2018年3月14日更新

希少糖の効果について。副作用や危険はないか?

希少糖(レアシュガー)

近年注目されている甘味料の一つである希少糖。どうやら体に良い効果を持っている甘味料らしいです。そこで今回はこの希少糖の効果について調べました。どんなものが原料になっているのか、また希少糖の副作用や人体への危険があるかどうかと心配になる部分も見てみましょう。

  1. 目次
  2. 希少糖とは
  3. 希少糖の原料
  4. 希少糖にはどんな効果があるか?
  5. 希少糖の副作用や危険性について
  6. 希少糖のおすすめ商品
  7. 希少糖の効果に期待し利用してみよう

希少糖とは

希少糖とは自然界に極わずかしか存在しない糖のことです。学術的には「自然界にその存在量が少ない単糖(※)とその誘導体」と定義されています。

※単糖…それ以上加水分解されない糖=それ以上分解すると糖としての性質を失うもの

自然界に存在する糖のうちその99.9%がぶどう糖で構成されていますが、残りの0.01%が希少糖です。存在量は極少ない希少糖ですが、その種類は約50種類もあります。たとえばガムやキャンディでおなじみのキシリトール、清涼飲料水の甘味料として利用されているエリスリトール、またプシコース、アロース、ソルボ―スなどは希少糖の種類の一部です。

この希少糖については香川大学の何森健氏が希少糖を体系的に生産するメカニズムを発見し、希少糖の大量生産への道が開かれました。その後香川大学では希少糖研究センターが設けられ、希少糖の開発や研究に力を入れて取り組んでいるほか、たくさんの研究チームによって、希少糖の効果や研究の報告が上がっています。そして報告される希少糖の性質からの効果より希少糖が注目され、砂糖や異種化糖に代わる代替甘味料として食品に利用されています。

希少糖の原料

自然界にほとんど存在しない単糖である希少糖の原料は、果物や植物などが太陽光線を受けて光合成をおこなって得たでんぷんが希少糖の原料になります。でんぷんはブドウ糖の集合体ですが、このぶどう糖の構造が少しずつ異なってできたものが希少糖です。

希少糖にはどんな効果があるか?

存在量は少ないですが種類の多い希少糖は、様々な研究チームによって、その希少糖の種類の性質からそれぞれ健康に効果的な糖質であることが報告されています。多くの研究報告から希少糖は体に吸収されないもしくはされにくい糖質であるため、食品のカロリーを抑えられることができる糖質だと言われているほか、例えば希少糖の一つであるキシリトールは、口腔内の細菌の餌になりにくい糖質であるという報告から、虫歯の原因になる酸が産生されないので虫歯になりにくい糖質としてガムやキャンディ、歯磨き粉の甘味料として利用されています。

糖尿病に効果的である

希少糖は食後の血糖値を上昇させず、またインスリンの分泌を抑制する効果があると認められています。これについては様々な研究チームが同じ結果の研究報告をあげています。たとえば香川大学の研究チームは、希少糖の一種類であるプシコースを用いて動物および健常者である人間を対象に食後の血糖値を調べ、その結果、希少糖は血糖値の上昇を抑制する効果があると報告しています。このことから希少糖は砂糖などの代替甘味料として糖尿病患者の食事対策に使われています。

ダイエットに効果的である

希少糖は体に蓄積せず(吸収されず)排出されてしまうため、エネルギーにならない糖質だと言われています。そのためダイエットに効果的で低カロリーもしくはカロリーゼロの食品の甘味料として利用されています。この点に関してもたくさんの研究報告があげられています。たとえば香川大学の研究チームは、人間を対象に希少糖の一つであるDプシコースを用いて連続摂取試験を行った結果、メタボリックシンドロームに関して正常値に改善することができたという結果報告があげられています。

希少糖は内臓脂肪への蓄積がないことや肝臓での脂肪合成酵素を抑制すること、筋肉への蓄積がされないことなどの研究報告があり、希少糖は肥満にならないダイエットに効果的な低カロリー食品の甘味料に利用されています。

希少糖の副作用や危険性について

現在の研究報告では、希少糖に危険性はなく、また副作用も認められないとされています。香川大学の希少糖研究センターの報告では、希少糖は砂糖や異種化糖に代えて用いても美味しさを損なわず安心して利用できる新しい甘味料であると報告しています。そして代替甘味料として用いることで、糖尿病患者への食事対策に安心して利用でき、ダイエット食品への利用や肥満から生じる生活習慣病の予防に期待できる甘味料とだと評価しています。

希少糖に関して心配なことがあるとすると、希少糖と謳う商品や希少糖を利用した食品の中には希少糖を100%使用していないものがあります。これらの商品や食品は希少糖のほかに甘味成分として合成甘味料などを併用しています。併用されているほかの甘味成分が体に蓄積して太ってしまったり、健康に悪い影響を及ぼす危険があることには気をつけなければいけない点です。

希少糖のおすすめ商品

希少糖は一般のスーパーやドラッグストアなどではほとんど購入することはできません。希少糖の購入を希望する場合は、ネット通販のamazonで購入することができます。希少糖100%の商品を含めておすすめの希少糖の商品をいくつかご紹介します。

<エリスリトール>

三菱化学フーズ製の「エリスリトール」は希少糖のエリスリトール100%の商品です。糖尿病など糖質制限されている方でも安心して砂糖の代替甘味料としてご使用いただけます。エリスリトールはブドウ糖を原料に発酵させた希少糖です。商品は高品質であるのはもちろんですが、パッケージなどでコストを抑え求めやすい価格のおすすめの商品です。

<LOHAStyle (ロハスタイル) エリスリトール>

希少糖のエリスリトール100%商品です。合成甘味料や添加物は使っていません。砂糖の約75%の甘さで砂糖よりやや甘さは控えめです。原料はとうもろこし由来です。

<太田胃散・希少糖Gold>

希少糖の代表格D-プシコースとD-アロースの2つと希少糖とオリゴ糖、アガベシロップ、ビタミンCを配合した甘味料です。オリゴ糖は整腸作用があるほか、血糖値を上昇させずインスリンの分泌にもほとんど影響を与えないものです。またアガベシロップは低GI値の天然植物由来の甘味料です。希少糖100%ではありませんが血糖値を気にされている方にも安心してご利用できる商品です。

希少糖の効果に期待し利用してみよう

希少糖は自然界に極わずかしか存在しない糖質ですが、香川大学の何森健氏により希少糖の生産メカニズムが考案され大量生産の道が開け、砂糖の代替甘味料として低カロリーの食品に利用されています。希少糖の効果から糖尿病患者の食事対策にも利用できるほか、体内に蓄積されないのでカロリーを抑えることができるため、肥満防止やダイエット中の食事に砂糖などの代替甘味料として利用されています。危険性や副作用のない天然の甘味料の希少糖!健康対策に安心して利用してみてください。

【参考文献】
・農畜産業振興機構 調査情報部 https://www.alic.go.jp/joho-d/joho08_000438.html
・香川大学 https://www.ag.kagawa-u.ac.jp/morimoto/Poster%20for%20mass-production.pdf
・香川大学発『希少糖』生活習慣病予防への新戦略 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jssmn/49/6/49_299/_pdf