2018年1月27日更新
サクラマスの値段やおすすめの料理
サクラマスという魚をご存知ですか?「マス」と付くからサケ類の仲間で身肉がサーモンピンクなのではないか程度は想像がつきますよね。今回は塩焼きやムニエルによく合うと言われるサクラマスの旬の時期や値段、そしてサクラマスをより美味しく食べるおすすめの料理を紹介します。
サクラマスとは
サクラマスはサケ目サケ科の川魚で、学名はOncorlynchus masou masoと言い、別名をホンマスと言います。漢字では桜鱒と書きますが、その由来は桜の咲く季節にたくさん獲れることからこのような字が使われているそうです。また産卵期のメスの体色が桜色になるからという説もあります。
北太平洋のアジア側に分布していて、日本では主に北海道、東北、北陸に分布しています。川でふ化して海に降りて成長し、再び溯上して生まれた川へ戻ってくる降海型の魚です。川でふ化したあとそのまま川に残り一生を過ごすサクラマスもいます。その種は渓流釣りでおなじみのヤマメで、実はヤマメはサクラマスが海に降りずそのまま川の残った陸封型(河川残留型)の種類なのです。
11月~12月にふ化したサクラマスは1年間幼魚時期を生まれた川で過ごし、その翌年の春に海に降りてゆきます。北の海を回遊して翌年の初夏に川に戻るため溯上し始めます。川に戻ったサクラマスは秋に産卵し3~4カ月後には死んでしまいます。寿命は3年ほどの魚です。
海に降りたサクラマスは生まれた川に帰る長旅に備えて北の海を回遊中に餌をたっぷり食べ、脂肪をたくさん蓄え、身の締まった肉質になって生まれた川へ戻ってきます。陸封型のヤマメに比べると、体も大きく全長50cm程度、体重1.5kgくらいです。大きいものは全長70cmほどのものもいます。
川で過ごす幼魚期は体側面に大きな小判型のパーマークと呼ばれる黒い斑紋が見られますが、海に降る頃になると体色は銀白色になりこの斑紋は消えてしまいます。4~6月頃に海へ下り秋には再び沿岸部に戻ってきて、翌年の春の桜の咲く時期に溯上し始めます。オスは上アゴの先端が下に曲がっている顔つきをしています。また産卵期を迎えたメスの体には薄いピンク色(婚姻色という)の模様が現れます。サクラマスは非常に味の良い魚として昔から貴重に食されていて、今でもサケ科の中でも最も高価な魚とみられています。
【関連リンク】
・ヤマメはどんな匂い?料理や旬など
・魚のアマゴのおすすめ料理!アマゴはどんな味?ヤマメとの違いはどこ?
サクラマスの旬の時期は?
降海型のサクラマスの美味しい旬の時期は春です。産卵期は8月下旬~10月上旬の秋の初め。産卵後の卵は11月~12月頃にふ化します。産卵する前、産卵のために栄養をたくさん体に蓄えた春の時期が一番美味しい旬の時期だと言われます。ちなみに腹が厚くそして硬いものが、脂がのっていて美味しいそうです。
サクラマスの値段は?
サケ科の中でも最も高価な魚だと言われるサクラマスの価格は、春から初夏にかけて入荷が最も多く、キロ当たり2000円を下ることはないと言われています。ネット販売で北海道産の2kg程度の大きさのサクラマスは7000円近い高価な値段で販売されています。
おおよその販売価格は1尾2.0~2.5kgの大きさで12000~15000円ほどの価格です。1切れにすると1切れ500~600円くらいの高価な価格で販売されています。
サクラマスを使ったおすすめ料理
サクラマスは鮭に似ていますが、繊細な身肉をしていて焼くとふんわりした食感だと表現されます。柔らかく、味は甘みと旨みが程よく脂がのっていて美味しい魚です。うろこは取りやすく骨も柔らかいですが、細かい骨が血合い以外の部分にもあるので食べるときには注意が必要です。
身肉はサーモンピンク色で加熱しても硬くなりません。しかし皮は硬いので焼いたり煮る場合は皮をつけたままでも構いませんが、ソテーや揚げるとき、生食で食べるときは取り除いたほうがいいですね。
サクラマスの刺身
サクラマスの刺身も大変美味しいのですが、サクラマスを刺身など生食する場合は、寄生虫がいる場合があるので食べ方に工夫をして召し上がってください。刺身で食べる場合は一度凍らせることです。冷凍庫(-20℃くらいの冷凍)で1日以上凍らせたものを解凍して食べます。解凍するときは身肉に包丁がすっと通るくらいまで自然解凍して、半シャーベット状で刺身として味わいます。
この食べ方は「ルイベ」と言い、鮭の産地である北海道に暮らすアイヌ民族の伝統的な食べ方で、アニサキスなどの寄生虫を死滅させるアイヌ料理の食べ方です。寄生虫を死滅させるほか凍らせて水分が抜けることで独特の脂の臭いを感じにくくし、その分風味が増した味わいになります。
半分凍った状態のサクラマスを薄く切り、わさび醤油でいただきます。レモンやライムなどの柑橘類の汁をかけ塩をふって食べても美味しいです。
【参考リンク】
・サクラマスのお刺身 - ルイベ
サクラマスの煮付け
サクラマスの基本的な調理法は煮つけや焼き魚にすると美味しくサクラマスを味わえると言われます。サクラマスはお醤油との相性も良く甘辛く煮付けるとサクラマスの脂の味わいがより美味しく醸し出すことができます。
切り身を一夜干しにすると煮崩れせず旨みをさらに増すことができます。地方により味付けは異なりますが、基本は醤油、酒、みりん、水で煮つけます。煮つけるときは切り身に皮を付けたままで構いません。皮目を下にして落して蓋をし、均一に火が通るようにします。途中煮汁をかけながら約10分程度火を通すとふっくらと美味しく煮付けることができます。
サクラマスのムニエル
ムニエルも柔らかい身肉のサクラマスによく合う調理法です。カリッとした薄い衣とふんわり柔らかい身肉の上品な味わいの料理です。
切り身は皮つきのままで構いません。両面塩コショウをふり小麦粉をまぶし、焼くときは余分な小麦粉をはらい、皮面からフライパンに入れて焼きます。焦げ付かないようにフライパンをゆすりながら火を通して行くのがポイントです。
サクラマスの淡白で優しい味わいはバターやオリーブオイルと相性がいいです。焼き上げたフライパンに白ワインやレモン汁、醤油などを入れてソースを作りムニエルにかけても美味しいです。一味つけたいときはカシューナッツ、ピーナッツ、松の実などの木の実をカリッと揚げてムニエルに添えると香ばしさが出て食欲をそそります。
サクラマスの塩焼き
サクラマスの定番の調理法です。皮つきの切り身を焼きます。皮をかりっと焼き上げ、独特の風味を生かします。また焼いても身肉が硬くならず柔らかくほろっとしているのがサクラマスの塩焼きの特徴です。
鮭との違いは、脂はのっているけれど程よい加減でのっており上品で飽きがこない味わいなのがサクラマスだと言われます。そんなサクラマスを味わうのはシンプルな塩焼きが一番美味しく味わえると言われます。
サクラマスの寿司
サクラマスのます寿司は富山県の郷土料理にもなっています。サクラマスを発酵させず、酢で味付けした押し寿司です。「ます寿司」「ますの寿司」「鱒の寿司」などという名称で製造されています。駅弁としても有名です。円筒形の木製の箱(わっぱ)の底に笹の葉をひいて、味付けをしたサクラマスの切り身を並べそこに酢めしをのせて押しながら詰め、笹を折り曲げて包み込みこんだ上にさらに重しをのせて押した寿司です。食べる時には、ホールケーキのように放射状に切り分けて食べるのが一般的です。富山県では昔からの製法と味を守る老舗店など40社以上のます寿司製造業者があります。
サクラマスを美味しく料理してみよう!
川で生まれて北の海に降り、回遊したのちにまた生まれた川へ戻ってくるサクラマス。桜の咲く時期が美味しい旬の時期を迎えます。脂も程よくのっているけれどくどくなく、身肉も柔らかくて焼くとほろっとしているのが特徴です。シンプルな塩焼きや煮つけは定番の調理法ですが、ムニエルやルイベにして食べるのもサクラマスの美味しい味わい方です。見た目も味も素晴らしいと言われる高級魚で、価格は高めですが、ぜひその味を美味しく調理してご賞味してみてください。