2017年4月10日更新
豆味噌とは?どんな特徴があるの?米味噌との違いが知りたい!
スーパーに行くといろいろな味噌がありますよね。地方に行くと味噌汁の味が違ってびっくりすることもあります。色々な味噌がある中で、今回は豆味噌についてお話しします。豆味噌の特徴や栄養、そして米味噌との違いを見てみました。
豆味噌とは
味噌は色々な種類があり、色や、麹の種類、味によって分類されます。豆味噌とは麹の種類で分類されやすい味噌のひとつです。これからお話する豆味噌は、主に東海地方で作られている赤味噌なんです。色で分類すると赤味噌の仲間です。普通の赤味噌と違う点は麹の材料にあります。
豆味噌の原料
一般的な味噌の原材料は大豆、麹、塩、水です。豆味噌は麹をつくる穀物に大豆を使います。大豆に麹菌を植え付けて豆麹を作り麹として使います。すなわち豆味噌は味噌の原材料に大豆だけを使いそれに塩と水をくわえて作っているのです。
豆味噌の作り方
大豆を蒸して潰したところに麹菌を植え付けて豆麹を作ります。そこに塩(食塩水)を入れて豆麹とよくなじませます。その後容器に移して2~3日経過したら食塩水と豆麹をすりつぶします。そうすることで熟成されます。仕込みが終わったら木桶などに移し落し蓋をして重石をのせて熟成させます。熟成期間は約1年~3年です。
豆味噌の栄養
豆味噌には豊富な栄養素が含まれています。カロリーは100gあたり約217kcalです。
豆味噌の栄養素(成分)
たんぱく質
ビタミン(E・K・B1・B2・B6・ナイアシン・葉酸)
ミネラル(ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウム・リン、鉄、亜鉛など)
食物繊維
脂肪酸(オレイン酸、リノール酸など)
アミノ酸(グルタミン酸、リシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、アルギニンなど)
ポリフェノール(イソフラボン)
塩分
豆味噌の効果・効能
豆味噌の効能は、大豆に含まれているポリフェノールの一種であるイソフラボンが女性ホルモンに似た働きをすることから、女性の美容と健康に効果的であると言われています。原料の主体である大豆の成分の植物性たんぱく質の効能で、新陳代謝を促進し、コレステロールの増加を抑える効果が期待されています。豊富な栄養を含む豆味噌は体内の老化を防ぎアンチエイジングに効果的な調味料だと言われています。
豆味噌の特徴
豆味噌は愛知県を中心に東海地方で作られています。他の味噌と違い熟成期間が長く、水分が抜けた堅めの味噌で、辛口ですが塩分濃度は10~12%ほどです。発酵・熟成期間には大豆のアミノ酸と糖質が反応して、味噌を茶褐色にするメイラード反応(褐変反応)が活発に行われるため、色は黒に近い茶色をしています。
豆味噌の種類
八丁味噌(三州味噌と同じ。愛知県)、名古屋味噌(愛知県)、伊勢味噌(中京地方)は代表的な豆味噌です。
豆味噌の味
豆味噌は豆麹と塩で作っているので、一般的な味噌に比べて糖質が少ないため甘味が弱くしょっぱいです。渋味があり磁味深い濃い味です。
八丁味噌…塩分濃度が高くしょっぱいです。独特の渋味と旨みが特徴です。
名古屋味噌…味は濃く味噌煮込みうどんなどに使われます。旨み成分が多い味噌です。
伊勢味噌…伊勢で作られている豆味噌。しょっぱく栄養の豊富感が深い濃い味です。
どんなお料理に向いているか
大豆が主体に作られている豆味噌。大豆のたんぱく質はアミノ酸とペプチドに分解されます。旨み成分のアミノ酸(グルタミン酸)や、コクや複雑な味の深さを出してくれるペプチドを豊富に含んでいます。そのため旨みやコクが強く、煮込んでも香りの変化は少なく、煮込めば煮込むほどコクが出ておいしくなるのが特徴です。
豆味噌のたんぱく質は肉や魚の臭みを消してくれる効果があります。また豆味噌の香気成分は加熱すると香ばしい香りがして食欲を湧かせてくれます。
<おすすめ料理>
どて煮、味噌煮込みうどん、さばの味噌煮、味噌おでん、ごま味噌和え、味噌汁など
米味噌との違いは?
米味噌というのは、原料となる麹が米に麹菌を植え付けて作った米麹と大豆と塩と水で作られていて、一般的な味噌はすべてこの米味噌になります。米味噌は製造過程で大豆を蒸すかゆでるかで赤味噌と白味噌に分けられます。
豆味噌はこれまで話してきたように原料の麹も大豆から作った豆麹で、色で分類すると赤味噌です。一般的な米味噌は各地方によって作り方や熟成期間の違い、大豆と麹の配合の違いから色や味に違いはありますが全国で生産されています。しかし豆味噌は豆麹を使った中京地方のみで作られている赤味噌のひとつです。
豆味噌をおいしく使おう!
愛知県を中心とした中京地方で作られている豆味噌は、味が濃く濃厚なのが特徴です。大豆が主原料の豆味噌はたんぱく質が豊富で、栄養素が豊富に含まれている味噌でした。熟成期間が長いため色はとても濃いですが、旨みとコクの強さで、煮込み料理には最適なようです。独特の色とコクや渋味のある豆味噌をほかの味噌に代用するには難しそうです。豆味噌は豆味噌で、上手に活用しておいしいお料理を作ってください。