2017年5月10日更新
キャノーラ油は体に悪い?その成分に含まれる危険とは
料理で当たり前のように使っているキャノーラ油ですが、実はその成分が体に悪いといわれています。
今回はキャノーラ油のどんな部分に害があるのか、キャノーラ油を上手に使うにはどうすれば良いのかについて紹介します。
キャノーラ油とは
キャノーラとはCanadian(カナダ)とola(油)を合わせて作った造語であり、なたね油と区別するためにこう呼ばれます。
キャノーラ油の原料は
キャノーラ油はセイヨウアブラナからなり、この原料は名前の通りカナダに多く群生しています。続いてアメリカやオーストラリア、中国などの草原地帯でも多く見られます。
このキャノーラ種を圧搾してとられるのがキャノーラ油ですが、原料として使えるセイヨウアブラナは、エルカ酸や30molより小さいグルコシノレートの含有量が2%未満など、厳しい国際基準で定められています。対してアブラナはこの基準を満たしておらず、普通のアブラナから取った食用油はキャノーラ油とは呼ばれません。
1970年代にカナダで、セイヨウアブラナの栽培者が伝統的な栽培方法により交配をした結果、このキャノーラ種を開発し、有害とされていた物質を大きく減らすことに成功しました。
キャノーラ油のカロリーは?
食用油のカロリーはほとんどが100gあたり920kcalであり、大さじ1杯あたりにすると111kcalです。
キャノーラ油も上記のカロリーであり、多く摂るとカロリー過多になるため摂りすぎには注意が必要ですね。
キャノーラ油が危険といわれる原因
それでは、キャノーラ油の成分を確認しながら危険といわれる原因を見ていきましょう。
キャノーラ油の成分
キャノーラ油の60%は不飽和脂肪酸であり、変質しにくく、安価で手に入りやすい食用油です。またキャノーラ油から作る石けんは、泡がきめ細かく、使い心地が柔らかで保湿効果も優れており、液体石けんなどにも応用されています。
キャノーラ油の危険性
では、キャノーラ油が危険とされる具体的な例を以下に挙げてみます。
殺虫剤として使用
キャノーラ油が殺虫剤に使われているのは、毒性があるからではなく油膜が害虫を窒息させるためです。よってこの作用は、オリーブオイルなど他の食用油でも共通していうことができますね。
ちなみにアメリカきら輸入しているキャノーラ油はすべてFDAによる厳格な検査をクリアしており、食用としての安全性が保証されています。
工業用の潤滑油として
キャノーラ油は食べることが最もポピュラーな使用方法ですが、他にもさまざまな用途があります。潤滑油をはじめ、冒頭で紹介した石けん、燃料としても使われます。またキャノーラ油に限らず、オリーブオイル、コーン油、大豆油や亜麻仁油も化粧品や洗剤、ペンキ、潤滑油、プラスチックなどを加工する際に使われています。
狂牛病やスクレイピー(羊に起こる脳疾患)の原因は
狂牛病は脳のタンパク質が、プリオンという異形タンパク質により変異することで起きます。この変異が脳内神経に影響をもたらし神経や細胞を退化させます。狂牛病が大量に発生したイギリスでは、当初セイヨウアブラナを含む飼料は使用されておらず、狂牛病に感染した牛の一部を飼料に混ぜて与えていたことが最大の原因とされています。そしてスクレイピーも、羊に起こる同様の現象と考えられています。
マスタードガスへの使用
アブラナやブロッコリー、カリフラワー、大根、ワサビといった十字架植物には辛味成分が含まれています。
しかし、化学兵器マスタードガスの
由来はマスタードが入っているからではなく、マスタードの刺激に似た毒物を使用していることから名付けられています。
トランス脂肪酸を含んでいる
キャノーラ油はその製造工程で300℃という高温下で処理され、この時酸化による変質を防ぐために水素還元されます。その結果成分の一部がトランス脂肪酸に変化するとされています。
しかし植物を圧搾して油を採取する場合、どの油であってもこの工程は避けられないものです。大豆油や紅花油、ひまわり油やごま油といった他の油にも同じことがいえます。
トランス脂肪酸とは
最後に紹介したトランス脂肪酸は、近年その弊害が大きく取り上げられています。一体どんな成分なのでしょうか。
トランス脂肪酸と病気
トランス脂肪酸は製品の変質を防ぐ目的で作り出された不飽和脂肪酸の1種です。その特徴としては、不飽和脂肪酸でありながら体に蓄積されやすく、長期的に摂取すると以下の病気の引き起こすといわれています。
冠動脈疾患、糖尿病、ガン、肥満、骨粗しょう症、不妊、子どもの発育不良など。
すぐに体に影響しないものの、軽視できない成分ですね。
どんなものに多く含まれる?
キャノーラ油には約1.5%のトランス脂肪酸が含まれますが、加工前からもともと含まれている食品もあります。
例えば、牛脂には2.5%~4% 、乳脂肪には5%~9.7%含まれており、これらが加工されると、さらに高くなります。その顕著な例がマーガリンです。
マーガリンのトランス脂肪酸含有量は7.1%~17.7% (最高で31.9% )であり、キャノーラ油よりも、日常口にする加工品でマーガリンやファットスプレッドに注意する方が重要ですよ。
ちなみにマーガリンを多く含む食品は、ケーキ、ビスケット、菓子パン、ナン、サラダドレッシング、フライドポテト、ポテトチップス、ポップコーン、チョコレート、アイスクリームです。結構たくさんありますね。
キャノーラ油の賞味期限と保存方法
キャノーラ油を変質させず、新鮮な状態で摂ることも健康を維持するポイントになります。
そのためには上手に保存することが大切です。
賞味期限はどのくらい?
開封後は1-2ヶ月を目安に使い切りましょう。
キャノーラ油の保存方法は
キャノーラ油の保存に大切なのは、遮光、密封、低温です。夏場などはしっかり密封して冷蔵庫で保管しましょう。
これまで何気なく使っていたキャノーラ油ですが、高温にしたり長期的に摂るのは良くないということがお分かりいただけたと思います。
キャノーラ油の特性を知り、上手に摂っていくことが必要ですね。