2020年7月3日更新
バルサミコ酢とワインビネガーの違い。それぞれの使い方も
イタリア料理ではバルサミコ酢、フランス料理ではワインビネガーが定番となる調味料ですが、バルサミコ酢とワインビネガーの違いをご存じでしょうか。どちらもお酢であり、どちらも美食の国で活用される調味料です。今回は二つの違いと、使い方やおすすめのレシピをご紹介します。
バルサミコ酢とワインビネガーの違い
日本では外国の料理がたくさん浸透しており、個々の好みによってあらゆる料理が楽しまれていますが、そんな料理を支える調味料は非常に重要なものの一つです。特に味を大きく変えるバルサミコ酢やワインビネガーはおしゃれな料理に欠かせないものですが、この二つの違いを区別するのは中々難しいもの。どちらも酢であり、原料をぶどうとしている点は同じです。
バルサミコ酢とは
多くの方が使い方に困惑するバルサミコ酢はイタリアを本場とする調味料です。バルサミコ酢は原料となるぶどうを搾り、搾った果汁を半分の量になるまで煮詰められます。
伝統的な製法によって加工されたバルサミコ酢はその後、木の樽に入れられて気の遠くなる長い歳月をかけてじっくり熟成が行われていきます。
バルサミコ酢は長い期間寝かせることで自然発酵が進んでいき、高級なお酢へと姿を変えていきます。バルサミコ酢は熟成させた期間によって値段が異なり、中には50年~100年かけて作ったものも存在します。もちろんそこまで愛情をかけられたバルサミコ酢は超高値で取り引きされます。
また、バルサミコ酢はグレードによって大きく値段の振り幅があり、数万円~数十万円するものまでピンキリです。「芳醇がある」という言葉の意味を持つバルサミコ酢は名前の通り、料理の質を元から引き上げる調味料と言えます。
ワインビネガーとは
その名の通りワインのような見た目をしているワインビネガーはフランスを本場とする調味料です。
ワインビネガーはバルサミコ酢と同様に原料となるぶどうを搾り、果汁に酵母を加えてまずアルコール発酵させます。アルコール発酵したものに酢酸菌を入れて更に発酵させて製造が行われます。
ここで分かる通り、ワインビネガーはバルサミコ酢と違って人工的に発酵させているため、自然発酵するバルサミコ酢とは大きな違いがあります。
また、長期間熟成させて作られるバルサミコ酢に対して、ワインビネガーは3ヶ月程度の短い期間で作られる点も大きな違いです。どちらも原料がぶどう、そしてお酢というカテゴリーは同じですが、製造方法は真逆と言って良いほど異なります。
ちなみにワインビネガーには一般的なアルコールのワインのように、白と赤の種類があります。白いタイプは果実感をたっぷりと感じられるすっきりとした味わいを持ち、赤いタイプはコクがあるためカレーなどの隠し味に向いています。
バルサミコ酢とワインビネガーの基本的な使い方
バルサミコ酢とワインビネガーの正体が分かったところで、次は実践で使える基本的な使い方を見ていきましょう。一度使い方が分かれば今後色々な料理を作る際に「この料理に合うかも?」とチョイ足しに使うことができますよ。
バルサミコ酢の基本的な使い方
見た目でも分かるように、バルサミコ酢はとろんとした質感をしています。いかにもじっくりと煮詰められ、熟成されたかが分かるほどですが、バルサミコ酢の基本はこの質感を利用した料理に合わせると考えると使いやすいでしょう。
味も濃厚なのですが、香りも立ち込めるようなコクを感じさせる良い匂いを放ちます。合う料理や材料としては、バゲットなどのパン類や野菜などのサラダドレッシング、肉の臭みを消してくれる特性もあるため、ソテーなどの肉料理などに合わせてもGood。ちょっと変わった食べ方や使い方をしたい方は、スムージーに混ぜたりアイスクリームの上にかけて食べるのも美味しく頂けます。
バルサミコ酢を使ったおすすめレシピ
鮭のムニエル
鮭のムニエルは手軽に作れるものの、いつも大体同じ味になってしまうことが多いですよね。いつもの味に飽き飽きしている方はバルサミコ酢を使って甘くくすぐる酸味をチョイ足ししてみましょう。
<材料(4人分)>
- さけ (切り身) 4切れ
- バルサミコ酢 大さじ5
- しょうゆ 大さじ2
- 小麦粉
- オリーブ油
- 塩
- こしょう
豚バラ肉の煮込み
ご飯にもお酒のつまみにもなるこってりとした料理が食べたいという日には肉汁たっぷりの豚バラ肉を使った煮込み料理がおすすめです。味が染み込む煮込み料理は、調味料の味を最大限楽しむことができるため、バルサミコ酢でより上質な料理に仕上げましょう。
ワインビネガーの基本的な使い方
バルサミコ酢よりは手軽に使えそうなワインビネガーは、上記で触れた通り白と赤が基本になります。
ワインのようにさらさらとしたワインビネガーは、バルサミコ酢と同様にサラダなどの野菜をベースとした料理へドレッシングとして活用したり、煮込み料理に入れると香りが引き立ち、グッと美味しく仕上がります。
ただし、ワインビネガーを料理に使う際は、白と赤に注意が必要です。白色タイプのワインビネガーはすっきりとした味わいを持つため、魚料理や鶏肉を使った料理などに合わせるようにしましょう。
反対に赤色タイプのワインビネガーには肉汁が滴る赤いお肉がピッタリです。豚肉や牛肉などと合わせると、クセの良さを生かしたお酒のつまみに合う料理に仕上がります。
ワインビネガーを使ったおすすめレシピ
ナスのラタトゥイユ
野菜がたっぷりと摂れるラタトゥイユは、ナスを多めにして口の中でとろけるような料理に仕上げてみましょう。白ワインビネガーを使って優しい味つけをするとフルーティーなさっぱり感を味わえます。
たこのカルパッチョ
あともう一品だけ欲しい…というときに食卓が華やぐカルパッチョは、たこをベースにワインビネガーを入れて上品に仕上げるのがおすすめです。たこのコリコリとした食感とワインビネガーが良く合う一品になりますよ。
美食を支える調味料…バルサミコ酢とワインビネガーを活用してみよう
名前は見聞きしたことがあっても、それぞれの違いについてはいまいちよく分からない方が多いバルサミコ酢とワインビネガーは、いざ購入しても使い道が思い浮かばず、結局捨ててしまうことも多い調味料です。バルサミコ酢もワインビネガーも、たくさんの使い道を知っていればそれだけ美味しい料理を作ることができるため、購入してからキッチンの下などに置きっぱなしという方は、この機会に是非美味しい料理を作ってみてくださいね。