2017年5月10日更新
揚げ物にも!グレープシードオイルの使い方
ブドウ全体の約3~7%ほどの重さのブドウの種から油が取れるのをご存知ですか?
ワイン産業では副産物として扱われるグレープシードオイル。実は身体にとてもよく、使い道も豊富な油なんですよ。今回は、日本の家庭料理ではあまり見ないこのグレープシードオイルについて紹介します。
グレープシードオイルとは
ブドウの種の約10-20%が脂質で、ほとんどの品種において全脂肪酸の60-80%をリノレン酸が占めまることから、グレープシードオイルはリノレン酸型植物油とも呼ばれます。
ほかにはどんな成分が含まれているのか見ていきましょう。
グレープシードオイルの成分
グレープシードオイルの成分は以下に挙げられます。
ビタミンB1、B3、B5、E、F、C、葉酸、リノール酸やリノレン酸といった必須脂肪酸、タンパク質、果糖、ブドウ糖、カリウム、リン、カルシウム、マグネシウム、ポリフェノール、OPC。
OPC(オリゴメリックプロアントシアニジン)
OPC(オリゴメリックプロアントシアニジン)とは、非常に高い抗酸化物質のひとつで、フラバンジェノールという商品名でも売られています。このOPCとリノレン酸がグレープシードオイルの主成分です。
グレープシードオイルの高い栄養価は、海外の医学界や栄養学界でも高い評価を得ているんですよ。
グレープシードオイルのさまざまな効能
グレープシードオイルの主成分であるリノレン酸は、必須不飽和脂肪酸の代表格であり、身体に吸収されやすい脂肪酸でもあります。ビタミンEも豊富に含まれており、ビタミンEと言えば、強い抗酸化作用から食品の品質保持に使われたり、日光や放射線、空気などによって起こる酸化を防ぐ役割物質としても有名ですね。
ほかにもミネラルや水溶性ビタミンといった身体に必要な栄養素が多いことから、高齢者や乳児向けの健康食品や医療用食品などにも活用されています。
また、その安定した性質から食品としてだけでなく、高価な化粧品や薬品の材料としての用途もあるため、気づかないうちに使っているかもしれませんね。
グレープシードオイルの味や効果は?
栄養豊富なグレープシードオイルですが、調理で使えるほかそのまま食べることもできます。
また、食べるとどんな効果があるのか見てみましょう。
そのまま食べるとどんな味?
ほとんどの食用油に言えることですが、油は製造工程で精製を繰り返し最終的にほとんど無味無臭になります。ブドウが原材料であっても、ブドウの香りがするというわけではないのですね。
グレープシードオイルはほかの油に比べてさらっとしており、高温でも変質しないことから、揚げ物に適している油と言えます。使用感はカラッと揚がり、油はねが少ないのが特徴です。
グレープシードオイルにはどんな効果がある?
しみが薄くなる
肌細胞が抗酸化作用により活性化し、しみが目立たなくなるのに加え、体内でも抗酸化作用により自律神経が整い、肌の乾燥やメラニン色素の生成が抑えられます。
肌にハリがでる
傷ついた細胞の修復や細胞分裂が促され、肌表面のたるみが減るなどアンチエイジング効果を発揮します。
抗がん、抗アレルギー作用
体内のフリーラジカル(活性酸素)を取り除くほか、前立腺がんや肝臓がんに抗がん作用があります。また神経系統の損傷を抑えて、アレルギー反応を出にくくします。
コレステロールを下げる
血中コレステロールを下げて血栓を防止し、血管を拡張します。同時に脳細胞に栄養を送り、動脈硬化や心筋梗塞などの病気を予防します。
グレープシードオイルの代用方法や保存方法
食事は毎日のことですので、できるだけ体に良い油を使いたいですよね。
そこで、グレープシードオイルは食用油として代用できるのでしょうか。
グレープシードオイルを食用油として代用する場合
もし何か作りたいレシピが植物油を使うものであれば、グレープシードオイルをそのまま使うことができます。量も全く同じでかまいません。
またケーキ作りで、バターやラードといった固形油の代用をする場合には、バター大さじ1杯のところをグレープシードオイル大さじ3/4杯に替えて加えるだけです。溶かしバターの代用をする場合は量を変えず、そのままの割合で使用してくださいね。
グレープシードオイルの保存方法は?
グレープシードオイルは常温保存で良いため、風通しの良い冷暗所が良いとされます。未開封での賞味期限早く2年と、他の食用油に加えるとやや長めですが、開封後は劣化が早いため、1ヶ月ほどで使い切るようにしましょう。
開封後なるべく早く使い切れるよう、グレープシードオイルの容器は小さめが多いですが、もし賞味期限を過ぎてしまった場合、以下のような使い方で消費することができます。
バスタイムに
お湯をはった湯船に少量入れます。毎日使うと少しずつ乾燥肌が改良されていくのが実感できますよ。
洗顔後に
洗顔後乳液としても使えます。ベタつかず肌へのなじみが良いほか、ひきしめ作用と浸透効果、そして肌の代謝を高める効果が期待できます。
グレープシードオイルは栄養豊富で、普通の食用油と同じように使え、その上美容効果も高いとあって、健康志向の現代にはピッタリの植物油です。
スーパーなどで見かけたら、一度手にとってみてはいかがでしょうか。