2022年2月28日更新

カステラは日本生まれの和菓子!東京と長崎のカステラの違いって?

カステラ

年齢問わずお茶請けとして根強い人気のあるカステラは、和菓子なのか洋菓子なのか疑問に感じていた方もいるでしょう。結論を言えばカステラは和菓子なのですが、東京と長崎では同じお菓子でも少し違いがあるようです。今回はカステラの特徴や呼び名の由来などを含めた知識をお伝えしていきます。

  1. 目次
  2. カステラは和菓子
  3. 東京のカステラと長崎のカステラの見た目の違い
  4. 東京のカステラと長崎のカステラの味や食感の違い
  5. 結論「東京と長崎のカステラは見た目も味も違う」
  6. 時代が変わっても愛され続けるカステラ

カステラは和菓子

名前の響きは洋菓子のように感じるカステラですが、食品成分表では和菓子に分類されます。卵や小麦粉、砂糖などが主な材料となっており、型に流し入れて焼くシンプルな甘味です。

カステラはポルトガルから伝わったお菓子です。しかし、カステラは外国から伝わったお菓子が日本で改良されたから和菓子なのではなく、明治時代以前に日本に伝えられたため、和菓子の分類になります。

もともと和菓子という呼び方は、明治時代以降にヨーロッパから伝わったお菓子(洋菓子)と区別をつけるために誕生した呼び方です。そのため、呼び方の決まりがまだ確立されていない明治時代以前に伝わったカステラは和菓子に分類されます。

カステラの由来

カステラが長崎に伝来したのは16世紀の室町末期です。しかし、現在のカステラがそのまま日本に伝わったわけではありません。ポルトガルから伝来した当初は「南蛮菓子」と呼ばれるコンペイトウやアメ、ビスケット、タルト、ボーロ、パン、カステラ(後にカステラの原型となるお菓子)などの製法が伝わり、その南蛮菓子をもとにして改良した後に生まれたのがカステラです。

ちなみにカステラのルーツとなった南蛮菓子はポルトガルから伝わりましたが、ポルトガルにはカステラと呼ばれるお菓子は存在しません

カステラという呼び名の由来は、スペイン誕生の元となる中世のイベリア半島を支配していた三国の中の「カスティーリャ王国」という国名が由来しています。カステラの元となるお菓子が日本に伝わった際、「ボロ・デ・カステラ(これはカスティーリャ王国のお菓子)」と伝えたことから、日本でカステラという呼び名になったとされています。

しかし、由来の説となっているものは他にもあり、「カスティーリャ(またはカスティーリョ)・ボーロ(カスティーリャのお菓子)」という呼び名がポルトガルに入り、日本とポルトガルの国交でカステーラがかすてらに変化したという説や、当時の日本人がお菓子の名前をカステラだと勘違いしてそのまま定着した説、そして、カステラを作る際に卵の卵白を泡立てる際、お城のように高くなるようにと声をかけながら作っていた説など様々です。スペイン語でカスティーリョはお城の意味を持ち、それが現代で呼ばれているカステラに繋がったのではないかと言われています。(非常に後付けっぽいですけどね。。)

カステラは生菓子

和菓子にはさらに細かく生菓子、半生菓子、干菓子に分類されます。水分が30%以上のものを生菓子、10~30%のものが半生菓子、10%以下のものを干菓子としており、カステラは生菓子に分類されます。

ちなみに、最中(もなか)は半生菓子で干菓子は金平糖(こんぺいとう)などです。

東京のカステラと長崎のカステラの見た目の違い

東京のカステラ【文明堂】

文明堂は総本店を置く長崎以外に、東京にもいくつかの店舗があります。チェーンの種類が8種類もあるため、同じ文明堂のカステラでも別々の商品を製造していたり、味に違いがあります。そのため、同じカステラを取り扱っていても各社で異なる味わいをしています。

今回取り上げるのは、銀座文明堂のカステラです。原材料は卵、小麦粉、砂糖、水あめの4つのみを使用しており、箱から出すと均等にカットしてある状態です。ふっくらとした黄色のスポンジが見え、皮はやや薄い色合いをしています。底のザラメも確認できますが、主張は弱めです。生地はふわふわとしており、パンに近いような印象を受けます。

長崎のカステラ【福砂屋】

長崎の福砂屋で取り扱うカステラは、皮の色が薄い外観をしています。底についた薄紙を剥がすと色が薄いためか、ザラメの存在がよく分かります。東京のカステラと比較すると、長崎のザラメはしっかりとついている印象です。長崎のカステラの生地を東京のカステラと比較すると、キメが細かくより黄色っぽい生地をしており、しっとりとして見えます。

東京のカステラと長崎のカステラの味や食感の違い

東京のカステラの味【文明堂】

東京で取り扱う文明堂のカステラは、生地の見た目通りふんわりとした食感で、まるでパンのようです。期待を裏切らないカステラを代表するような味ですが、思いのほかあっさりとした味わいに仕上がっています。

長崎のカステラの味【福砂屋】

長崎で取り扱う福砂屋のカステラは甘みが強く、卵と砂糖の存在感をより感じる味わいをしています。あっさり食感の東京のカステラとは違い、長崎のカステラはふわふわでありながらもしっとりしており、口の中で弾むような食感をしています。また、長崎のカステラはザラメのシャリシャリとした歯触りがより強調されているように感じます。

結論「東京と長崎のカステラは見た目も味も違う」

東京のカステラは生地がふわふわでしっかりしており、パンを食べているような食感です。また、東京のカステラはあっさりとした甘さと控えめなザラメが特徴でしたが、長崎のカステラは甘みが強く、しっとりとした食感があります。長崎のカステラは濃厚な味わいをしており、ザラメのシャリシャリとした食感を強く感じます。さらに、生地の色味は長崎の方がより濃く感じられました。

時代が変わっても愛され続けるカステラ

ふわふわとした食感でおやつタイムをちょっと贅沢にしてくれるカステラについてご紹介しました。いつもの時間を優雅にしてくれるカステラは、メーカーによって様々な味の研究がされています。地域や各社で味の違いがあるのは面白いですよね。歴史の深いカステラは時代が変わっても愛され続ける和菓子ですから、各地域のカステラを食べ比べてみてはいかがでしょうか。