2018年10月14日更新

バンウコンの効能とは?バンウコン、ガランガル、生姜、カーの違い

バンウコン

バンウコンってご存知ですか?ウコンと付くから何か薬効のある根ではないかと想像する方もいらっしゃるかもしれません。確かに薬効を持ち合わせている植物の根茎の部分です。日本では馴染みはありませんが、タイやマレーシアなどに行くとよく耳にするスパイスです。今回はバンウコンについて調べました。一体どんな植物で、どんな効能を持ち合わせているのか見ていきましょう。

  1. 目次
  2. バンウコンとは
  3. バンウコンの味
  4. バンウコンはガランガル(カー)の一種
  5. バンウコンの効能
  6. バンウコンは東南アジアではポピュラーなスパイス

バンウコンとは

ショウガ科の植物で、和名をバンウコン、インドネシア語ではkencur(クンチュール)、英名はsand ginger。学名はkaempferia galangaといいます。南インドが原産国の植物で、現在は東南アジアや中国南部でも栽培されています。高さは10cmほどしか伸びませんが、地を這うように横に長く伸びる植物で幅広に葉が出ます。根茎部分をスパイスとして使います。ちなみにタイやマレーシアでは葉っぱも野菜として食べるそうです。

バンウコンはタイ料理やバリの料理によく使われているスパイスです。カレー粉の原料にも使われることがあります。中国では三奈(サンナ―)という呼び名で四川料理などには欠かせないスパイスとして使われています。たとえば薬膳料理の火鍋などのスパイスにも利用されています。日本ではスパイスとして使うことに馴染みはなく、「山奈(さんな)」という生薬として知られています。

バンウコンの味

バンウコン自体を食べることはないので、味についてのたとえは少ないですが、バンウコンの根茎をかじると辛みがあると聞きます。スパイスとして料理の香り付けに利用するバンウコンの香りは、見た目が生姜のようにみえるので、生姜のような香りがするのではないかと想像しますがそうではなく、ちょっと鼻に付く漢方薬のような、防虫剤の樟脳のような独特の香りがするスパイスです。

バンウコンはガランガル(カー)の一種

バンウコンはほかの国ではガランガルと呼ばれることがあります。調べると、ガランガルとはバンウコンと同じショウガ科の植物で、バンウコン同様に根茎をスパイスとして利用します。

ガランガルは東南アジアではポピュラーに利用されているスパイスですが、ガランガルと呼ぶものには色々な種類があり、その中の一つにバンウコンがあるのです。同じものではありませんが、ガランガルというカテゴリーの中にバンウコンが含まれているのです。

ちなみにタイへ行くと「カー」と呼ばれるガランガルにそっくり植物の根茎を目にしますが、「カー」はガランガルのタイ語の呼び名で、ガランガルその物のことを指します。

ガランガルは生姜の仲間

ショウガ科であるガランガルは生姜の仲間です。ということはバンウコンもガランガルの一種なので生姜の仲間ということになりますが、先に話したようにバンウコンは生姜のような香りではありません。

バンウコンも含むガランガルには大きいガランガルと小さいガランガルがあります。大きいガランガルはタイでポピュラーに利用されておりタイ語で「カー」と呼ばれるものです。トムヤンクンなどのスパイスに利用されていますが、見た目は生姜のようでも香りは胡椒のような香りです。小さいガランガルはとても小さな植物ですが辛みが強いのが特徴です。

バンウコンの効能

バンウコンは胸やけや胃もたれ、消化不良など胃の働きの不調で起こる症状を改善する作用があると古くから言われています。また冷え性にも効果的なスパイスだとも言われます。しかしながらバンウコンの効能は日本では医薬品としては認められていません。バンウコンは日本で「山奈」という生薬名を持ち、薬効のある植物だとされていますが、厚生労働省による医薬品の指導取り締まりにおいては、バンウコンの効能や効果について医薬品とは認められていません。

生薬名が付いているということは、何千年もの間に多くの人が体に摂り入れて体の不調が治ると確認したものです。バンウコンもたとえば胸やけが治るなどという生理的にはっきりした影響があり、かつ安全性が確かめられている植物であることには違いありませんが、現在のところ、日本では薬としてその効能や効果は認められていません。

バンウコンは東南アジアではポピュラーなスパイス

バンウコンは日本では馴染みのないスパイスですが、タイやマレーシアなど東南アジアではポピュラーなスパイスとして利用されています。日本でも人気のタイ料理のトムヤンクンは、本場のタイではバンウコンがたくさん加えられているそうです。ショウガ科の植物で、スパイスに利用する根茎は生姜によく似ていますが、生姜の匂いはしません。中国では三奈という名のスパイスとして薬膳料理の火鍋の材料に利用されています。我が国、日本では「山奈」という生薬名で知られていますが、その効能は医薬品としては認められていません。タイなどへ旅行に出かけた際は、バンウコンの風味の利いた料理を口にすることがあるかもしれませんね。独特な風味ですが薬効のあるバンウコンが使われた料理を楽しんでください。