2017年11月9日更新

ブダイの味や料理。ナンヨウブダイ、アオブダイについても解説

ブダイ

何とも怖そうな顔をしているブダイ。刺身として料理に使われることもありますが、食中毒の心配がある魚でもあります。また、味についてもまだ良くご存じでない方もいると思いますので調理法や価格、値段、そしてナンヨウブダイやアオブダイについても併せてご紹介していきます。

  1. 目次
  2. ブダイってどんな魚?
  3. 違いはどこに?アオブダイとナンヨウブダイ
  4. ブダイの価格や値段・どんな調理法があるのか…味も気になる!
  5. ブダイは悪い魚じゃない

ブダイってどんな魚?

ブダイという魚を見聞きしたことがある方ならご存知かと思いますが、あまりイメージの良い魚とは言えないかもしれません。というのも近年ブダイを食べた方たちが食中毒を起こしたというニュースが放送されているためです。そのため、ブダイ=食中毒の危険がある魚だと認識している方も多く、ブダイを料理にして食べることに嫌悪感を感じている方も多いでしょう。

そんなブダイはスズキ目ベラ亜目ブダイ科という魚に分類され、温かい海水を好んで生息している魚でもあります。日本でブダイが生息する地域は神奈川~西の太平洋や九州や沖縄地方でこのブダイが多く生息しています。

世界中に生息するブダイ

ブダイと呼ばれる魚は実は世界中の至る箇所で広く生息しています。また、ブダイは種類も多く、日本では36種類ものブダイが息を潜め、世界的な規模で見るとなんと100種類ものブダイが生息しています。それだけ広い地域で生息が確認されているということは魚としての料理に活用されるのは当然のことと言えるかもしれませんね。

「ブダイ」という呼び名の由来

ブダイという呼び名を知ってから実際のブダイを見るとつい笑ってしまうような風貌をしているブダイの由来は身体に鎧を着ている武士のように見えることから「武鯛」という由来があったり、ゆったりとひらひら泳ぎ回る姿から「舞鯛」、そして鯛と比較して姿が劣るということに繋がって「醜鯛」、または「不鯛」など後半にかけての呼び名の由来は少々可哀想な由来になっています。様々な説があるブダイの呼び名は人々がブダイを良く見ていることが伝わってきますよね。

違いはどこに?アオブダイとナンヨウブダイ

ブダイはブダイでも「アオブダイ」や「ナンヨウブダイ」などの同じブダイがついた魚をご存じでしょうか。ナンヨウブダイは初めて聞いたという方もいると思いますが、アオブダイは比較的知名度の高い魚と言えるでしょう。では同じブダイでも呼び名が若干異なるこの二点のブダイについて見ていきましょう。

アオブダイとは

食中毒の発生件数の多い魚として知られるアオブダイはナンヨウブダイと見分けがつかないほど似ている魚です。

身体全体が青々としており、非常に綺麗な色合いをしているのが特徴です。そんなアオブダイがなぜ食中毒になると言われているのかというと、原因は毒性のある「パリトキシン様毒」という毒が食中毒を起こしている線が濃いのではないかとされています。

アオブダイの食中毒被害が言われている中で現在もこの毒のことはまだはっきりと分かっていない段階で研究が続けられていますが、パリトキシン様毒は非常に強い毒性があるため、注意したい毒です。そんな強い力を持つ毒がアオブダイに含まれていますので、怖い話ですがアオブダイを食べる際はこの毒を体内に摂取しないようにパリトキシン様毒が多く含まれる内臓は食べないことが第一です。

パリトキシン様毒が体に起こす症状には激しい痛みのある筋肉痛や黒い尿が出る、または歩行困難になったり呼吸が難しくなったりといった危篤性の高い症状が現れますのでアオブダイを口にするのは控えた方が何よりの安全に繋がります。

しかし、アオブダイに毒が含まれるからといっても全てのアオブダイに毒が含まれているということではありません。もともとこのパリトキシン様毒はアオブダイが体内に持つ毒ということではなく、捕食対象としているスナギンチャクが組織や粘膜にパリトキシン様毒を持っているため、それを食べたアオブダイの体内で毒が蓄積されていきます。

そのため、スナギンチャクをあまり食べなかったアオブダイには毒がないこともあります。アオブダイが食べた毒を巡り巡って私たちが食べるということは食物連鎖の繋がりですので。毒の影響がどれほど強いかが伺えるのではないでしょうか。

【参考リンク】
厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル:魚類:パリトキシン様毒

ナンヨウブダイとは

一般的に周知されているブダイが赤っぽいのに対し、ナンヨウブダイはその名の通り南国を思わせるような色鮮やかな色彩をしています。水族館などで良く見かけそうな魚でもありますが、ナンヨウブダイは目を楽しませてくれる青々とした輝きを放つ魚です。

体長は70cmもの大きさになる大型の魚であり、ハゲブダイ属に分類されます。生息地域は日本では高知県や小笠原、琉球列島、そして珊瑚礁などに生息しています。

死んだ珊瑚に付着した藻類を削り取るようにして食事をとっていますが、アオブダイと同様に内臓を食べると食中毒を起こす危険のある魚です。

ブダイの価格や値段・どんな調理法があるのか…味も気になる!

アオブダイやナンヨウブダイの毒は強力で何だか食欲を削がれる感じもしますが、周知されているブダイの味や値段、調理法なども気になるところですよね。次はそれらの点について知っていきましょう。

ブダイの味

ブダイの味は非常に美味しく、様々な料理に活用できそうな味をしています。怖いイメージの多いブダイですが、上記したようなアオブダイやナンヨウブダイでなければ過度に怖がる必要はないでしょう。そんなブダイは刺身にすると弾力を感じられるほどの食べごたえがある料理になりますので、歯ごたえが好きな方にはぴったりの刺身になるでしょう。

ブダイの値段は?

また、ブダイの値段や価格といったところですが、比較的安い値段で流通している場合が多い魚です。しかし、旬な時期が冬であるため、寒い季節のブダイは少々流通価格が高くなる場合があります。

刺身以外の調理法は?

ブダイは先ほど刺身にすると弾力があって美味しく食べられると触れましたが、他にも鍋の材料にしたり煮付け、ムニエル、フライ、天ぷらなどの調理にしても美味しく食べられるでしょう。ブダイは油との相性も良いため、油を使った調理で活用してもホクホクとした食感を堪能することができます。

ブダイは悪い魚じゃない

何かと食中毒のイメージがついて回るブダイですが、毒を持つのはアオブダイやナンヨウブダイです。流通しているブダイは食感も良く、歯ごたえ抜群で様々な料理に活用することが可能ですからレパートリー豊富な調理法で是非美味しいブダイを楽しんでみてくださいね。