2017年1月17日更新

独特の甘みと清涼感を持つスパイス・フェンネルシードの意外な効能

フェンネルシード

フェンネルシードというスパイスは、見た目がクミンシードやキャラウェイシードと似ていることから、なんとなく風味や用途が混乱してしましがちです。そこで今回は、この独特の風味を持つフェンネルシードについて、詳しく見ていきましょう。

  1. 目次
  2. フェンネルシードとは?
  3. ダイエット効果もある!フェンネルシードの効能
  4. フェンネルシードの食べ方や使い方
  5. フェンネルシードのハーブティ
  6. フェンネルシードの代用
  7. フェンネルシードを使ってみよう

フェンネルシードとは?

フェンネル

フェンネルという植物の種(実)

フェンネルシードはフェンネルという植物の種(実)のことを指します。フェンネルはセリ科ウイキョウ属の多年草で、和名をウイキョウ(茴香)といい、その葉茎をハーブとして、根を野菜として、そしこのフェンネルシードと呼ばれる種をスパイスとして、古くから世界中で利用されています。

ほのかな甘みと爽やかな風味・フェンネルの効能や効果について

フェンネルシードの歴史

フェンネルの原産は地中海沿岸で、古代エジプトや古代ローマの時代から使用されていました。日本への渡来は比較的早く、平安時代には中国より伝わり、江戸時代には栽培されていたと言われます。現在はインドや中国が主な産地となっています。

フェンネルシードの特徴

フェンネルシードには独特の甘く清涼感のある苦味があり、食用として風味付けや匂い消しに、また薬用として消化促進や利尿などに用いられています。同じセリ科の植物の種(実)に、クミンシード、アニスシード、キャラウェイなどがあり、見た目も似ていますが、それぞれの風味は異なります。

ダイエット効果もある!フェンネルシードの効能

胃の調子を整える

胃の調子が悪いときに服用する大田胃散や、お口の匂いが気になるときに利用する仁丹、どちらも日本では古くからお馴染みですが、これらにはフェンネルの成分が使われています。フェンネルの種は中国で「茴香(ういきょう)」と呼ばれ、漢方の「安中散(あんちゅうさん)」に調合されている生薬でもあり、胃の調子を整え、消化を促し、便秘やお腹に溜まったガスを解消してくれます。

むくみ解消に

フェンネルはカリウムを多く含み、体内の塩分を排泄する作用があります。これにより、むくみを解消し、筋肉の痙攣などを防ぎ、高血圧にも効果的です。

ダイエット効果

フェンネルに含まれるビタミンB6は、炭水化物やたんぱく質の分解を促し、代謝を高めてくれます。また必須栄養素ひとつであるコリンによって、脂質の代謝が促進され、肥満防止の効果も期待できます。他にもフェンネルには植物繊維、カリウム、葉酸塩、ビタミンC,ビタミンB6,フィトケミカルなどに富み、コレステロールを減らす働きもあります。

天然の女性ホルモン

フェンネルには女性ホルモンであるエストロゲンと同じ働きをする成分(フィトエストロゲン=植物性エストロゲン)があり、更年期障害や月経不順に効果があります。またエストロゲンの活性化により母乳の出が良くなるとも言われますが、フェンネルには授乳中の方が避けた方がよい成分もあるため、注意が必要です。

免疫力を高めて抗ガン効果も?

フェンネルにはセレニウムという、あまり野菜や果物からは摂れないミネラルを含んでいます。このセレニウムは私達の免疫系細胞を活性化し、免疫力を高め、抗ガン効果のあるT細胞も活性化すると言われています。

目の不調に
昔はフェンネルを目の洗浄に用いられており、眼精疲労や視力回復に効果があるとされています。また、フェンネルに含まれる抗酸化物質やフラボノイドの働きにより、眼の炎症を抑え、黄斑変性や網膜剥離といった加齢による目の病気を防ぎます。

フェンネルの副作用

下記に該当する方は、副作用が起こる可能性がありますので、フェンネルの摂取を控えてください。

  • セリ科植物(コリアンダー、アニス、キャラウェイ、パセリ、セロリなど)にアレルギーをお持ちの方
  • 妊娠中、授乳中の方
  • 心臓病の薬を服用している方、てんかんの方、小さい子供

フェンネルシードの食べ方や使い方

食欲をそそるスパイス効果

フェンネルの種はインド料理や中国料理に欠かせないスパイスで、中国の五香粉にも使われていいます。またピクルスの香り付けにも用いられます。爽やかな清涼感がありますので、肉や魚との炒め物などに入れると、匂い消しとともに食欲をそそる風味が加わります。

お菓子の香りづけとして

フェンネルの独特の芳香は、パスティスやアクアビットといったお酒の風味付けに利用されています。またリコリスのような甘い風味は西洋のお菓子の香りづけにも使われますので、パンやクッキーなどに混ぜて焼くと、甘い香ばしさが加わります。

食後のお口の清涼剤として

フェンネルの独特の風味と殺菌作用を利用し、インドでは色のついた砂糖でコーテイングをしたフェンネルの種を噛んで、食後のお口の匂い消しにします。砂糖を使わず、そのままでももちろん大丈夫です。

フェンネルシードのハーブティ

フェンネルシードのハーブティ

フェンネルシードのハーブティ

消化促進やむくみ解消、ダイエット効果といったフェンネルの様々な効果は、種を使ったハーブティで手軽に活用できます。またフェンネルシードのハーブティの香りは、心を落ち着かせる効果もあり、リラックスタイムにぴったりです。

フェンネルシードのハーブティの飲み方

フェンネルシード小さじ1をカップに入れ、熱湯をそそぎ10分ほど蒸らします。それだけでもほのかな甘みと独特の芳香が楽しめますが、レモングラスなどの爽やかなハーブとブレンドすると更に美味しくいただけます。
お好みではちみつを入れたり、紅茶と一緒にいれてチャイ風味にしても。

フェンネルシードのハーブティの利用法

口臭予防・・・ハーブティーでうがいをします
眼精疲労に・・・ハーブティーをガーゼに浸して瞼の上に載せます

フェンネルシードの代用

同じセリ科のスパイス

フェンネルシードの代用というと、クミンシード、アニスシード、キャラウェイといった、見た目の似ている同じセリ科の植物の種(実)を思い浮かべますが、それぞれの風味は微妙に異なりますので注意が必要です。

風味によって使い分ける

フェンネルシードの甘みの代用でしたらアニスシード、さわやかな苦味の代用でしたらキャラウェイ、スパイシーな風味の代用でしたらクミンシードと、使い分けるとよいでしょう。

効能について

また効能については、同じセリ科の植物ですので、健胃・消化促進などが共通のものとして挙げられます。

フェンネルシードを使ってみよう

いかがでしたか?太田胃散や仁丹、インドレストランのレジ横にあるお口直しなど、意外なところで活躍していたフェンネルシード。優れた健康・美応効果もあり、活用しないわけにはいきませんね!フェンネルシードを見かけたら、積極的に使ってみましょう。