2019年7月22日更新
ハヤトウリの食べ方・効能・保存まで
見た目はまるでフルーツのような野菜「ハヤトウリ」は、生だと少し苦味が残る野菜でもありますが、そんな苦味も愛されている野菜です。初めて見聞きしたという人も多いかと感じますが、栄養の面では非常に優れた食べ物です。今回はそんなハヤトウリを美味しくする料理の食べ方や効能、保存について解説します。
苦味がアクセントなハヤトウリ
秋頃になるとこれでもかというほどたくさんの実を成すハヤトウリとは、南アメリカに位置する熱帯地域を原産としたウリ科のハヤトウリ属のつる性植物です。
春頃になると実の状態のまま地面に植えつける奇抜な栽培方法がされるハヤトウリは、なんと4メートル近くものつるをぐんぐんと伸ばして生長していきます。そんなハヤトウリはアメリカでは「チャヨテ」、フランスでは「クリストフィーネ」などと呼ばれ、定番野菜の一つに含まれる野菜でもあります。
日本には1917年の大正6年に鹿児島に持ち込まれ、薩摩出身の武士という意味を持つ「薩摩隼人の瓜」ということで隼人瓜(ハヤトウリ)と名づけられたとされています。
ハヤトウリの味
気になるハヤトウリの味わいですが、見た目の通り淡白でクセのない味わいになっています。水分が多いハヤトウリなのでジューシーさも感じられることでしょう。
しかし、生のままでは少々苦味がありますが、下処理をしっかりと行えばシャキシャキとした美味しい野菜に変身します。
大昔に日本に伝わったハヤトウリですが、あまり浸透していない野菜でもあるため知らない人も多いと感じますが、様々な料理と相性が良いのでまだ食べたことがないという人や、料理を始めたばかりの人にも使い勝手の良い食材となりますよ。
ハヤトウリに効能ってあるの?
生命力を強く感じるハヤトウリですが、気になるのは野菜としての栄養と効能ですよね。実はハヤトウリの成分はほとんど水分で構成されており、栄養らしい栄養は少量のカリウムやビタミンC、パントテン酸などだけなのですが、その代わり100gで20キロカロリーほどの低カロリーを誇る野菜です。
また、食物繊維もたくさん含まれているので便通が良くない人にはピッタリの食材でもあります。ハヤトウリの食物繊維は不溶性食物繊維なので腸を刺激して便通をスムーズにしてくれますよ。また、少量含まれている上記の栄養からは、高血圧、むくみ予防、筋肉の収縮の正常化、肌や髪の健康維持、ストレスの緩和、免疫力を高めるなどの効能があります。
ハヤトウリの食べ方で美味しい料理はこれ!
まだまだあまり知られていないハヤトウリはいざ目の当りにするとどのように手を付けて良いか分からないということがほとんどでしょう。日本では一般的に浅漬けにされることが多い野菜ですが、他にもバリエーション豊富にアレンジできるので美味しいハヤトウリの食べ方や料理をご紹介します。
料理の前にまずは必須の下処理から
美味しい料理にハヤトウリを活用したいところですが、前述した通り生のハヤトウリには少々苦味があるため、その苦味を軽減するために下処理を行いましょう。
やり方は至って簡単で、塩揉みするだけ!塩揉みする意外にも加熱調理で苦味は消えていくので加熱調理する場合塩揉みは必要ありません。
ハヤトウリの扱い方は、表面の皮をピーラーや包丁で剥いていき半分に切ったら中央の大きな種を取って流水で中を綺麗に洗うだけです。
しかし、ハヤトウリの苦味が気になるという人は緑色ではなく、クリーム色をしたものを選ぶとよりクセのないハヤトウリが楽しめます。生で楽しみたい人や固さが気になる場合は、4~6等分に縦にカットしたハヤトウリを塩入りの熱湯で2分程度下茹ですればシャキシャキ感を強く残した状態で頂けます。
浅漬け
ハヤトウリは味わいが淡白なので、基本的にどのような調理法でも合いますが、ハヤトウリを簡単に料理するのに最適なのは浅漬けなどでしょう。下処理を終えたハヤトウリはシャキシャキとした楽しい食感があるので浅漬けにしただけで立派なごはんのお供になります。
スープ
ハヤトウリの美味しい食感を生かした料理と言えばスープも挙げられます。地味な味わいになりがちなスープ類ですが、ハヤトウリを使用したスープにすれば豪華な食卓に早変わりしますよ。
フライ
フライとしての要素が他の野菜と比べるとあまりないハヤトウリですが、下処理をしっかりと行えばフライとしても美味しく頂けます。サクサク食感の衣の下にシャキシャキ感を感じるハヤトウリは独特で一味違ったフライに仕上げられます。
炒め物
ハヤトウリはもちろん料理の基本、炒め物にも活用可能です。朝食、昼食、夕食に出るような炒め物には基本的に合い、パパッとすぐできる炒め物を作りたいなら卵と合わせただけでも十分美味しい炒め物ができます。他にも様々な食材と合うので何にでも合わせてみるのがおすすめですよ!
焼き物
ハヤトウリ単体でそのまま楽しみたいという場合には、照焼きなどの調理法でハヤトウリを焼いてみましょう。醤油をベースとした調味料類で味を調えれば美味しいおかずの一品として頂くことができます。
ハヤトウリの保存はどうする?
ハヤトウリの保存で大切なことは、乾燥を防ぐことです。ただでさえ水気の多い野菜なので、ビニール袋やポリ袋などの密閉できるものに入れてから野菜室などで保存しておきましょう。
長期保存させたい場合は新聞紙に包み、段ボールに入れて暖房が入っていない場所に置いておけば1~2ヶ月程度は持ちます。しかし、この保存の場合は未熟な実を選んでしまうと傷む可能性があるのでずっしりと重さを感じ、ハリのあるハヤトウリを選定しましょう。
場合によってはハヤトウリを冷凍保存することもあると思いますが、水分の多いハヤトウリは冷凍すると中の水分が抜けて酸素によって変色してしまうこともあります。そのため、冷凍保存した場合は冷凍状態のまま加熱するようにしてください。
低カロリーで体に優しいハヤトウリを味わってみよう
低カロリーで歯応えある食感が嬉しいハヤトウリは様々な料理に合う野菜です。シンプルな味わいながらも、調理法によってはハヤトウリの食感を最大に生かせる使用法もありますので、今一度ハヤトウリに着目して食卓に乗せる美味しいおかずを作ってみてはいかがでしょうか。