2022年1月30日更新

葛湯にとろみがでない!それは温度が関係している【美味しく飲める方法もご紹介】

葛湯

風邪のひき始めに良いと言われる葛湯は、体だけではなく心までポカポカにしてくれる優しい飲料ですが、どう手を加えてもとろみがでないことも多々あります。また、葛湯の味がまずいと感じて苦手意識を持っている方も多いため、美味しく飲めるアレンジと葛湯の代用になる片栗粉についても併せてご紹介します。

  1. 目次
  2. 体を温めることに特化した葛湯
  3. 葛粉の代用には片栗粉が最適?
  4. 葛湯の味はまずい?
  5. 葛湯の作り方は混ぜるだけ!でも葛湯にとろみがでないときは?
  6. 葛湯のアレンジでもっとおいしく!
  7. 葛湯にとろみがでないときは温度に注目

体を温めることに特化した葛湯

優しい飲み心地と体を温めることに特化した葛湯。とろみのついた飲み物で、葛粉を原料にしています。葛粉は食用の粉であり、クズの根を砕いてから取れるでんぷんを精製して作られたもので、和菓子の材料にも使われています。クズの根は細かく切って水に浸すと下にでんぷんが沈殿されていき、その後何度も水の入れ替えを行うことで、でんぷんの不純物を除去して乾燥させます。

何度もこの工程を繰り返すことにより、綺麗な純白のでんぷんが取れるのです。しかし、工程や手間が多いということはそれだけコストがかかっているということ。余計なものが一切含まれない本葛のものが非常に高価なのはそのためです。

また、クズは漢方薬である葛根湯の原料になっており、民間治療として活用されてきました。イソフラボンを含んでいるため、体を温める効果があることでも有名です。寒いときや風邪のひき始めに飲むのが良いとされるのはこのためですね。さらに、葛湯のでんぷんは消化や吸収が良いため、お腹の調子が悪いときでも安心して飲むことができます。

ちなみに、葛粉は葛きりや葛もち、葛饅頭、葛羊羹など、様々な和菓子や洋菓子作りに活用されています。

葛粉の代用には片栗粉が最適?

片栗粉も葛粉もどちらもとろみをつけることが可能な食用粉ですが、原料が全く異なります。葛粉は前述したように、クズの根を砕いて水を使い、でんぷん質を沈殿させて乾燥させますが、片栗粉は片栗の地下茎から作られる粉です。しかし、現在スーパーなどで販売されている片栗粉の多くは、じゃがいもから取ったでんぷんが原料となっています。

葛粉の入手が難しい場合は、片栗粉を使った葛湯の代用レシピもたくさんあります。葛粉がなくてお困りの際は、片栗粉で代用するのも良いでしょう。片栗粉を葛粉の代用として使う場合は、必要な葛粉と同量を用意し、片栗粉がダマにならないように水で溶かしてから使うのがおすすめです。

葛湯の味はまずい?

葛湯を作るために必要な葛粉は、基本的に何の味もしません。人によっては少々苦いと感じることもあるため、葛湯はまずい飲み物だと考えている方も多いことでしょう。

しかし、無味ということは自分の舌に合った味付けが可能と考えることもできます。一般的に葛湯に足す最適なものは、砂糖やはちみつ、生姜やゆずなどの飲みやすく、香りがつけられるものが人気です。

葛湯の作り方は混ぜるだけ!でも葛湯にとろみがでないときは?

一息つこうと葛湯を作ろうとした際に、中々とろみがでないときもありますよね。きちんとお湯を入れたのにも関わらず、葛湯にとろみがでないときはどうすれば良いのでしょうか。失敗をなくすためにできることをお伝えします。

葛湯の最適な仕上がりは「透明感」と「とろみ」

葛湯の仕上がりで最適なのは透明になることと、とろみがしっかりと強く出ることです。失敗すると白濁したままだったり、十分なとろみがでないことも多々あります。これらの失敗原因は、葛湯を作るために必要な熱量が足りなかった可能性があります。上手に葛湯を作るためには、温度を意識しましょう。

器は事前に温めておく

葛湯は冬に飲むと非常に温まりますが、寒い環境で葛湯作りをするとカップが冷えてしまう可能性があります。せっかく熱湯を入れてもカップが冷えているせいで熱湯の温度が下がり、十分な温度に届きません。熱湯を出来るだけそのままの温度で注ぐために、葛湯作りの直前までカップは温めておくようにしましょう。

葛粉はぬるま湯で溶かす

葛粉は熱湯を注ぐ前に溶かしておきましょう。カップの下に溶けきっていない粉が溜まっている状態では透明感ととろみがでません。少量の水で溶かすのが一般的ですが、心配な方はぬるま湯で溶かしても問題ありません。葛粉を溶かす際は残った粉がないように完全に溶かし切り、温度の低下が心配な方は少量のぬるま湯を使うようにしましょう。

沸騰したお湯を使う

葛湯にとろみがでない原因で多いのが、温度が下がったお湯を注いでいることです。葛湯にとろみを出すためには、熱湯を注ぐことが重要です。少しでもぬるいと固まらず、とろみが出るかでないかの中途半端な状態で止まってしまいます。

また、途中で熱湯を注ぎ足したり、熱湯の量が少なすぎても多すぎてもとろみがでないことがあります。製品の作り方に記載されている熱湯の量をよく確認してから正確に量りましょう。

それでもとろみがでないときは電子レンジを使う

上記の3つのポイントに気を付けても透明感やとろみがでない場合は、電子レンジで約10秒間加熱してみましょう。加熱が終わったら手早くよくかき混ぜると、とろみがしっかりと出ます。1回目で出ない場合はもう一度加熱しましょう。1~2回程度繰り返せば透明感ととろみが出るようになります。

葛湯のアレンジでもっとおいしく!

葛湯の味に慣れない方や、まずいという意識がどうしても先行してしまう方は、葛湯のアレンジ法を試してみるのも良いですよ。

甘酒葛湯・豆乳葛湯

葛湯にお好みの量を足す簡単なアレンジです。分量が多いほど元の甘酒や豆乳の味が強くなります。どちらも葛湯と半量で使うのがおすすめです。

抹茶・あずき・きな粉

前述した生姜やゆずなどと同じ方法でチョイ足しできる抹茶やあずき、きな粉もアレンジとしておすすめです。それぞれお好みの味になるまで加えてみましょう。

ココナッツオイル

葛湯にココナッツオイルを少量足しても美味しく飲めます。好き嫌いがあるため、初めは少量を試す感覚で入れてみましょう。ココナッツオイルと葛湯の組み合わせに慣れたら、レモン果汁を入れると風味が良くなりより美味しくなります。

葛湯にとろみがでないときは温度に注目

葛湯についてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。葛湯は作り方が比較的簡単なことから、失敗なしで作ることができると考えられがちです。透明でとろみがつくまでに必要な熱量を管理してあげれば失敗を防ぐことができますから、葛湯作りが上手くいかないという方は是非参考にしてみてくださいね。