2018年12月16日更新

アンゼリカとはどんな食品?誘う香りを持つアンゼリカの作り方や使い方

アンゼリカとはセリ科の植物の茎を砂糖で煮て、グラニューをまぶした製菓材料のことを指します。歯にくっ付く食感が特徴的なアンゼリカを使用したお菓子に憧れた人も多いことでしょう。そこで今回はそんなアンゼリカの作り方や使い方、赤色のアンゼリカのレシピについてもご紹介していきます。

  1. 目次
  2. アンゼリカとは
  3. アンゼリカの味
  4. アンゼリカの上手な使い方は?アンゼリカをプラスしたいお菓子の数々
  5. アンゼリカの作り方【赤色のアンゼリカも作ってみよう!】
  6. まるで宝石!ザラザラ感と歯に付く懐かしい食感を今ここに

アンゼリカとは

色鮮やかな製菓材料はドレンチェリーなどもありますが、他にも外せない材料と言えばアンゼリカも知名度が高い綺麗な製菓材料ですよね。そもそもアンゼリカとはセイヨウトウキというセリ科の茎を砂糖で煮詰めてその回りにグラニュー糖をまぶしたものになります。その見た目はまるで輝く宝石のようで、飾り付ければそのお菓子はひとたび上品で高級感のある見た目に早変わりします。そんなアンゼリカが飾り付けられたお菓子は昭和を象徴とするお菓子とも言えるでしょう。子どもの頃に家庭で手作りされたお菓子に乗ったアンゼリカに心躍った人も多いですよね。

そもそもアンゼリカってどんな植物なの?

アンゼリカは製菓材料としてのイメージが強いのですが、その正体は別名アンジェリカやアンゲリカと呼ばれる天使のハーブです。白く小さな花を密集させながら咲かせるアンゼリカは、女性にとって嬉しい生理痛の緩和や痙攣などを鎮める効能などがあり、喘息や気管支炎などにも効果があると言われるハーブなのです。

他にも血行を良くしたり体を温めてホルモンのバランスを整えてくれるアンゼリカは製菓材料に使われていますが、ハーブティーやオイルなどにも使われています。そんな植物がお菓子の材料になっていることには驚きですが、日本ではこのアンゼリカの代用としてフキを使ったものもアンゼリカと呼ばれているので、アンゼリカの材料をフキだと思っている人も多いようです。

アンゼリカの味

アンゼリカの植物から作った製菓材料も日本を代表とするフキから作ったアンゼリカもどちらもどんな味がするのか気になるところですよね。結論を言うと、まずフキから作ったアンゼリカは少し繊維を感じるモチモチとした歯応えを感じる甘く似た固いゼリーといった表現が的確でしょう。反対にセリ科の植物であるアンゼリカの茎から作ったアンゼリカの味は、フキとは対照的に少しスパイシーな香りがするのが特徴です。フキはキク科でアンゼリカはセリ科の植物と全くの別物なので、食感は似ていても味は感じるものが異なります。しかし、市販されているフキを使用したアンゼリカは砂糖を多く使用して糖度が高くなっているので、フキの味がしないか不安に感じる人もいますが、しっかりお菓子に馴染む甘さとなっているので心配することはありません。

アンゼリカの上手な使い方は?アンゼリカをプラスしたいお菓子の数々

見た目が綺麗という理由からお菓子の飾り付けが主な用途となっているアンゼリカですが、その見た目がデメリットと感じている人も多いのではないでしょうか。さりげなくお菓子に使う…としては難しい傾向にあるので、自然な輝きを放つお菓子としてアンゼリカの使い方に触れていきます。

確実に映えるブランデーケーキ

アンゼリカを不自然なく使用するためにはスポンジベースのケーキに混ぜるのが一番失敗なく済みます。大人向けのお菓子であればここにブランデーを加えれば、レトロのある懐かしい味と食感のグレードがアップしたケーキに仕上がります。こういったケーキの飾り付けにする場合は生地の中に細かく刻んだアンゼリカを入れてみましょう。

食欲そそるアンゼリカスコーン

見た目を良くしたいお菓子と言えば他にもスコーンなどがありますよね。ジャムなどを付けて食べる人もいますが、アンゼリカを混ぜても色鮮やかで楽しめます。そのままでは単色で色味がないスコーンにもアンゼリカを使えば朝食やピクニック、遠足などでカラフルな春色のスコーンが頂けます。

ジュエリーボックスゼリー

アンゼリカのような色合いが引き立つ製菓材料は透明なフルーツ味のゼリーにして中身が丸ごと見えた方がより綺麗に映えさせることができます。透明感のあるリンゴジュースなどを素材として、お好みのフルーツと一緒にアンゼリカをゼリー状に固めれば楽しく美味しいおやつタイムにピッタリです。

アンゼリカの作り方【赤色のアンゼリカも作ってみよう!】

アンゼリカと言えばグラニュー糖から透き通って見える緑色が特徴的ですが、赤色のアンゼリカはあまり見たことがありませんよね。ネット販売でも見かけないほどですから、赤色のアンゼリカを使いたいときは困ってしまいます。そこで赤色のアンゼリカも一緒に作りたいという人に向けて基本となる緑色のアンゼリカと一緒に赤色のアンゼリカの作り方もご紹介します!

欲しいときに自作してみよう!アンゼリカの作り方
アンゼリカを作る際、主役となるセリ科のアンゼリカが手に入る場合はそれで作りますが、手に入らない場合は日本ながらのフキを代用に作ってみましょう。今回は作りやすいようにフキを主体とした作り方をご紹介します。

<材料>

  • フキ 1束
  • レモン 1個
  • 砂糖 フキから見た量の30%
  • 食紅(緑・赤)(食紅は色味が更に欲しいという場合や赤色のアンゼリカを作る際に使用します)

作り方

  1. 用意したフキはまず包丁で10cm程度の間隔でカットし、しっかりと汚れを洗い流します。
  2. フキがたっぷりと入るボウルやバットなどにフキを並べ、フキが少し浮かんでくる程度の水を入れたら1/2にスライスしたレモンを潰して入れて冷蔵庫で1日かけてアク抜きを行います。このとき香りが抜けてしまわないようにアク抜きする際は皮ごと行いましょう。
  3. 1日経ったらフキの繊維から沿って皮を剥き、バナナを剥く感覚で指で上から下にスーッと引いていくようにして剥いていきます。
  4. 綺麗な緑色のフキが出てきたらザルに移して水気を切り、鍋にフキと砂糖を入れて混ぜ合わせた後、蓋をしたまま1時間馴染ませておきます。
  5. 1時間経つ頃にはフキから水分が出ているので1/2程度フキが浸かるくらいの水気が出てきたら強火にかけていきます。
  6. フキが一度沸いたら弱火に設定し、たまに混ぜながら5分間加熱していきます。このとき、フキのシャキシャキとした食感がなくならないように火加減を調節していくのが美味しいアンゼリカを作るコツです。
  7. 5分かけて火を入れたら、タッパーに移し、鍋に残ったシロップを再度沸かして煮詰めていきます。しばらく経つとトロトロとした質感になってくるのでここで火を止めます。ここでより鮮やかな緑色にしたい人や赤色のアンゼリカを作りたい場合は食紅や色粉を使っていきましょう。
  8. タッパーに入れたフキにシロップを注ぎ、残ったレモン1/2を上に敷いて香り付けを行います。そのままラップをしたら粗熱を取って冷蔵庫で保管し、1日経ったら網などにフキを乗せて冷蔵庫で表面を乾かしたらグラニュー糖をまぶして完成です。

作り方のポイント

フキのアクはポリフェノールの成分で出来ているため、スライスして軽く潰したレモンを上に乗せることで変色を防ぐことができます。製菓材料として使うフキのアンゼリカはより色をはっきりさせたいので、スライスレモンを使うことが色鮮やかで綺麗なアンゼリカを作るポイントになります。

まるで宝石!ザラザラ感と歯に付く懐かしい食感を今ここに

レトロな焼き菓子などに欠かせないアンゼリカは子どもの心を奪う宝石のような製菓材料です。好みもありますが、近年ではあまりアンゼリカのような色鮮やかなお菓子を見かけることが少なくなってきたので、子どもの頃のあの懐かしい食感と見た目をもう一度蘇らせたい人はぜひアンゼリカを手作りして美味しく楽しいお菓子を作ってみてくださいね!