2017年12月5日更新

ナンプラーとは?ナンプラーの使い方をご紹介!代用できるものは?

慣れない人には強烈な匂いに感じるかもしれないナンプラー。タイ料理店で見かけたことありませんか?ここではそのナンプラーについてお話しします。一体どんな調味料なのか、そして代用できるものをご紹介していきます。

  1. 目次
  2. ナンプラーとは
  3. ナンプラーの使い方
  4. ナンプラーの代用には何が使えるか?
  5. 家庭でも美味しくタイの味を楽しもう!

ナンプラーとは

タイ料理の調味料です。タイでは日本の醤油感覚で使われている大変ポピュラーな調味料です。タイの魚醤と言われています。青魚のイワシを大量の塩で浸けこみ、イワシの肉や内臓に含まれるたんぱく質が分解され発酵してできたものを熟成させて作った調味料です。発酵・熟成の過程で豊富なアミノ酸が含まれ、独特の香りと味、強い旨みがあります。日本の醤油に比べると見た目は色が薄く透明感があります。魚が熟成した独特な香りが強いので、慣れない人はその香りに最初は驚いてしまうかもしれません。

製造過程で一級品、二級品、三級品と分類され、価格も高価なものからお手頃な価格のものまでと幅が広いです。一級品や二級品は主につけ汁として利用し、三級品は食材に加えて使う調味料として利用します。

塩分濃度は約22%と高く、日本の醤油の中でも塩分濃度が高いといわれる薄口醤油(塩分濃度は約17%~19%)と比べてもしょっぱさが強い調味料です。そのためタイでは塩味を加える時も、塩をつかわずナンプラーを使う場合が多いです。そのくらいタイでは出番の多い調味料です。現在はベトナムなどでもよく使われるようになりました。

ナンプラーの効能

ナンプラーにはイワシの発酵・熟成により豊富な栄養成分が含まれています。主な栄養成分はカリウム、鉄分、カルシウム、タンパク質、ビタミンA、B2、B6、D、Eなどで、とても栄養価の高い調味料です。

豊富にふくまれているビタミンの中でもビタミンDはカルシウムの吸収をよくして骨を強くするので骨粗鬆症などに効能が期待されています。そして原料のイワシに含まれている必須脂肪酸の一種・EPAは体の酸化を抑制する抗酸化力に働きかけ、アンチエイジングに効果があり、血管の老化を防ぐと同時に血液をきれいにしてくれる効能があると言われています。

ナンプラーの賞味期限について

まず保存方法ですが、開封前は直射日光を避け冷暗所(食品庫)などに保管しましょう。

賞味期限は、開封前は容器に記載されている賞味期限の間はメーカーで保障されています。賞味期限はほとんどのメーカーで製造日から2年としているようです。その期間が過ぎたからと言ってすぐに腐敗するわけではありませんが、期間が過ぎたものを開封してみて、風味などに異変がある場合は破棄してください。

開封後は保存状態にもよりますが、1~2か月は使用できます。その間でも口のまわりにカビがでたり風味に変化がでたら、ご使用はおやめください。

ナンプラーの使い方

ナンプラーは、日本の醤油的な存在なので、だし汁、炒めものや煮物の調味料や料理の隠し味として使います。塩分濃度が高いので日本の醤油のように卓上でそのままを食材にかけて使うことはありません

食材に加える調味料として使う以外、そのままを使う場合は、たとえば水を薄めて薬味とともにご飯にかけて「冷やし茶漬け」に利用したり、砂糖とレモン汁を加えて和え物に使います。

ナンプラーの使い道

ナンプラーの使い道を考える時は、原料が魚を発酵・熟成させたものであるということから魚の旨みと風味がついた日本の醤油的なものだと思って使い道を考えていくといいでしょう。ナンプラーを使うと普通の炒めものや煮物、だし汁の味が日本の醤油にはない独特の風味とコクでアジアン風になると思っていれば使い道もひろがります。だたし塩分濃度が高くしょっぱさが強いということに注意して分量を考えてご使用ください。

ナンプラーを使ったレシピ

クセの強いナンプラーはどんな料理に使ったら良いのか分からないといった方も多いのではないでしょうか。タイで良く使われている調味料ということもあり、中々活用する幅が広がりませんよね。次はナンプラーを使ったおいしいレシピをご紹介します。

海老とニラのナンプラー焼きそば

<材料1人分>

  • 焼きそば用の麺・・1玉
  • むき海老・・60~70g(背ワタをとっておく)
  • しょうがみじん切り・・小さじ1
  • 玉ねぎ・・50g(薄切り)
  • ニラ・・30g(5cm幅位に切る)
  • サラダ油・・大さじ1/2
  • ごま油・・大さじ1
  • A(鶏ガラスープの素適量をお湯でといたもの・・30cc、ナンプラー・・大さじ1/2、砂糖・・小さじ1/3、コショウ・・適量)

レシピはこちら(ハナウタゴハン)

【レシピのここをチェック】
ナンプラーはエスニック料理などの一般家庭では調理が難しい料理に活用されると思われがちですが、普通の炒め物などにも広く使用することができます。焼きそばなら普段作り慣れている方も多いため、いつもと違う風味や味を楽しみたい方はナンプラーを使った料理にしてみましょう。
焼きそばにナンプラー、そしてエビのプリプリとした食感が加われば本格的な焼きそばが作れますよ。しかし、材料にエビなどの塩気が多いものも含まれますのでナンプラーの量を調整したり、コショウの加減もお好みで加えていきましょう。

鶏肉とキノコのナンプラー&バター煮

<材料>

  • 鶏胸肉(手羽元や手羽先でも):大きめのものを1枚(10本くらい)
  • シメジ、冷凍椎茸、エリンギなど:両手いっぱい
  • パセリ:適量
  • 水:1/2カップ
  • 酒:1/4カップ
  • ナンプラー:大さじ1/2
  • 粒胡椒:10粒くらい(3粒は潰すorひく)
  • バター:10g
  • ローリエ:1枚
  • (炒め用)グレープシードオイル:少々
  • (鶏の下ごしらえ用)林檎酢:大さじ1
  • (鶏の下ごしらえ用)蜂蜜:小さじ1/2

レシピはこちら(うちめし日記)

【レシピのここをチェック】
鶏胸肉を主役とした煮込み料理は濃厚な味わいになりますが、蓋をする直前にナンプラーを加えることによってさらに深い味わいとなります。材料にあるグレープシードオイルは果実のブドウを原料としているオイルで抗酸化力に長けています。スーパーなどでも簡単に入手することができるのでオイルにもこだわってナンプラーの使い方をマスターしていくと良いですね。

ナンプラーの代用には何が使えるか?

独特の風味と香りのあるナンプラーですが、その味に慣れてしまうと美味しいといわれ、醤油に代えて利用する人もいます。しかし日本の食卓ではそんなに頻繁には出番のない調味料です。ナンプラーを切らしてしまった時やナンプラーを使わずエスニック風に味をつけたい場合、ナンプラーの代用にはこんな調味料を代わりに使うことができます。

日本の魚醤・しょっつる

タイの魚醤がナンプラーなら、日本の魚醤はしょっつると言われています。しょっつるは秋田県発祥の魚醤です。ナンプラーと違うところは、しょっつるは原料の魚がハタハタであること。そしてナンプラーのように魚を大量の塩につけて仕込んで作りますが、ナンプラーのように発酵・熟成させないので魚の臭さが抑えられています。

そのほか日本の魚醤には伊豆の「くさや」、石川県の「いしる」があります。日本の魚醤をお持ちならナンプラーの代わりにこれらが代用に使えます。

アンチョビー

イワシに似た魚の塩漬け。イタリア料理ではお馴染みですが、同じ魚の塩漬けということでナンプラーの代用に使えます。

薄口醤油

魚の香りはありませんが、色と塩分濃度が近いためナンプラーの代用として使いやすい調味料です。薄口醤油にレモン汁を加えて使うレシピがよく使われてます。

ベトナムのヌクマム

ベトナムの魚醤です。小魚と塩を壺などに入れて熟成させた調味料です。一般的には馴染みはありませんが、ベトナム料理に詳しい方はお持ちの調味料と思い、ナンプラーの代用としてご紹介しました。

家庭でも美味しくタイの味を楽しもう!

ナンプラーはタイのお醤油でした。イワシに大量な塩を加えて発酵・熟成した調味料なので、その独特な香りに最初は驚いてしまうかもしれませんが、普段お使いのお醤油をナンプラーに代えると、いつもの野菜炒めもエスニックなお料理と楽しめます。ただししょっぱさの強い調味料ですので味を見ながら加減してお使いくださいね。切らしてしまった時は代用できるものを上手に使ってみましょう。おうちで簡単にエスニック料理!ぜひお試しください。