2021年3月23日更新
混合だしの特徴と用途(合う料理)
混合だしとは旨み成分が重なっている特徴があり、相乗効果があることでよりダシのおいしさを味わえます。シンプルな和食に複雑な味わいと深い香りをプラスすることができますが、混合だしの用途や合う料理の見定めは難しいもの。ここでは混合だしの情報や取り方についてご紹介します。
混合だしの特徴とは
日本料理の基本となる出汁を取るために使われる食材には、かつお節や昆布、煮干し、シイタケなど非常に種類豊富です。
どれも違った味わいや風味を持ちますが、より旨みを引き出せると言われるかつお節と昆布から取る出汁は、相乗効果によって和食の質を高めます。
かつお節が持つ旨み成分の「イノシン酸」と昆布が持つ旨み成分の「グルタミン酸」は、単体でももちろんおいしい仕上がりになりますが、二つを合わせた混合だしにすることによって相乗効果が生まれ、よりおいしくなると科学的に実証されています。
旨み成分を引き出して、調味料を入れすぎない健康的な食事を作るためには、しっかりと旨みを感じられる出汁を取ることが大切です。
混合だしの香り
混合だしはより一層旨みが強くなり、かつお節と昆布の良いところを合わせたような食欲をそそる香りがします。倍増された旨みだけではなく、芳醇な香りを楽しめるのも混合だしの特徴です。
混合だしに使う材料の組み合わせ
混合だしで最もスタンダードな組み合わせはかつお節と昆布ですが、和食に使う出汁を取るために使われる材料は、他にも煮干しやシイタケなどがあります。
昆布の旨みはグルタミン酸、かつお節や煮干しの旨みはイノシン酸、シイタケの旨みはグアニル酸と考えるのは一見難しそうですが、出汁の基本はこの3つの旨みから成り立っていると考えれば簡単です。
それぞれの旨みをどう組み合わせたら正解なのか分からなくなる場合もあるかもしれませんが、かつお節×昆布の組み合わせは失敗のない誰でも作れる組み合わせというだけです。
煮干し×昆布でも良い混合だしが取れますし、シイタケを少量使うだけで格段に好みの味になるということもあります。
おいしいと感じるのは人それぞれですから、初めは好きな組み合わせで混合だしを作ってみることが大切です。さらに言えば定番なのはかつお節ですが、それ以外にもアジやサバ、ウルメイワシなどのかつお節以外の削り節もあります。
混合だし作りに慣れてきたら細かい特徴などを考えて組み合わせていけば、個々に合った出汁の味わいになります。組み合わせに正解はないということを覚えて様々な組み合わせに挑戦してみましょう。
混合だしが合う料理と用途
混合だしの基本はかつお節と昆布で取った出汁になるため、強い旨みを感じられます。
そのため、お吸い物や味噌汁などの汁物はもちろん、煮物や茶わん蒸しなどの料理、そして鍋のつゆやめんつゆなどにしてもおいしく頂けます。
混合だしは使い勝手が良いため、基本的に和食全般に使えます。普段かつお節、昆布などの単体で出汁を取っていた方は、二つを合わせて出汁を取ってみると味や香りの違いがよく実感できるでしょう。
幅広い和食料理に使えて味わいのクオリティを上げる混合だしは、非常に用途が豊富です。
混合だしの取り方
料理の味や香りを邪魔せず、旨みだけを倍増させてくれる混合だしは非常に魅力的です。単体だけ使用した出汁と何ら変わりはないため、出汁を使う料理と同じように使うことができます。
また、かつお節単体と混合だしは、基本的に一番だしと二番だしがあり、それぞれ取り方が異なります。では、そんな汎用性の高い混合だしは、どういった手順で取るのが正しいのでしょうか。下記からは基本的なかつお節・昆布を合わせた混合だしの取り方について詳しく触れていきます。
・一番だしとはどんなだし?そして二番だしとは?それぞれの使い方について
混合だし(一番だし)
一番だしは旨み、香りともにバランスよく取れる出汁の取り方です。優しい風味に仕上がるため、お吸い物などの味付けの薄い料理に適しています。
【材料/お吸い物5人分】
- 水 1リットル
- 昆布 5g
- 花かつお 30g
混合だし(一番だし)の取り方
- 昆布の表面にはホコリや汚れなどが付着している場合があるため、まず水を含んで固く搾った布巾などで表面をサッと拭きます。
- 鍋に水1リットルと昆布5gを投入し、中火で加熱していきます。
- 鍋底に小さい気泡がフツフツとしてきたら沸騰する直前です。ここで昆布を取り出します。
- 昆布を取り出したら一度沸騰させて花かつお30gを入れます。
- 弱火に火を落としたら、2分間煮出していきます。
- 時間が経ったら火を止めて布巾やペーパータオルなどの上から濾して出来上がりです。
混合だし(二番だし)
二番だしはその名の通り、一番だしで使ったかつお節と昆布を再利用という形で取る出汁のことです。経済的で出汁の旨みが非常に良く出ます。しかし、煮出し時間がかかることや、香りを強調したい料理には向いていません。一番だしはお吸い物などが合う料理でしたが、二番だしでは味噌汁や煮物などの味が濃い料理にお使いください。
【材料】
- 一番だしで使用したかつお節と昆布のだしがら
- 花かつお(追いがつおと呼ぶ) 10g
- 水 500ml(一番だしで水1リットルを使用していない場合、一番だしで使用した水の量の半分が目安です)
混合だし(二番だし)の取り方
- 鍋に一番だしで使用したかつお節、昆布のだしがら、水500mlを入れて沸騰させます。
- 沸騰してきたら弱火に火を落とし、5分間煮出しします。
- 5分経ったら追いがつおを入れ、2分間煮出しします。
- 火を止めて布巾やペーパータオルで濾せば出来上がりです。
出汁が出せる限界突破!混合だしで最高な和食を作ってみよう
日本人にとって和食はソウルフードです。出汁は日本のスープとも言われ、どれだけ旨みを倍増できるかでその後の調味料の量も左右します。複雑に合わさった味わいを楽しめるのも和食の良いところですから、普段の出汁で満足できていない方は是非この機会に混合だしの取り方を覚えて料理に活用してみてくださいね。