2016年11月9日更新

β(ベータ)カロテンを多く含む食品と添加物としての効果

βカロテン

βカロテンと聞くと、すぐに緑黄色野菜をイメージして、健康に良いものと捉えていらっしゃる方も多いことでしょう。ただし、あまり多く摂取しすぎるのも健康に害を及ぼすことがあるようです。

  1. 目次
  2. β(ベータ)カロテンとは
  3. β(ベータ)カロテンの食品添加物としての用途
  4. 過剰摂取による危険性

β(ベータ)カロテンとは

βカロテンとは、1930年代にロシアの化学者ポール・カーラーによって発見されました。元々、「カロテン」とは人参の英語名「キャロット」が由来とされています。

βカロテンは、植物や野菜に含まれる黄色いものであり、特に人参、ほうれん草、かぼちゃ、ピーマンなどの緑黄色野菜や柑橘類、スイカなどに含まれています。βカロテンは色鮮やかな食野菜や果物類に多く含まれる傾向にあります。

βカロテンは、摂取すると肝臓でビタミンAに変えられるという特性があります。ビタミンAには、肌荒れや乾燥肌の改善、シミやシワ予防、ニキビの改善の他、夜盲症の予防や改善などにも効果があるとされています。さらに、強い抗酸化作用があり、ガン抑制や認知症の予防にも効果があるとも言われています。βカロテンを摂取することで、美容にも健康にも効果があるとは私たちにとっては嬉しいものです。

β(ベータ)カロテンの食品添加物としての用途

βカロテンは、食品添加物として、食品の色を黄色っぽく見せるときに着色料として使用されることがあります。

使用されている食品の例としては、菓子類や麺類、マーガリン、卵焼きなどがあります。

また、ビタミンAに変化する特性があることから、栄養強化剤として、健康向上を謳った食品や飲料に使用されていることもあります。ただ、食品添加物としてのβカロテンには、使用が制限されている食品もあります。例えば、昆布類、食肉、茶、海苔、野菜などが挙げられます。これらの制限は国による基準で定められているので、市販されている食品でβカロテンが添加されているものを私たちが口にすることはないとは思われます。ただ、情報として普段の食事で食べ合わせを考える際の参考程度にはなるでしょう。

過剰摂取による危険性

一般的に私たちの健康に良いとされるβカロテンですが、過剰摂取はあまり良くないようです。βカロテンを多く含む食品を摂取すると、皮膚の色が黄色く変化する柑皮症を発症することがあるためです。しかし、これは一時的な症状であるとされるので、摂取を控えるようにすると改善されるでしょう。
むしろ、それより心配されることは、βカロテンを過剰摂取してビタミンAが体内に多く残ることです。その副作用としては、妊婦の健康への影響や胎児奇形が現れる可能性があるということが挙げられます。また、一般の成人でも過剰摂取によって目まいや吐き気などの体調不良を起こしたり、重篤なものになると肝臓への障害を起こす可能性があるともされています。
ただし、βカロテン自体は多少摂りすぎたとしても、健康への影響はさほどないようです。さらに、体内でビタミンAに変わる際も必要に応じて変わるとされているので、あまり神経質になる必要もないでしょう。