2020年4月20日更新

砂糖がべたつく理由とは?

砂糖

料理やお菓子作りで必需品となる砂糖。そんな身近な砂糖はなぜあんなにべたつくのかご存じでしょうか。砂糖を多く含む代表的なアメなどは舐めかけのまま置くとベタベタしますよね。日常の中では小さなことですが、意外と知らない砂糖がべたつく理由を解明していきます。

  1. 目次
  2. まずは砂糖に付いて知る
  3. 砂糖がべたつく理由
  4. 砂糖の性質・用途
  5. 正しい砂糖の保管方法
  6. べたつく砂糖も大切な調味料

まずは砂糖に付いて知る

日頃私達が口にする多くの食品には砂糖が使われており、特にお菓子にはたくさんの砂糖が含まれています。砂糖がなければ甘く美味しいお菓子を作ることができませんし、美味しい料理を作る上でも砂糖は非常に重要な調味料となります。

そんなたくさんの人に甘みという意味で幸せを与えてくれる砂糖ですが、砂糖が多く使われている食品は手や指についた際、ベタつく感覚がいつまでも取れず、水で洗い流さなければいつまで経っても不快感が続く少々厄介な調味料でもあります。

また、甘い飲み物も同様で飲みかけの砂糖入りドリンクを放置すると飲み口が少しベタベタすることもあります。食べると美味しい砂糖ですが、手や床などにうっかりこぼしてしまったら掃除も大変なほどです。

砂糖の原料

砂糖がべたつく理由を知る前に、まずは砂糖が何で出来ているのかから知っておきましょう。砂糖はスーパーなどで非常にたくさんの種類を確認できますが、実は原料となっているのは「サトウキビ」と「てん菜」の2種類のみです。

茶色の砂糖や粒が大きい砂糖など、見た目も味わいも少し異なる種類が豊富ですが、元になるのはこの2つの原料のみです。ちなみにてん菜とはホウレンソウの仲間で見た目は大根のような姿をしています。収穫したサトウキビやてん菜などは不純物を取り除き、煮詰める過程を繰り返して様々な姿の砂糖になっていきます。

砂糖がべたつく理由

砂糖の元となるのはたった2種類しかなく、そこから様々な色と形の砂糖が枝分かれになって作られていきます。

砂糖の中でも手や床に付いてべたつくものとそうでないものがあり、特にべたつくのは上白糖などの砂糖です。

上白糖は吸湿性を持つため何もしなくても空気中に存在する水分を吸う特徴を持っています。

もともと砂糖の性質は、水分を持って離さないことと熱に強く反応することなので、手で砂糖を触った際に熱によって砂糖の溶ける量が非常に多くなります。

仕組みとしては、人の手などで砂糖を触り溶ける量が増えて水分を取り込む、そこから砂糖は鎖状になり、粘りを発生させるといった順を追っていきます。

ちなみに熱によって溶け出した砂糖の鎖状は、熱を加えれば加えるほどどんどん加速していく性質を持っており、熱を与え続けると粘り気が美味しい水飴のような状態にまで変化します。

このことから、砂糖は水分や熱といった条件があれば粘りの強いベタベタとした状態になるのです。

砂糖の性質・用途

ベタベタした状態の砂糖は料理作りの意欲を削がれてしまうときもありますが、そんなべたつく性質を持つ砂糖だからこそできること、使える理由があります。非常にたくさんの作用がある砂糖にもう一度スポットを当ててみるのも良いのではないでしょうか。

保水作用・吸湿性

上記でも触れた通り、砂糖には吸湿性と保水作用が備わっています。水分をしっかりと抱きかかえて離さない、ということは、パンなどのパサパサになりやすい食品に使えばふっくら感を長持ちさせることができるということでもあります。特にパウンドケーキなどふわふわのまま食べたい食品に役立つ調味料です。

腐らせない作用

砂糖の驚くべき作用の一つは防腐作用があることです。砂糖がその姿を成り立たせるために必要なのは水分だとお伝えしましたが、食品を腐らせるためには微生物のためにこれまた水分が必要になります。

しかし、水分を感知した砂糖はそんな微生物が繁殖するために必要な水分でさえも根こそぎ持って行ってしまうため、水分を失った微生物は繁殖することなく、砂糖はそのままの状態を維持できるのです。

タンパク質が固まるのを防ぐ

砂糖にはタンパク質と水分をくっ付ける作用もしてくれるため、肉料理や卵料理をより美味しくしてくれる作用もあります。肉は砂糖の入った漬けダレなどに入れれば柔らかい仕上がりになり、卵も砂糖を入れることによってふわふわで口当たり滑らかな一品に仕上げることができます。

また、砂糖が持つ作用には他にも果実を煮詰めて作るジャムなどのゼリー化や、お米や餅のでんぷん老化防止などもあります。

正しい砂糖の保管方法

手や指についた砂糖も落とすのは中々厄介ですが、べたつく前に砂糖を上手に保管しておくことも大切です。いざ料理やお菓子作りに使おうとした際に、固まってしまってほぐすのに時間がかかった…なんてことがないように正しい保管方法を知っておきましょう。

火のそばに置かない

これは当然ですが、砂糖は熱や湿気で形が変化する物質のため、火のそばに置いておくと調理している最中の湿気や熱でべたつく原因となってしまいます。砂糖は専用のカラカラに乾いた容器に入れて直射日光の当たらない冷暗所に保管しましょう。

冷蔵庫もアウト

熱や湿気に弱い砂糖なら、冷蔵庫で保管…と考えたくなりそうですが、実はこれもNG。上白糖などのべたつきやすい砂糖は尚更結晶同士が結びやすくなってしまい、結果固まってしまう可能性大です。

袋のまま使わない

砂糖を購入した際は専用の容器に移し変えるのが面倒で袋のまま使う…とついついやってしまいますが、砂糖の袋は耐久性がありながらも、通気性が若干あるため、長期的に袋のまま使用していると空気が通り固まってしまう恐れがあります。面倒ですが購入した砂糖は袋から出し、清潔な容器に移し変えましょう。

べたつく砂糖も大切な調味料

ゴシゴシ洗わないと中々取れないべたついてしまった砂糖でも、料理には欠かせない大切な調味料です。手軽に甘さを与えることができる砂糖は甘いもの好きの方にはキッチンの必需品になっていることでしょう。砂糖の性質を知っておけばべたつき始めても対処できるので、上手に砂糖を保管して使ってみてくださいね。