調べるとまだまだあります。
とくによく取り上げられるのが、カルシウム欠乏やビタミンの欠乏、イライラして怒りっぽくなる、虫歯になる、あたりでしょうか。
しかしこれらには疑問もあり、たとえば、カルシウムとビタミンの欠乏。
その原理は、摂取した砂糖がブドウ糖などに分解され、ピルビン酸が生成されることで酸性症となりカルシウムが、さらにピルビン酸の代謝によりビタミンが欠乏するというもの。
この理屈はたしかに正しいのですが、しかし、そもそも通常の代謝ができなくなるほど砂糖を摂取すればの話であり、日常の飲食ていどではあまり関係ありません。
イライラして怒りっぽくなる?
また、砂糖を摂るとイライラして怒りっぽくなるという人もいます。
その理由は大きくわけて二つあり、一つはカルシウムの欠乏により怒りっぽくなるというもの。そしてもう一つは、糖分の摂取は血糖値を上げるので、血糖値が上がったり下がったりすることで落ち着きがなくなり、イライラするというものです。
前者は、カルシウムの欠乏自体を疑問視する声があることをすでに述べました。
また、後者も、血糖値の上下が精神になんらかの影響を及ぼすということは明らかになっていないし、それに加えて、血糖値を上げる食品は砂糖だけではないとも指摘されています。
砂糖は虫歯の原因になる?
砂糖が虫歯の原因になる……一見、納得できそうな話ですが、実はこれも確かではありません。
なぜなら、ラットによる実験では、砂糖を胃に流し込んでも虫歯の発生は見られなかったため、砂糖もほかの食品と同様、歯に付着することで虫歯を引き起こすと考えられるからです。
しかし、免疫学の研究では、砂糖は摂取するだけで(歯に付着しなくても)虫歯になるとしていますし、どちらも決定的なものがありません。
したがって、現段階では、砂糖は虫歯の原因になるかもしれないし、ならないかもしれないとしかいえないようです。
砂糖は無理に避けなくても大丈夫!
砂糖は、カロリーの高い食品です。
そのため、ダイエットには天敵ですし、高血圧などの病気や症状の心配もあるでしょう。避けたり、控えたりできるのなら、それに越したことはありません。
ただし、絶対に避けなければならないというものではないですし、少なくとも、ちまたで言われるほど害のある食品ではないのです。自分自身で節制して、適量摂取するぶんには大丈夫ですし、なにより、甘いものや糖分は脳の栄養になります。
怖がりすぎず、摂り過ぎにならないように気をつければ何の問題もありませんよ。