2017年7月21日更新
合成着色料 青色1号(青1)、青色2号(青2)について
気温が30℃を超えるとアイスクリームよりもかき氷が売れるそうです。わたしはかき氷のメロンが好きなので今回は合成着色料である青色1号、青色2号についてご説明します。ちなみにメロンシロップは青色1号と黄色4号の混合で着色されています。黄色4号については別でご説明します。
青色1号について
青色1号は食品を青く着色します。青色系の食用合成着色料としては青色2号とともに2種のみ認められています。
青色1号の正式名称は食用青色1号です。
食品添加物には甘味料や乳化剤、酸味料などさまざまな種類がありますが、名前に食用と付くものは着色料のみで、着色料の中でもいわゆるタール系と呼ばれるものに限り食用が付けられています。
タール系とは
タール系とは、過去に石炭を熱分解したときに生成されるコールタールの成分から作られていたためこう呼ばれています。ちなみに現在では石油(原油)由来のナフサを原料とし化学合成して作られています。
青色1号の特徴
青色1号は水とアルコールには溶けますが油には溶けません。また、光や熱、酸には強いのですが着色力があまり強くないといった特徴があります。
青色1号の危険性
青色1号に限ったことではなく食用〇色〇号という合成着色料は、法令で厳格な規格が設けられていません。どういうことかというと不純物は15%以内であれば混在しても問題ないとされているのです。
これがしばしば問題視されている合成着色料の不純物による発がん性になります。
青色1号アルミニウムレーキ
アルミニウムレーキとは青色1号を水に溶けにくくするために水酸化アルミニウム化合物に吸着させたものです。アルミニウム化合物は安全面の問題により菓子業界に対し使用自粛要請が出されていますが使用禁止にはなっていません。
アルミニウムレーキとして顔料化(※1)すると耐熱性、耐光性はさらに向上しますが溶けにくくなるといった欠点があります。ただし、溶剤が酸やアルカリであれば溶けるようになります。
(※1)顔料とは着色に用いる粉末で水や油に溶けないものをいいます。水や油に溶けるものは染料と呼ばれます。
アルミニウムレーキは通常水に溶けないため分散(※2)によって着色します。
(※2)分散とは水や油に溶けない固体の粒子が沈殿したりせず混ざり合った状態をいいます。
青色2号について
青色2号は発がん性の問題で国によっては使用禁止にされている合成着色料ですが、日本では問題なしとされ使用量の規制もなく認められています。
青色2号の特徴としては水やアルコールに比較的よく溶けます。溶液にすると紫色っぽい青色になります。
青色1号、青色2号の用途
単純に着色ということだけで見ると数十万色(種類)の着色料(色素)が流通していてほぼ混ぜて使うことはありませんが、食品に添加できる青系の着色料は青色1号、青色2号の2種のみしか認められていないため他の色と混ぜて使用されることがほとんどです。
絵具で色を混ぜて他の色を作るのと同様に青と黄色を混ぜれば緑になり、青・赤・黄色を混ぜれば黒っぽくなります。
一般的な用途としてはアイスやゼリー、清涼飲料水、菓子類、野菜を使った漬物(ナスなど)などに使用されています。黒っぽい色もつくれるためチョコレート色としても使用されています。
青色単色での使用は少ないですがかき氷のブルーハワイは青色1号の単色使いです。
食品への表示について
着色料は一般的には用途名と物質名を両方表記するのが良いとされていますが、必ずしも用途名を表記する必要はないとされています。
例えば、
通常は、着色料(青色1号)ですが用途名を記載せずに「青色1号」だけでも良いとされています。これは「色」という字が入っていれば着色料だと分かるといった理由だそうです。
また「色」という字を入れない表記の仕方もあります。この場合は用途名が必要です。
例えば、
着色料(青1)といったものです。
着色料は美味しそうに見せるために不可欠な添加物といえます
着色料は食品に色を付ける添加物です。
食品の色は食欲をそそる重要な要素です。我々消費者もきれいな色をした食品を好む傾向にあるのも事実ですが、原料のバラつきによって色が微妙に変化することがあります。もしも色がバラバラのまま店頭に並んでいたら恐らくクレームにつながってしまうでしょう。同じ商品であれば常に同じ味で同じ色であるのが当たり前になっているからです。微妙な色の違いに違和感を覚え「買わない」といった選択をするでしょう。
着色料を使用すれば常に同じ色に仕上げられます。
我々消費者が商品の色味にこだわることがなくなれば、特に合成着色料なんてものはなくなるでしょう。