2017年2月1日更新

しそと大葉は別物?その違いは?

しそと大葉

しそは、とても栄養の豊富な植物です。
その効果、効能の高さは折り紙つきで、中国では、死人が蘇ると言われているほど。三国時代に蟹を食べ過ぎて倒れ、紫色に変色した少年が旅の医師に与えられた葉によって蘇ったことが由来なのですが、その葉こそが、しそなのです。
このことから、「紫」が「蘇」るで、しそとなり、当初は蟹や魚など、食べ物の殺菌、消毒を目的としてもちいられていたようです。

しその歴史は日本でも古く、なんと縄文時代には既に食用にされていたことがわかっています。
縄文時代の食事と、現在の食事に通ずるものがあるというのは、なんとも感慨深いものですよね。
しかし、現在の食卓、もしくはスーパーでは、しそと並んで「大葉」というものを目にする機会が多いと思います。この大葉、見た目にはしそと同じようだけれど、一体どう違うのだろうか……そう不思議に思った人もいるのではないでしょうか。
しそと大葉、はたしてこの二つにはどんな違いがあるのでしょうか。

  1. 目次
  2. しそと大葉は違うの?
  3. なぜわざわざ青じそに別の呼び方をつけたの?
  4. しその種類あれこれ……大葉と呼ぶのはほんの一部だけ
  5. 徹底比較!赤紫蘇と大葉(青じそ)
  6. おなじみの紫蘇ジュース、ぜひ大葉でも!

しそと大葉は違うの?

しそと大葉は同じものです。
しそには大きくわけて赤紫蘇と青じそがありますが、この青じその方を大葉と呼ぶのです。
ですから、厳密にいえば大葉=しそですが、しそ≒大葉ということになります。

なぜわざわざ青じそに別の呼び方をつけたの?

しそというのは、もともと赤紫蘇のことでした。青じそ(大葉)は、赤紫蘇の変種です。
後述しますが、赤紫蘇は主に梅干などの色付けに使用されるのに対し、青じそ(大葉)は食用としてもちいられることが多いです。
そして、しそは実・芽・穂などさまざまな部分が食用とされるため、わかりやすくするために葉の部分をとくに”大葉”と呼ぶようにしたようです。つまり、大葉とは商品名であり、名付けたのは静岡のつま物生産組合だといわれています。これが、昭和36年のことであり、以降、青じそのことを大葉と呼ぶようになったのです。

大葉という呼び方は限定的!?

赤紫蘇・青じそとあるうちの、青じその方を大葉と呼ぶことはすでに述べました。
ですが、青じそであればなんでもかんでも大葉というのかというと、実はそうではありません。
青じそでも、葉の表、裏ともに緑色で、葉に縮れがないものだけ。それも、食用とする場合にのみ大葉と呼ばれるのであって、たとえば、栽培されている状態では大葉とは呼びません。青じそです。これを収穫し、食用としておろして初めて大葉と呼ばれるようになるわけです。

また、同じ食用であっても、葉の食感や香りをそのまま楽しむ形でない場合も大葉とは呼ばれないようです。
たとえば、ドレッシングなどに加工した場合も大葉とは呼ばれず、青じそと言われます。

さらに、現在では、大葉と呼ぶのは地域でも偏りがみられます。
47都道府県中、中部から近畿地方にかけてと、東日本の日本海側22では大葉と呼ぶのに対し、そのほか21ではしそと呼ばれているようです(ほか4つの県では大葉としそが混在)。

しその種類あれこれ……大葉と呼ぶのはほんの一部だけ

しそは、色によって赤紫蘇と青じそにわけられますが、実は、葉が青ければすべて青じそというわけではありません。
しそには、赤と青の色が混ざっているものや、葉に縮れがあるものなど、さまざまな種類があるのです。
その中で、大葉と呼ぶのは青じそだけ。ほかのものあわせて、簡単にしその種類をご紹介します。

しその種類

ちりめん紫蘇

しその元祖。葉は表、裏ともに赤く、少し縮れています。
単体ではちりめん紫蘇と呼ばれることが多いですが、ちりめん青じそと一緒に扱われるときは、比較のためにちりめん赤紫蘇と言われます。

ちりめん青じそ

葉は表、裏ともに青いです。
ただし、葉に縮れがあるため、大葉とは呼ばれません。

赤紫蘇

現在では、”しそ”というと、この赤紫蘇を示す場合が多いです。
葉は表、裏ともに赤く、縮れもありません。

青じそ

葉は表、裏ともに青(緑)く、縮れもありません。
赤紫蘇と比べて爽快な香りが強いのが特徴で、大葉と呼べるのはこの青じそだけです。

まだら紫蘇

葉は表が青で、裏は赤色をしています。
縮れはありません。

片面紫蘇(かためんじそ)’Discolor’(栽培品種)

葉の色はまだら紫蘇と同じで表が青、裏は赤です。
まだら紫蘇と違い、葉が縮れているものもあります(縮れていない葉もあります)。

徹底比較!赤紫蘇と大葉(青じそ)

見た目

赤紫蘇…茎も葉も赤紫色。
大葉…葉はもちろん、青じそと呼ばれる茎の部分も青(緑)。

使い方

赤紫蘇…梅干や紅しょうが、みょうが、漬物などの色付け。ほかに、乾燥させた葉が香辛料として使われる場合も。
大葉…刻んで薬味にもちいられるほか、刺身のツマや天ぷらなど香味野菜としても使われる。

栄養・成分

しそはビタミン、ミネラルを豊富に含む、とても身体にいい植物です。
とくに、カロテンとカルシウムはすべての野菜の中でもトップクラスだと言われています。

赤紫蘇

シソニンというポリフェノールが含まれていて、薬効は大葉より高い。
大葉…カロテンの含有量が赤紫蘇より多く、栄養は赤紫蘇より高い。

赤紫蘇…6月~8月
大葉…7月~10月

販売時期

赤紫蘇…日持ちしないため、6月頃のみ。
大葉…旬の時期に限らず、年中入手可能。

おなじみの紫蘇ジュース、ぜひ大葉でも!

身体にいいと評判の紫蘇ジュースですが、たいていは赤紫蘇がもちいられますよね。
これ自体は、赤紫蘇に含まれるシソニンの効果・効能が大きく取り上げられることが多いため、当然なのかもしれません。
ですが、お伝えしたとおり、栄養面で言えば赤紫蘇よりも大葉の方が上なのです。
ぜひ、大葉でもしそジュースを作ってみませんか。

作り方はいたって簡単、鍋に2リットルのお湯を沸かし、大葉100枚を3~4分煮るだけ。
大葉は取り出すとき、ギュッと絞って成分をできるだけ出してあげましょう。
そこに砂糖200gを溶かして冷まし、冷めたら小さじ3のクエン酸を加ええれば出来上がりです。

色鮮やかさではどうしても赤紫蘇のジュースに叶いませんから、赤紫蘇と大葉を半々にして作っても大丈夫。そうすると、栄養も薬効も抜群のジュースができますよ。
ぜひあなたも健康のために紫蘇ジュースをはじめてみませんか。