2018年10月29日更新

プディングとプリンの違い

ツルンとした喉ごしが美味しいプリン。おやつや食後のデザートに嬉しいお菓子ですよね。でも海外へ行くとお店のメニューに「プディング」と書いてあり、なめらかで甘いプリンを想像して注文すると、全く違った料理が出てきてびっくりしたという旅の土産話を耳にしたことがあります。今回はプディングとプリンの違いについてリサーチしました。

1. 目次
2. プディングとプリンの違い
3. カスタードプディングがプリンの正式な呼び名
4. プディングはイギリスに伝わる料理
5. プリンをはじめお菓子のプディングの種類
6. 古くから伝わる料理のプディング
7. アメリカではライスプディングも人気
8. プリンはプディングの中の甘いお菓子の一種類

プディングとプリンの違い

海外のレストランや洋食店のメニューにあるプディング。英語でpuddingと書きます。プディングも、私たちがよく口にするデザート菓子のプリンも、牛乳と卵を使って蒸した料理です。しかしプディングというのはその蒸し料理の総称の呼び名で、牛乳と卵を使った甘いスイーツから肉や調味料を加えたおかずになる料理をまとめた呼び名であり、プリンというのはプディングという料理のカテゴリーの中の一つなのです。プリンはプディングの中で甘いスイーツの中の一つで、牛乳、卵、カスタードを蒸して作ったお菓子です。

カスタードプディングがプリンの正式な呼び名

日本でプリンというと、なめらかな甘いデザート菓子ですが、プリンという呼び名は、英語もどきの日本人が作った呼び名です。ですから海外で「プリン」といっても通じないことがあります。プリンの本来の呼び名は「カスタードプディング」といいます。日本でプリンと呼ばれているカスタードプディングは、江戸時代後半から明治時代初期のころに日本に伝わりました。

当時日本人には「プディング」という発音がプディングとは聞き取れず「プリン」と発音され、プリンとカタカナで表記されたのが定着したのです。日本ではプリン＝カスタードプディングは昔から現在に至るまで、甘いお菓子であると認識されたたまま伝わり普及しています。プリンとは日本だけの呼び名で、日本で認識されているプリンは世界ではカスタードプディングと呼ばれるもので、プディングの中で甘いお菓子の一種類です。

プディングはイギリスに伝わる料理

プディングとは古くからイギリスに伝わる家庭料理です。米、小麦粉、肉、果物、ナッツなどに調味料、そして牛乳と卵を加えて蒸したり煮たりして固めた料理やお菓子です。プディングの歴史を覗いてみると、昔イギリスの船乗りが航海中に持っている食材を無駄にしないために、肉や野菜の切れ端や、パンくずなどを卵と一緒に混ぜ合わせて蒸した料理がプディングの始まりだと伝えられています。その中で肉をたくさん使うとおかずになり、ナッツや砂糖などを加えて甘くするとデザートになることで、プディングは様々に幅の広い料理へと進化していったと言われます。

プリンをはじめお菓子のプディングの種類

プリンはプディングの中で甘いお菓子の一種です。日本でプリンと呼んでいるカスタードプディングは牛乳、砂糖、卵を合わせて蒸したなめらかなお菓子です。そのほか型の周囲に薄くスライスした食パンを張り付けて、ラズベリーなど夏に採れるベリー類を砂糖で軽く煮詰めたものを流し込んで冷やしたサマープディングは、夏のデザートととして人気です。最近では秋になるとベリー類に代えて、リンゴや梨を使ったオータムプディングなどというものも流行っているそうです。

クリスマスプディングはお菓子のプディングの代表格

イギリスの食文化を垣間見ることができるクリスマスプディングは、プリンと同じお菓子のプディングの一つです。お菓子のプディングの代表格とも言われます。プリンと同じように牛乳、卵を使い、そのほか小麦粉、ナッツ類、オレンジピールやレモンピール、レーズン、ベリー類などのドライフルーツ、スパイス、ケンネ脂、赤砂糖などを混ぜ合わせて蒸して作ります。

プリンと同じプディングの中のお菓子の一種ですが、プリンのようになめらかなお菓子ではなく、ケーキのようなお菓子のプディングです。イギリスのクリスマスにはクリスマスプディングは欠かせないお菓子で、家庭で手作りするときは、生地を混ぜながら願い事を一つずつ言いながら混ぜると願いが叶うなどという伝説があるそうです。

以前オーストラリアに留学していたときホームステイ先で毎晩必ず食後に砂糖ぎっしり、ナッツぎっしり、ドライフルーツぎっしりのプディングが出てきて、非常につらかった思い出があります。オーストラリアはイギリス領だったので食文化も受け継いでいるのです。

古くから伝わる料理のプディング

プリンはお菓子のプディングですが、プディングには料理として提供されるプディングもあります。ヨークシャープディングは料理として供される代表的なプディングです。牛乳、卵、牛の油を刻んだもの、小麦粉、塩などを混ぜ合わせた生地を型に入れてオーブンで焼いたものです。見た目はシュークリームの皮のような感じです。ローストビーフの付け合わせに西洋わさびと一緒に出されます。グレイビーソースやローストビーフの肉汁をしみさせて食べるのがイギリスのポピュラーな食べ方です。

アメリカではライスプディングも人気

アメリカではカスタードプディングであるプリンも人気のデザートですが、プディングというと、米を牛乳で炊いて甘くして食べるライスプディングが人気です。蒸したプディングではありませんが、アメリカでは朝食や、日本のお粥のように体調がすぐれないときにこんなプディングが人気のようです。

プリンはプディングの中の甘いお菓子の一種類

プリンとプディングは違う食べ物ではありません。プディングというカテゴリーの中の一つにプリンがあります。プディングもプリンも牛乳と卵を使った蒸し料理ですが、プリンはプディングの中の甘いお菓子の一つです。プリンという呼び名は日本で作られた和製英語で、海外ではカスタードプディングというのが正しい呼び名です。プディングは食事のおかずとしてもデザートとしても楽しまれる料理です。食べ方も様々です。海外旅行、あるいは洋食のレストランで、いつも食べるあのなめらかな甘いプリンを注文したいときは、「カスタードプディング」といってご注文下さい。