2017年4月13日更新
保存料ポリリジンの危険性
ポリリジンは、コンビニのおにぎりや駅弁などに保存料として使用されている食品添加物の一つです。安全な物質であるとされている一方、人体への影響は不明とする指摘もあります。私たちに身近な食品に多く使用されているだけに、その安全性が気になるところです。
ポリリジンとは
ポリリジンとは、放線菌という微生物を発酵させることで製造される物質です。これは、1970年代に大阪府立大学の酒井教授が確立したとされています。
ポリリジンは吸湿性が強く、淡黄色の粉末で、わずかに苦味を呈すると言われています。
ポリリジンには種類があり、中でも食品添加物として使用されているものはε−ポリリジンです。
日本では1985年に食品添加物としての認可を受け、今日まで使用されています。2004年にはアメリカでも、「一般に安全と認められる物質」とされて認可され、他に韓国などでも使用されています。ちなみに、ポリリジンを利用していることを表示する際は、「保存料(ポリリジン)」などと用途と物質名を明記することになっています。
また、ポリリジンには使用基準が設定されておらず、制限がないため非常に多くの食品に使用されています。
ポリリジンはその他にも、α−ポリリジンとして、細胞培養を行う際の表面コート剤として利用されています。細胞培養を行う上で、ガラスやプラスチックをコーティングするために使用されているようです。
ポリリジンの食品添加物としての用途
ポリリジンは、主に食品添加物に使用されます。特に保存料として、細菌や酵母などの発育や増殖を抑えたり、食中毒を予防したりするために使用されることが多いようです。
ポリリジンはご飯を腐らす枯草菌など多くの細菌に有効である一方、カビには効果がないとも言われています。また、食品に添加される際は、ポリリジン単体ではなく、他の食品添加物と併用することで、食品それぞれにより適合した効能を持たすことができるとされています。
ポリリジンには耐熱性があるので、加工食品に広く使用されています。具体的には、米飯、菓子類、惣菜、麺類、寿司、刺身用の魚の切り身などが挙げられます。中でも特に使用が多いのが、巻き寿司や弁当類とされています。
ポリリジンの危険性
ポリリジンは慢性毒性と言われていますが、一般的には安全とされています。そして、食品添加物としての使用基準の設定及び使用量の制限がないことからも、安全性は高い方であるとみてよいと思われます。
ただ、微生物が原料であるために、その他の物質が混入している危険性があります。また、危険性に関しては十分なデータがないという指摘もあります。これらのことから、やはりポリリジンが含まれている食品を過剰に摂取するのは控えておいたほうが良いかもしれません。