2018年9月8日更新
むかごとは?むかごの味
地方に出かけ、道の駅などで見かけるむかご。コロコロした可愛い形をしています。普通のスーパーなどではほとんど見かけないので、初めてむかごを見た人は「これって何?美味しいの?」と思ってしまうかもしれません。ポピュラーな食材ではありませんが、むかごは昔からよく食べられている食材なんです。今回はむかごとはどんな食材なのかをご紹介します。
むかごとは
むかごは漢字で零余子と書きます。むかごはヤマノイモ科ヤマノイモ属のヤマノイモの葉の付け根にできる球芽です。大きさは直径1~2cmくらいのコロンとした丸い形をしています。ヤマノイモとは根を食用とするツル性のヤマノイモ科の植物の総称です。たとえば長芋や大和芋、自然薯などはよく知られているヤマノイモの種類です。
これらのヤマノイモは普通、地中に伸びて地下にできる作物(芋)を食材として用いますが、これらのヤマノイモの地上部分を見ると、蔓が伸びそして枝分かれしてたくさん葉をつけて成長しています。その葉の付け根にコロコロとできる球芽がむかごなのです。むかごはむかごができるヤマノイモの種類によって味や形が少しずつ違います。
地下部にできる作物と同様に食材として用いられるむかごですが、むかごはヤマノイモの種としても働きます。たとえばむかごを土に埋めておくと、そこから、そのむかごができたヤマノイモの芽が出てきます。
むかごは芋の味そのもの
むかごの味は地下にできるヤマノイモの味に似ていると言いますが、どの種類のヤマノイモのむかごにしてもクセのない味です。サツマイモのように甘いわけではなく、どちらかというと自然薯のような味に似ていたり、塩ゆでは里芋のような味わいです。
そのまま塩ゆでして食べるのは、むかごの味を簡単に堪能できる美味しい食べ方ですが、色々な食材と組み合わせて使っても、どの食材とも相性がよく、和食、中華、オリーブオイルやニンニクを使ったイタリアンなどの料理に活用できる食材の一つでもあります。
むかごの収穫の時期は秋
ヤマノイモの地上部の蔓が成長し、葉の付け根に球芽のむかごが付き始めるのが9月に入ったころです。そして9月の下旬から11月上旬ごろに収穫の時期を迎えます。
むかごの栄養と効能
むかごの栄養は地下にできるヤマノイモの種類と同様の栄養素が含まれていると言われます。たとえば長芋なら長芋の栄養成分が含まれているのです。
どのヤマノイモ類にも鉄やカリウム、マグネシウムなどのミネラル類、タンパク質の消化吸収を助けるムチンやビタミンB郡やC、そして食物繊維がたくさん含まれています。ましてやむかごは皮ごとたべるので食物繊維は地下にできるヤマノイモより豊富です。
粘り成分の多糖類が新陳代謝をよくする
粘り成分の多糖類にガラクタンやマンナンなどの成分を含んでいるむかごは新陳代謝を良くし、増殖機能を促進する効能があります。そのため代謝が上がり、細胞の老化防止や美肌効果に期待されています。また日ごろから食事に摂り入れることで血糖値を安定させて、コレステロール値を下げる作用や高血圧を改善する効果にも期待されています。
消化酵素のアミラーゼが豊富
どの種類のヤマノイモのむかごも消化酵素のアミラーゼをたくさん含んでいます。そのためでんぷんを含む食材と一緒に食べると、消化を助ける作用が働き、腸内環境を整え、便秘の予防や快便に効果が期待できます。むかごのポピュラーな料理にむかごご飯が紹介されますが、米とむかごがバランスよく作用しておなかにいいメニューなので人気なのかもしれませんね。
精力がつくアレルギンが含まれている
ヤマノイモの種類の芋は昔から強精作用が強いと言われています。だからむかごも地下で作られるヤマノイモと同じように精力がつき、体の成長に活躍するアミノ酸の一種であるアルギニンがたくさん含まれています。
むかごの保存方法
むかごの一番良い保存方法は、おがくずや籾殻などを段ボールに詰め、むかごをその中に埋めて風通しの良い暗所で保存するのが一番です。しかしおがくずや籾殻などある家庭は少ないですよね。
おがくずなどがない家庭で保存するときは、むかごが乾燥しないように湿らせたキッチンペーパーなどにくるんで袋に入れて冷蔵庫に入れ保存します。むかごは常温のままカゴなどに入れて置いておくとドンドン乾燥してシワシワになってしまいます。また湿った状態でそのまま常温の中に置いておくとカビが生えてしまいます。表面を乾燥させないように工夫をして室温ではなく、冷蔵庫で保存してください。
むかごを味わってみよう
道の駅などで見かけるむかごは、なんとヤマノイモの地上部にできる球芽だったのです。地下部にできる芋に比べると小さいですが栄養満点。日々の食事に摂り入れることで高血圧などの成人病の予防に効果があるようです。保存するときは室温ではなく必ず冷蔵庫で皮が乾かないように湿ったキッチンペーパーなどにくるんで保存しましょう。収穫量が少ないので、普通のスーパーなどで見かける機会はあまりありませんが、昔から親しまれている食材です。入手できたときは上手に保存して、美味しく召し上がってください。