2017年1月13日更新

優れた殺菌効果を持つハーブ・タイムの効果的な利用法

タイム

タイムといえばイタリアンハーブやブーケガルニに欠かせない代表的な西洋ハーブのひとつ。細くて柔らかい枝に小さくてかわいらしい葉が密集する姿は、見た目にも爽やかな香草のイメージそのものです。日本でも調理用ハーブとして定着したタイムですが、その優れた殺菌効果を活かして、お料理以外にも様々な利用法があります。今回はそんなタイムについて詳しくご紹介しましょう。

  1. 目次
  2. タイムってどんなハーブ?
  3. タイムの効能
  4. こんなにある!タイムの使い方
  5. タイムの育て方
  6. タイムを活用して清潔で心地の良い毎日を!

タイムってどんなハーブ?

タイムの種類

タイムには沢山の種類がありますが、コモンタイム、レモンタイム、クリーピングタイムなどがハーブとして良く使用されます。最もポピュラーなのは南ヨーロッパ原産のコモンタイムで、和名をタチジャコウソウといいます。またタイムには茎が立ち上がる立性と、這うように広がる這性の2タイプがあり、コモンタイムやレモンタイムは立性、クリーピングタイムは這性(匍匐性)です。タイムは株姿や花も趣があり、料理以外にも園芸用としても人気の植物です。また日本の高山植物イブキジャコウソウも、ハーブとしては使用されませんが、同じタイムの仲間です。

古くから伝わる浄化のパワー

タイムの歴史は古く、すでに古代エジプト文明の時代には、ミイラを保存するための防腐剤として使用されていました。後の古代ギリシャでも入浴剤としての利用や、神聖な神殿を浄化する香として焚かれるなど、その清浄効果が浸透していました。またタイムの語源、ギリシャ語の勇気(thymon)が示すように、タイムは勇気の象徴として、ヨーロッパの人々に古くから親しまれ、様々な言い伝えなどが残っています。

現在はキッチンハーブやアロマで活用

現在タイムは料理に使うキッチンハーブとして、パセリ、セージ、オレガノ、ローズマリー、バジルなどと並び、日本でもお馴染みの存在です。生のフレッシュタイプ、乾燥させたドライタイプ、どちらも手軽にスーパーなどで入手できます。また精油成分を抽出したタイムのアロマオイルは、殺菌作用を活かして掃除や洗濯、空気洗浄などに使用されています。

タイムの効能

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ハーブの中で最も殺菌作用の高いタイム。その有効成分はチモール、リナロール、カルバクロール、フラボノイドなど。特にチモール成分は、防腐剤や殺菌剤として、歯磨きや石鹸、マウスウォッシュ、男性用ローション、トニックなどに使われています。

風邪やインフルエンザの感染予防に

タイムの抗菌・抗ウィルス作用は、風邪やインフル予防に効果的。咳止や去痰の作用もありますので、風邪をひいてしまった時の症状緩和にも利用できます。

心の疲労回復効果

中世の頃、タイムには悪夢を止める力があるとされ、枕の下に入れる習慣があったそう。タイムに含まれるカルバクロールには、私達の気分を高めてくれる効能があり、不安や憂うつを改善し、心の元気を取り戻す手助けをしてくれます。

清浄効果で気になる匂いもスッキリと

タイムの消毒殺菌作用は、身の回りの気になる匂いもスッキリ解消してくれます。掃除や洗濯はもちろん、靴や靴箱など匂いの気になる場所への利用や、マウスウォッシュなどの身だしなみケアにも、効果的です。

注意すべき点

妊娠中、高血圧、小さい子供の使用は禁忌です。またアロマオイル等を直接粘膜へ使用することは避けてください。

こんなにある!タイムの使い方

タイムを使った料理

タイムの一般的な使い方は、やはり料理。程よい風味のタイムは、生のフレッシュタイプでも乾燥させたドライタイプでも、普段のメニューにサッと加えるだけで、新鮮な味わいに変化します。また、ハーブティーやアロマオイル使った、身体と住まいの健康対策も合わせてご紹介します。

白身魚や鶏むね肉・ササミなどのソテーや蒸し焼きの風味つけに

タイムの味は、さっぱりとしたほろ苦さが特徴的です。イタリアやフランスでは他のハーブと一緒に、肉類のローストや煮込み料理に使われます。セージやローズマリーほど強すぎず、ほどよく繊細な風味ですので、タイム単品の場合は、白身の魚や鶏むね肉やササミなど淡白な食材のソテーや蒸し焼き、煮込みなどに合います。フレッシュタイプは調理後も茎が残って触感を損ないますので、食べる時は取り除くか、最初から葉の部分だけを使うようにしましょう。その点ドライタイプはそのまま使えて便利です。

バターやオイルや塩を爽やかなタイム風味の調味料に

生のフレッシュタイムをバターやオイルや塩に混ぜたり漬けるだけで、簡単に爽やかな風味の調味料に変身です。

  • タイムバター・・・葉の部分だけをみじん切りにして、室温に戻したバターに混ぜ込み、冷蔵庫で保管。
  • タイムとホワイトペッパーのオイル・・・枝についたままのタイムの束と、ホワイトペッパーの実を、そのままオリーブオイルの容器に入れるだけ。
  • タイム&レモンソルト・・・みじん切りにしたタイムの葉と、すりおろしたレモンの皮を、天然塩に混ぜて、容器で保管。

どれも簡単に作り置きができ、手軽な料理の風味づけに大活躍です!

タイムのハーブティーで心に活力を

あまり馴染みのないタイムのハーブティですが、実は自家製で簡単に作れるのです。フレッシュタイム、またはドライタイムを小さじ1、熱湯を注いで10分ほど蒸らしてから、葉を濾していただきます。はちみつやレモンを入れると飲みやすくなります。憂うつな気分を元気に、活力をわき起こし、自信と勇気をもたらすタイムのアロマ効果を体感してみては?

タイムで入れた濃いめのハーブティーはナチュラルなうがい薬

タイムの優れた抗菌・抗ウィルス効果を利用して、濃いめのハーブティでうがいをしましょう。喉の炎症を鎮め、咳や痰を除く働きもありますので、タイムはうがい薬として最適です。

タイムのアロマオイルでお部屋を清浄に

タイムの殺菌効果を活かして、アロマオイルを焚いたり、ディフューザーに加えることで、お部屋全体を清浄に保ちます。また寒い時期は風邪やインフルエンザの予防としても役立ちます。

ドライタイムやポプリで抗菌防臭グッズを

乾燥したドライタイムを詰めて作るシューキーパーはいかがでしょう?気になるブーツや靴の抗菌・防臭になります。また、タンスや引き出しに入れても、防虫・防臭の効果があります。

タイムの育て方

タイムの育て方

タイムは他のキッチンハーブと同じく、栽培が簡単。日当たりのよい場所で、水はけをよくしてあげるだけで、すくすくと育ちます。特にタイムは、小さくてかわいらしい花や、こんもりとひろがる株の形状に独特の魅力があり、食用だけでなく、寄せ植えや花壇にも人気の多年草です。お庭がなくても、鉢植えでも充分楽しめるタイム、ぜひご自宅で育ててみませんか?

苗から育てるなら春先がベスト

丈夫な植物ですので、真夏と真冬以外ならいつでも植え付けが可能と言われますが、春先にお店でハーブ苗を見かけることが多いので、その頃に植木鉢やコンテナ、花壇などに植え付けるのが良いでしょう。

原産地の気候に近い環境で

タイムは丈夫で育てやすいハーブですが、高温多湿を嫌いますので、梅雨時や真夏の管理に気をつけてください。水やりは土が乾いてから。日当たりが良く、風とおしがよく、蒸れない場所に置き、少し乾燥気味に管理します。耐寒性があるので屋外でも冬越しが可能ですが、霜で葉が黒くなることがありますので要注意。

いつでもお手軽に収穫できます

タイムは茂りすぎると、株が群れて葉が黒くなってしまいます。収穫も兼ねて、梅雨前や真夏の時期に刈込みをするとよいでしょう。ハーブの風味としては、花が咲く4~6月前が最も香りがよいとされていますが、年間をとおしていつでも収穫ができます。

大きくなったら株分けで増やしましょう

タイムは成長が早いので、特に鉢植えやコンテナの場合は、育ちすぎると根腐れしてしまいます。大きくなったら株分けをして、別々の鉢やコンテナに移し替えて、どんどん増やしていきましょう。

タイムを活用して清潔で心地の良い毎日を!

タイムの清浄効果は、体にも心にも生活にも役立ちます。料理にも合い、飲んでも美味しく、育てるのも簡単なタイム、清潔で心地の良い日々のために、ぜひ活用したいものです。